ヨルダン北部の街アジュルンはヒツジの起源かもしれないね【JOCV Day155】
配属先の仕事でアジュルンという街を訪れた。アンマンから車で北へ1時間程。国土の半分以上が砂漠であるヨルダンでは貴重な、緑が豊かな街だ。
アジュルンにはカラート・アル・ラバドと呼ばれる十字軍時代の城跡があり、これがアジュルン最大の観光名所である。
上司「ラミ、城見たいか」
私「見たいけど、仕事中だから今度観光で来るよ」
上司「そうだな、今日は時間が無い」
私「何で行きたいか聞いたんだ」
上司「ははは」
極めて不毛な会話をしながらアジュルン最大の観光名所を華麗にスルーし、車は目的地へと走る。
緑の豊かなアジュルンだが、人口の増加を受け生活インフラの開発も進んでいる。開発の中でやむを得ず撤去せざるを得ない貴重な植物を、配属先の植物園で預かり、保護するというのが今回のミッションであり、年末の大仕事となる。
日本では東京オリンピックに向けた交通インフラの整備により都内の木々が切り倒されているという話しを人から聞いた。切り倒される運命の木々の避難先が見つかり、そこまでの輸送条件を満たせるのであれば避難させてあげた方が気持ちが良い。木々も生きている。
そんなわけで初のアジュルン訪問となったのだが、地球の歩き方で書いてあったとおり、緑が豊かな地域だった。基本的にアンマンから北上するにつれ緑は豊かになっていくのだが、ヨルダン国内では比較的水が豊富な地域であることもあり、アンマンやジェラシュに比べて植生が豊かで、森林保全区も存在する。
木々の緑と、家の屋根のオレンジ色が美しい。アンマンに比べてゆっくりと時間が流れている気がした。
木々の間に家が建てられている。オリーブの栽培も盛んに行われている。
林の中をヒツジの群れが歩いていた。市街地と小規模な林がモザイク状に存在していた。ヒツジが市街地の方まで来ても誰も驚かない。人間と動物が同じ土地を共有して暮らしているという感覚が当たり前の街である。アンマンではこういった光景は少なくなったそうだ。
余談だが、ヒツジはムフロンというヒツジ属の種が家畜化されて誕生したと言われている。肥沃な三日月帯がヒツジの起源と言われいる。
ヨルダンの北部はこの肥沃な三日月帯に含まれている。ヨルダンがヒツジの誕生の土地なのかどうかは分からないが、現代のヨルダンの人々にとってヒツジがいかに大切かはすぐに分かる。
群れの中でも毛並みが綺麗だったヒツジ。緑が豊かな場所で育ったからか、穏やかな目をしていた。また来ますね。
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