横歩破壊‼ 横歩取らず▲58玉のススメ【Ⅲ 対△76飛編】

こんにちは、ramhomeです。
今回から後手の主な対応を解説する本編となります。
内容が少し複雑になっていきますが、ついてきてください!

「横歩取らず▲58玉」の概要やメリットは第一回、急戦への対応は第二回を参照してくださいね!

いつもの基本図です

大本命、△76飛

基本図から最も指される手はやはり、△76飛
取れる横歩は取る。大事なことです。

これに対して、先手は▲77角と大人しく対応します。
こんなのでいいの? と思う方もいるでしょう。
しかし、この一手が先手の狼煙。ここから攻勢をかけていきます。

△76飛に対しては▲77角。今回の基本局面となります。

△74歩への対応~馬を作る~

ここから後手の着手として、△74飛、△74歩、△52玉などが考えられます。
まずは△74歩への対応を見ていきましょう。

△74歩。桂跳ねを見据えています

出現頻度そこまで多くはないので、対応はさらっと。
▲22角成△同銀▲77歩打△75飛(△86飛は王手飛車)
▲66角打△33角打
(手順の途中で△23歩打は▲34飛でOK)

途中図。角の打ち合いになる

△33角打から続けて、
▲75角△24角▲53角成と進みます。

一方的に馬を作れます。△55飛には▲63馬△57角成▲69玉で問題ナシ!

△52玉への対応~罠を仕掛ける~

さて、お次は△52玉の変化を見ていきましょう。
(△42玉でも流用可能なはず)
筆者はこの手に対し▲36歩と伸ばす手をおススメします。

△52玉。バランスの良さを求めています

▲36歩????
パッと見た瞬間、「△同飛でタダで取られてしまうのでは?」と思った方も多いでしょう。
しかし、▲33歩打という強烈なカウンターがあるのです。

▲33歩打。これが決まると気持ちがいい

▲33歩打に対して、
①△同角は▲21飛成
②△同桂は▲23歩打
③△同金は▲23歩打△24金▲22歩成

と、どう対応しても後手が悪くなる。

したがって、後手は▲36歩に対して△74飛と横歩を受ける。
以後、▲25飛△84飛に▲22角成△同銀▲66角打と進んでいく。
この変化は△52玉編で解説を行う形に近く、そちらを参照ください。



△74飛への対応

▲77角に対して最もスタンダードな対応が△74飛です。
以下▲26飛△84飛▲22角成△同銀▲66角打と進みます。
以下①△89飛成 ②△82飛 の二パターンに分岐していく。

▲66角打まで。ここから分岐していく

なお、ここで△44角打という手もありますが、
△44角打▲22飛成△同角▲84角△99角成▲77桂で模様が良くなります。

△44角打の変化。先手が模様良し

△89飛成の変化~強烈な斬り合い~

△89飛成まで。ここから流れるような斬り合い

△89飛成は攻め合いの変化。
以下▲22角成に△15角打と斬り合う。

頻出の角打ち。飛車を逃がしても飛車の頭に歩を打ちます。

ここでは▲21馬もあるが、今回は▲88馬と後手の竜にぶつけていく。

△78龍以外は▲21飛成が王手になります。

▲88馬以下、
△78龍▲同馬△26角に▲82歩打
取ると▲86飛があり、後手の対応は難しいはずです。

▲82歩打が強力。▲25飛打は△44角▲21飛成△31金打で防がれる

(補足説明)
▲82歩打が激痛で、後手があまり踏み込んでくる変化ではありませんが、
以降は、△同銀が正着で、▲86飛△46桂打が用意の一手。
ただし、▲同歩△83歩▲45歩△35角に▲84歩打で先手が指しやすいと思われます。

△84歩打まで。先手の攻めに追われる展開です。


△82飛の変化~じっくり押し潰す~

△82飛まで。ここから先手がゆっくりと後手を圧迫していきます。

△82飛は穏やかな変化。
▲22角成の攻めを飛車の横効きで受けています。

そこで、▲83歩打と飛車をずらしにいきます。
先手の▲22角成があり、△同歩と取ることはできず△52飛と進みます。
次に、じっくり攻めを見据えて▲36歩と突いた形が基本図となります。

この形の基本図。△82飛から▲83歩打△52飛▲36歩と突いた局面です

(補足説明)
Q. なぜ▲36歩なのですか?
A. △33桂は将来的な△25歩があり厄介です。そのため、△33桂に対して▲35歩を用意する▲36歩が良い手になります。

▲36歩以降、後手の手は広くなるため詳細な手順の解説は行いません。
ここからの展開を有利に運ぶための、指し手の方針のヒントを解説していきます!
(あくまで展開例です。実戦では例に出てきた手筋を使って応用してくださいね!)

①△55歩が早い場合
⇒▲46銀から55の歩を取り込みにいきましょう。(▲25飛で狙いに行く場合もある)
 △56歩には▲68銀と中央に厚く組んでいきます。
 △57歩成▲同銀△56歩打が嫌そうに見えますが、▲55歩などで中央を抑えることができるので問題ありません。

展開例。5筋を厚く抑えましょう

②後手の△44銀は追い返す(図①)
⇒将来的な▲56歩で角道を活かして攻めましょう(図②)

図①
図②:▲56歩△同歩に、▲35歩△同歩▲34歩△22銀▲44歩などの仕掛けがある

③悠長な攻めには2枚の桂で攻める
⇒後手が83の歩を取ろうとするなど遅い場合は▲37桂+▲77桂で攻めましょう!
※▲77桂は角の可動域が狭まるため注意!

△同歩から▲45桂の猛攻が始まります。
△44銀に▲65桂と出来るのが二枚桂の強みです。

いかがでしたでしょうか?
本手順と言うだけあってかなり複雑な順もあったかと思います。
派手な手も多く、横歩取りの醍醐味も感じられるはずです。

紹介した変化は、一本道のものが多くあります。
実践を重ねて覚えることで、きっと盤石の序盤を築くことができるでしょう!

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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