誰がための酒呑み。

入社して早3日。
感想はというと、毎日鬱々とした気分のまま出社し、帰ってくるだけの日々。帰りの電車の中ではソーシャルゲームをする男たちを見るが、そんな体力はどこにあるのか。尊敬の念すら湧く疑問である。そんな中ふと思うことがあったので本日の日記として書き残すこととする。

世の中の親父たちは何故酒を飲むのか。高校までは全く分からず、大学で飲むようになると少しわかった、気になっていた。

私の父は大の酒好きである。呑まない日がほぼないと言っていいくらいだ。私にとっては全くと言って美味いものではないが、なぜ父は酒を呑むのか。その理由が働き始めた今、ようやく分かった。
それは酒が明日への活力だからである。仕事なんて感覚が麻痺していないとやっていられない。1日8時間勤務なんて、普通に考えれば正気の沙汰ではないのだ。だれがそんな制度を決めたのか。責任者を小一時間問い詰めたい気持ちでいっぱいである。

だが、その8時間で父が家族を守ってきた。狂気の沙汰に体を突っ込み生きてきていたのだ。そんな父に酒なんか飲むな、なんて誰が言えるだろうか。少なくとも私には言えない。

子供の頃嫌だった父の酔っぱらい絡みも、今考えれば仕事で疲れた父の愛情表現だった気もする。それならば、何故私はその愛に応えられなかったのか。今となっては応える気にはなれないが、孝行で返したい、という気持ちは常に持っている。

とはいえ、私には仕事後の酒も美味くはない。そんな私の明日への活力はコーラである。私もいつか、このコーラと共に大事なものを守っていけるだろうか。そう思いながら、ペットボトルの蓋を開けてみたり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?