新型コロナウィルスは地球全体での囚人のジレンマの実証実験ではないか?

連日、新型コロナウィルスのニュースばかりでウンザリしている方や気持ちが暗くなってしまっている方は多いのではないでしょうか?

新型コロナウィルスは実に理不尽で厄介なウィルスだと思います。

厄介なウィルスであるが故に、ネットニュースのコメントでは出歩いている人達が非常に叩かれています。

買い占めをする人達も叩かれています。

しかし、現実問題、海外旅行に行って新型コロナウィルスに感染して帰ってくる人

スーパーで我先に買い占めに走る人

朝からドラッグストアに並んでマスクや消毒液を買い漁る人達

人間の残念な行動の部分が騒がれてしまっているわけですが

これは人間の本質が残念というわけてはなく、買い占めに走る人達の性根が腐っているというわけでもなく仕方がない事だと私は思っています。

何故、仕方がない事なのか?

これはゲーム理論で超有名な囚人のジレンマで説明できると思っています。

超有名が故に囚人のジレンマって何?という方向けの説明はこちらの非常にわかりやすいサイトの紹介で省略させていただきます。

囚人のジレンマのモデルのお話を見ればわかるように、非協力ゲームの構造においては自分の利益だけを追求すると必ず誰かが損失を被り、自分自身も損失を被る可能性もあるという事です。

という事で私が言いたいことの結論はコロナウィルスによって騒がれている問題行動は全て非協力ゲームの構造になってしまっており、コロナウィルスを封じ込める為に全員が理想的な行動を取る事は今のやり方では不可能であり、モラル批判で騒いでも問題は絶対に解決しないという事です。

今回のコロナウィルス騒動で問題視されている行動を全体の利益と個人の利益に置き換えて考えてみましょう

目次

①海外旅行に行って感染して叩かれている人達のケース

②スーパーで我先にと買い占めに走る人のケース

③朝からドラッグストアに並んでマスクや消毒液を買い漁る人達のケース

④今、叩かれている上記の3つの問題は今後も続くのかについて考えてみる



①海外旅行に行って感染して叩かれている人達のケース

海外旅行を前々から企画していたAさん

コロナウィルスが海外でも流行していることは知っています。しかしながら海外に行けば100%感染するわけではありません。

Aさんが取れる行動は2パターンです。

①コロナウィルスの流行国に行く事で自分が感染してしまうリスクや周りに迷惑がかかるリスクを考え、楽しみにしていた旅行の為に用意した時間とお金を諦めて自分の健康と全体利益を優先するパターン

②感染する確率は100%ではないので万が一感染した場合は自分の健康と周りの人間の健康リスクを上昇させるが、自分のお金と時間を無駄にしない為に無事に旅行を楽しむ事を目指すパターン


①のパターンを選択した場合は我慢したAさんは100%何らかの損失を被ります。全体の大きなリスクを減らすという観点で見れば絶対に①のパターンが良いのですがAさんは楽しむはずだった旅行を自分の時間とお金を犠牲にして我慢しなければなりません

②のパターンを選択した場合はAさんはもしかしたらコロナウィルスに感染せずに楽しい旅行をしてお金も時間も無駄にせずに無事に帰ってこれる可能性を残します。Aさんに関係ない人達から見ると自らの危険性が増えるだけなので最悪な行動なのですがAさんにとってはどちらのリスクをとるかという問題になってしまっているのです。

自分の健康を取るか、自分のお金と時間を取るのかを天秤にかけて、お金と時間をとってしまう人達が一定数いるのは仕方ない事だと私は思います。

価値観は人それぞれであり、健康よりもお金が大好き、楽しい事、気持ちが良い事が優先の人達はたくさんいます。人類皆が健康最優先ならばこの世にタバコも酒も身体に悪い食べ物もギャンブルも風俗も存在しないはずですから。


②のパターンを選択してしまったAさんにとっては見ず知らずの他人の健康リスクなんか知った事ではないという事でしょう。

これが仮に海外旅行をキャンセルすれば逆にお金がもらえるという選択肢があった場合

Aさんにとっての利益が全体の利益になる選択、つまり、協力型のゲームにする事が出来ていたかもしれません。


②スーパーで我先に買い占めに走る人のケース

外出自粛の要請を受けて食料を買いに向かったBさんが取れる行動パターンは2つあります

ⅰとりあえず必要な分の食料を買いに来たが、まだ食料は目の前に残っている。今後、自粛の規模が大きくなり買い物に来れなくなる事を想定して、余分に何ヶ月分も買っておこうというパターン

ⅱとりあえず必要な分の食料を買いに来て無事に購入できた。他の人達も食料を買いに来るだろうから、必要以上に食料を買い込むのはやめておこうというパターン


ⅰのパターンを選択した場合は個人の利益を考えた場合は余分に食料を買った事で金銭的な無駄なリスクは抱えることになりますが、将来食料が手に入らなくなる恐怖を減らすメリットがあります。全体的な観点としては買い占めによって本当に必要な人達に食料が行き渡らないデメリットしかない行動ですが、個人の利益で考えた場合はメリットも感じる行動だと思います。


ⅱのパターンを選択した場合はBさんは特に損はしていませんし、全体の利益を考えても必要な人達皆が食料を買うことができる為、最高の行動だと思います。


食料買い占め問題については自分の利益を優先したⅰのパターンを選択してしまう人間達の負の連鎖によって発生してしまったと思います。

全体の利益の事を考える事が個人の利益の増加やリスクを減らす事に繋がっていない事が問題だと思います。

結局、見ず知らずの人達が買い占めはダメだ全体の利益を優先しようと叫んでも、必要以上に買うデメリットが少ない為、個人の利益を優先する人達が生まれてくるのは仕方がない構造になってしまっています。

買い占めをする事のリスクを上げることや買い占めをしない事で得られるメリットを大きくしないと一時的な買い占め問題は解決しないと思います。

ならばそんな方法を提案してみなさいよと思う人がいるかも知れませんが、私には到底思いつきません。

マイナンバーで国民を完全に管理して買い物履歴も完全に把握できるようになれば買い占めた人達を法的に裁く事が出来るかもしれませんが、今度は国民を完全に管理するデメリットの問題も発生してきてしまいます。

一時的な買い占め問題を解決する簡単で効果的な方法があれば世界中で買い占め問題は発生していません。人類の知恵を絞っても突発的な人々の買い占めを防ぐ事は非協力ゲームの構造になってしまっている以上不可能だと思います。

皮肉な事に、買い占めによって食料を買えなかった人達の健康状態は悪化し免疫が低下して感染者が出てしまった場合は買い占めた人達の感染リスクも高まってしまう可能性があります。

個人の利益を追求したつもりが遠回しに自分の不利益になっている可能性もあるわけです。


③朝からドラッグストアに並んでマスクや消毒液を買い漁る人達のケース

現在、マスクと消毒液は需要と供給が完全に釣り合っていません。

普段よりも金銭負担を増加させるか、時間負担を増加させるかをしないと手に入らない状態です。

マスクや消毒液を買う為に開店前から並んでるいる人達は自分の時間を犠牲にする事で目当ての商品を手に入れるという利益を得る行動パターンをとっています。

この行動を批判する人達は朝から並ぶ時間が確保できない人達もマスクや消毒液を買えるようにするべきだという主張なわけです。

並んでいる人達からすると

時間というリスクを負う事でメリットであるマスクや消毒液を手に入る行動をしているという意識しかないと思います。全体的な利益の観点で考えれば並ぶ時間が取れる取れないに関わらず、必要な人達に必要な物資が供給される事が理想の状態です。

しかし、マスク、消毒液に関しては朝、並んでいる人達が並ぶ事を仮にやめたとしても欲しい人たちに全員に供給できる体制ではありません。

マスク、消毒液買えない問題はそもそも供給不足により理想的な状態にする事が物理的に不可能な状態なわけです。


そうなって来るとドラッグストア側がどんな販売方法を取ろうとも目当ての品が手に入らない人達は確実に発生してしまいます。

抽選販売でも買えない人は出ますし、ゲリラ販売でいつマスクを売るかを秘密に販売しても欲しいのに買えない人達は必ず出てきます。

そうなって来るとよりお金という明確な基準でより高値を出す人達に販売するという、批判殺到間違い無しの方法で販売するか、平等感のある先着順で販売するのかという事に結局はなってしまっう為、朝一でドラッグストアに並ぶ人達が後を絶ちません。

仮に19時から販売する方法にしても結局は先着順の為買えない人達は出てきますし、19時に並べない人達から不満は出てきます。

どこの時間でマスク、消毒液を販売するにしても誰かしらが不利益を被ってしまう非協力型のゲームになってしまっているのがマスク、消毒液、朝一買い占め問題の構造だと思います。

今後、製造量が増加して、一人一人が必要な分だけ買えば平等に行き渡る状態になったとしても今度は食料の買い占め問題の構造に一時的に移行する可能性が濃厚なのがマスク、消毒液買えない問題です。

さらに自分はマスクや消毒液が買えて満足している人達も自分の感染リスクは下がるかもしれませんが、その行動で周りの人達の感染リスクは上がるかもしれないわけで、コロナウィルスに感染したご近所さんから自分も感染してしまうという何とも皮肉な結果になる可能性もあるわけです。


④今、叩かれている上記の3つの問題は今後も続くのかについて考える

ⅰ 海外旅行に行って感染して叩かれている人達のケース

これは各々が自粛する事が全体の利益にはつながるが個人は確実に損失を被るパターンですが

これは今後も自粛をしない人達が一定数存在すると私は予想します。

コロナウィルスに関しての恐怖の感じ方が個人間であまりにも違いがあるからです。

コロナウィルスをあまり恐れていない人達が長期間自粛をする事は不可能でしょう。

実際問題、企業側も国全体のメリットを考えれば一斉に休業して人の動きをなくした方がウィルスが広まる事を防げるわけですが、企業側が大きな損失を被る事になります。

稼げなくなり借金で倒産をするリスクを負うぐらいならばコロナウィルスに感染しない事に賭ける経営者、感染しても症状が出ない事に賭ける経営者がいるのは仕方がありません。

このコロナウィルスのタチの悪い点は感染しても症状が出ない事があるという情報が人々に出回っている事です。

自分が利益を取ろうとすると全体の不利益になる可能性があり、我慢をする事は全体の利益にはなるが自分が損失を被る事になる非協力型ゲームの構造になる悪魔的な設計のウィルスだと言えます。

これが感染した場合は50%死亡しますというウィルスならば100%全員自粛し、ウィルスの封じ込めにとっくの昔に成功していたと思います。

経済活動をする事による死亡のリスクが高すぎる為、自粛による個人のメリットが全体のメリットに繋がる協力型ゲームの構造になるからです。


自粛を強制する為に法律で人々を統率するのも一つの方法だとは思います。

出歩いたら罰金1000万円&即禁固刑ならば誰も出歩かないでしょう。

しかしながら自宅待機を強制するという事は経済的な補償もしなければならないという事であり、また別な問題が発生してくるので簡単な事ではないと思います。

結局、強制力の無い自粛のお願いでは非協力型ゲームの構造が続くので自粛しないで個人の利益を優先する人達は一定数発生し続けると思います。


ⅱ スーパーで我先に買い占めに走る人のケース

これは時間の経過で解決すると私は思っており、買い占めケシカランとワイワイ騒いでいる人達はアホじゃないかと私は思っています。

先程も説明したとおり、一時的な買い占め問題は非協力型ゲームの構造になってしまっているので個人の利益を追求する人達が出てしまうのは仕方がありません。

しかし、需要と供給のバランスが一時的に崩れて買えない人達が出てしまっているだけです。

ポイントは一時的な買い占めという点です。

買い占めした人達はこれからしばらく食料を買う事は無いのは明確です。

なぜならば追加で食料を買うメリットがないからです。

そうなってくると次に買い占めする人達が出てきたとしてもその人達もしばらくは食料は買わなくなるわけで、いつかは全員が必要な食料を買える状態になります。

十分な食料を手にした個人が追加で食料を買うことで金銭的なデメリットを避けるように行動する事が全体の利益にも繋がるようになります。

非協力型のゲーム構造がいつのまにか協力型のゲーム構造になっていく為、問題は自然解決します。

つい最近のトイレットペーパー買い占め問題もそうですが、供給体制と物流が生きていれば地域によって時間差はありますが、必ず必要な人達に必要な分が行きわたります。

今後、食料が売り切れたスーパーではしばらくは食料が全然売れなくなるという現象が発生すると思います。


ⅲ 朝からドラッグストアに並んでマスクや消毒液を買い漁る人達のケース

この問題は非協力ゲームの構造であり、マスクと消毒液の供給体制が整っていない為ズバリ、今後も解決しません。

いつ解決するのか?

生産体制が需要に追いつくぐらい拡大するか

そもそもの需要が減少するかです。

現実問題、国民全員が1日1枚マスクを着用できる生産体制なんて作る可能性はほとんどありません。

企業側が今後需要がなくなる可能性を考えるとそんなリスクを背負った設備投資をする事は出来ないからです。

そうなってくるとマスクや消毒液が無くても大丈夫だと人々が思い始める時がマスク、消毒液買えないで大騒ぎ問題の解決の時です。

要するに多くの人達がコロナウィルスなんてどうでもいいやとなるまでは時間的リスクや金銭的リスクを負わずにマスクや消毒液を手に入れるのはなんらかの人脈が無いと難しい状況が続くと思います。

しばらく続く事に対してケシカランと大騒ぎするのは無駄だと思いませんか?

皮肉タップリに言いますが、マスクや消毒液が欲しいならば他人と接触するリスクを犯して朝1でドラッグストアに並べばいいだけです。

本人は感染リスクを下げる為の行動を取っているつもりかもしれませんが、感染リスクが上がっているかもしれません。

マスクや消毒液がない事がリスクなのか、人混みに行く事がリスクなのか、どのリスクを重要視するかは個人の判断の問題です。

仕事で買えない人はどうすればいいんだ?と大騒ぎしている人達もいますが、仕事よりマスクや消毒液が大切ならは有給を使って並べばいいだけであり、有給も使えないならば、並んで買える人を雇って代理で買ってもらう方法もあるでしょう。

本気で欲しいならばいくらでも方法はあると思います。

有給で時間を作ることや金銭的リスクをとらずに皆が欲しがっている物を手に入れようというのは中々難しいと思います。

時間に余裕のある老人達がマスクや消毒液を買い占めていると批判もありますが、時間は誰にでも平等であり、その時間の使い方を決めるのは個人の自由です。

個人の利益確保行動が全体の利益にならない事がある事は先程から語ってきましたが、非協力型ゲームの構造である以上、誰かが利益を得れば誰かが損失を被ってしまうのは仕方がない事だと思います。


以上、長々と語ってきましたが、今、起きている問題行動を批判をする事は簡単ですが、では本気でどうやれば解決するのかと聞かれた時に誰も正解を出せないからこそ問題は発生していると思います。

モラルだけで世の中なんでも上手くいくならば

イジメも戦争も差別も世の中にはありません。

モラル任せで上手く行くならば世の中に法律は必要ありません。

モラルの問題を訴えても根本的な問題解決には繋がりません。現実に問題があるならば仕組みを変えて行く事でなるべく問題が起きないように考えていく事が人間らしい行動なのではないでしょうか?

批判している人達のほとんどは全体の利益という綺麗事の部分だけを主張しており、一見、問題行動を起こしている当事者の立場や気持ちの事を考えていないと思います。

非協力ゲームの構造になってしまっている事が一番の問題なわけです。

なぜ、全体の利益にならない行動を取ってしまうのか、仕組みに問題があるからではないのか?

厄介なコロナウィルスに対しても個人の利益が全体の利益に繋がる協力型ゲームに人類の知恵を絞ってなんとかしていきたいものです。









皆様の応援に支えられて毎日連続投稿継続中。ゲームアプリの触りの部分をプレイする事でゲームの出来を独自に判断し半年後のセルラン を予測をしていましたが、エンタメ未来予測全般に挑戦したいと思っています。