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飛行機と折り鶴

「震災の後の記録」IV

ヨーロッパ行きの長い飛行機の中でも、あまり眠らない性質です。
歩き回ったり、書き物をしたり、(あんまり難しい本は読めた試しがないです)、1、2本くらいは映画も観ます。

昨日はそれらにも飽きて、機内食が終わって灯りを落とした後に一息ついたスチュワーデスさんたちとおしゃべりしました。仕事の話から搭乗地の話になり、熊本の震災のことも少し話しました。地元の消防団の人たちの活躍や、先週の講義にほとんどの学生が元気な顔を見せてくれたことや、手前味噌ばかりですが、挫けずきびきびとするべきことをこなして、たいへんな時にもかかわらず学会に送り出してくれた妻や、明るく健気な子供たちのことも話しました。ぼくは熊本がいつの間にかずいぶん好きになったのだな、とも、話しながらしみじみ思いました。

パリに着陸する少し前に、先刻話していた気立ての優しいお嬢さんたちが小さい袋を持ってきてくださり、お菓子の詰め合わせと一緒に短い手紙と折り鶴を頂きました。うれしかった。

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