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将棋ウォーズ対局日誌 その3 せっかく逆転したのに・・・

 今回は、苦しい将棋を頑張って粘ってたのに、せっかく一瞬だけ分かり易く勝つチャンスがあったのにも関わらず、それを逃した将棋のご紹介です。

□玉の逃げ方を間違って詰み

 今回は、居飛車対振り飛車の戦いの終盤戦です。私は後手番で居飛車側で、画面下側が私です。いま△4四金と私が指した局面です。

 途中からずっと苦しい局面で、かなり粘っていたのですが、いよいよ力尽きてしまい、持ち駒も無くなり、相手がとどめを刺しに来た状況です。
 
 もう負けを覚悟していて後は詰まされるか、あるいは必死をかけられるかのみのような状況です。対局中はもはや読んではいませんが、いま少し考えると、以下は、『▲同馬(8二飛車が利いていて王手になるので同桂とは取れない)→△3三桂→▲3四桂→△1三玉→▲2五桂打ち→△同桂→▲2二銀打ち→△2四玉→▲3五金』などの手順で詰んでいます。


 そこから、指し手が進み、以下の局面になりました。

 王様が逃げれる場所は、3箇所なのですが、なんと、ここで△4三玉と逃げれば、大逆転で、私の勝ちでした。

 相手は残りが金一枚しかなく、△4三玉→▲8三飛車成りと来ても△5三合駒→▲3三金→△5四玉で、△4三玉→▲3三金と打たれても△5三玉と逃げて、後手玉は詰みません。詰まなければ、今度は豊富な持ち駒があり、相手の先手玉が詰む形になってしまっているので、後手の勝ちです。

 例えば、以下の図の局面で仮に次が後手番ならば、△5七角成りから詰みます。一例としては、『△5七角成り→▲同玉→△5六金打ち→▲同金→△同竜→▲4八玉→△3九銀打ち→▲同金→△5ハ金打ちまで』とかです。

 残念ながら、実戦は、以下のように迷うことなく、魅入られるようにノータイムで△2四玉と上がりました。

 ”悪手は指した瞬間分かる”とかいいますが、指した瞬間、「あっ、今なんで、横に逃げなかったの、そっちに行ったら詰まなかったでしょう、やっちゃった。。」と頭の中に浮かびました。

 そして、次に相手から、▲3五金と出られて、1手詰みで負けました。

 では、なぜ、このような簡単な三択の問題で、1手詰みを気が付かずに、わざわざ詰む方に逃げてしまったのでしょうか?

 それは、「ずっと苦しい戦いでもう気持ちが疲弊していた。さらに相手が止めを刺しに詰ましに来ているから、もうどう指しても詰んでる。負けたと決めつけて思い込んでいた。局面への希望や思考が働いて無くなっていた。」からだと思います。

 どんなときでも、もしかしたら、ワンチャンスがあるかも、逃げ方や受け方次第では、詰まないかも、受けがあるかもという最後まで諦めない気持ちを持つことや、局面、局面でゼロ視点でちゃんと自分で考えることが大切だと改めて思いました。

□玉の詰まし方を間違って負け

 今度は、相居飛車戦の相矢倉の戦いで、私が先手番で画面下側です。

 この局面ですが、正確なことは分かりませんが、1番自然な普通の手は▲5八同金だと思いますが、それは後手からの色々な攻めがあり、受けていても、相手の攻めがどんどん早くなっていきダメかと思い、先手番が悪いと思っていました。

 ▲5八同金のあとは、後手から、△5七歩と金の頭をたたく手、△五六飛車、2枚目の飛車を1段目や2段目に打つ手、△7七に桂馬を打ち込む手、△6九角や△5五角などの角を打つ手など、様々な攻めがあります。

 一例だと、『△5七歩→▲同金→△5九飛車打ち(詰めろ金取り)』、あるいは『△5七歩→▲6八金→△5六桂打ち(金取りで金の適した逃げ場所は無く、次に金を取った手が詰めろになる)』などです。

 このため、このような場合は、△5七歩には、手抜いて攻め合う方が良いと思います。あれあれ、いま少し考えてみると、もしかしたら、『▲5八同金→△5七歩→▲5四角→△5八歩成り→▲4一銀打ち』の展開ならば、先手が1手勝ってる気がしました。。という事は、後手は他の攻め方のが良いのかな。うーん、将棋は難しいです。。

 対局中はここで勝負しに行った方が良いと判断し、この局面では▲5八同金とは取らずに、▲4一銀打ちと、苦しいと思いながらも勝負に行きました。対局中は、▲5四角とどちらにするか少し悩みました。この局面で、▲5四角と▲4一銀と一度に2手指せたら、逆に先手が勝ちそうなのですが、残念ながら一度に1手しか指せません。

 そして、その後の局面をなんとか運良くしのぎ、以下の局面に成りました。いま3六歩とついて、竜での王手を防いだ所です。

 この歩をついたときの気分は最高で、5四の角が利いているので、相手も竜ではこの歩は取らず、「やった!勝った!ついに逆転した!」と心の中でガッツポーズをした所でした。

 なんと、この局面は、自玉にこれ以上の王手は無く、先手玉は詰まないです。しかも、途中に持ち駒を沢山貰っているので、今度は相手玉が詰めろの状態になっていて、大逆転で、先手の勝ちです。

 相手は仕方なく、以下のように△5四飛車と指して、取られそうな7四にいた飛車で、5四の角を外しました。

 この角を取られた局面は、実は先手の勝ちで、角がいなくなっても、持ち駒に、金2枚と角や銀があるので、相手玉は詰みます。

 一例は、『▲3一銀打ち→△1二玉→▲2二金打ち→△同銀→▲同銀成り→△同玉→▲3一銀打ち→△1二玉→▲2ニ金打ちまで』です。 

 対局中も上記の手順は読んでいました。仮に角がいなくても相手玉は詰めろだぞと。

 ポイントは、「金を2枚持っているから詰む、3一銀打ちを同玉は、3二金打ちの頭金で詰むから取れ無い」という点です。

 しかし、実戦は、5四の角を取られたあと、ほっと一息して迷わずにすぐに、以下のように▲3ニ金打ち、これで後手玉が詰まなくなり先手の負けが確定した局面になりました。(なお、実戦では、この後に今度は後手が間違ってしまい、結局、最後は先手の私が勝ちました。。)

 やはり、”悪手は指した瞬間分かる”ようで、▲3ニ金打ちの直後に、「あっ、、えっ、嘘でしょう、なんで金から打っちゃたの。。せっかく勝ちになってたのに。。1手前に戻してやり直したい。。あー、最悪。。やっちゃった。。」と思ったのでした。

 では、なぜ、このような簡単な詰み筋を分かっていながら、わざわざ詰まない王手を選らんだのでしょうか?

 それは、「長らく苦しい局面が続き、頭の中が疲弊していた。そして、勝った!と思って油断してしまったことで頭の中が一瞬完全にリセットされてしまった。あとは、頭の中で、金が2枚あるから簡単に詰む、安心、大丈夫と考えていたから、つい何も考えずにその金から打ってしまった。」と思います。

 将棋には、”勝ったと思ったときが一番危ない”とか、良い格言もあるのですが。。だいたい、こういう悪手を指すときは、思考停止してノータイム指しなので、勝ったと思ったときほど、油断せずに改めて一度考えてから指すことが大切だと改めて思いました。

□今回のまとめ

 今回の2局からの学びをまとめると、苦しい局面をしのいでやっと得たワンチャンス、ぜひ見逃さずに掴みたいものです。そのためには、「どんなときも気持ちを切らさず、油断せず、冷静にちゃんと考えて指す!」でした。

 いやー、頭では分かってるんですよ。ただ、実戦出来ないだけなんです。。

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最後までお読み頂きありがとうございました。😊




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