ダイエット中の代謝の低下は運動で避ける事が出来るのか?
今回の記事は何か?
こんにちは
"ラク瘦せ隊長"サトだ!
みんな、トレーニングはしているかな?
この記事を読んでいる人のほとんどが
ダイエットに関心がある
もしくは、トレーニーの方ではないだろうか?
今回のnoteはそんな
ダイエッター
トレーニーに捧げるnoteだ。
ふとした疑問
私もトレーナーであり、トレーニーである。
そして、スポーツモデルやフィジークコンテストに挑戦する
競技者でもある。
この、コンテストというものは
極限まで体脂肪を削り、洗練された究極の体を
追い求める競技だ。
そのため、過酷な減量に耐えなければならない。
減量が進むと、当然代謝は落ち込んでいく。
コンテスト経験のある者は心当たりがあるだろう。
でも、ちょっと考えてみてほしい。
多くのエネルギーを消費する筋肉の量が維持できていれば
本来ならもっと代謝を高い状態で維持できるのではないか?
ではなぜ、私たちの体は減量が進むにつれて
代謝が落ちていくのだろうか?
今回はそのヒントとなる論文を見つけたので
みんなに紹介していきたい。
この論文にヒントがある
筋肉量は保てているのに
代謝が低下していく現象の謎を解くために
ネットの海に飛び込んだ私は一本の論文にたどり着いた。
Metabolic slowing with massive weight loss despite preservation of fat-free mass
↑無料で読めるので興味のある方は是非読んでみてほしい
論文のタイトルを日本語に訳すと
「大幅な体重の減少は、筋肉量の維持に関わらず起こる」
といったところだろうか。
論文に書いてあった内容をまとめていく
実験の条件
参加者
男性:7人
女性:9人
年齢:20~56歳
体重:149.2 ± 38.0 kg
体脂肪率:49 ± 5%
BMI :49.4 ± 9.4
これを見てわかる通り、幅広い年齢の
かなりの肥満者が参加している
条件
期間:30週間
運動:1日3時間の運動を推奨
摂取カロリー:21.6 kcal/kg·× FFM (キログラム) + 370 kcalを推奨
(例:21.6×60+370=1660kcal…こうしてみるとかなり厳しい制限が課せられていることがわかる)
結果
体重:149.2 ± 38.0 kg ➡91.6 ± 22.9 kg(-57.6 kg)
体脂肪率:49 ± 5% ➡ 28 ±10%(-21%)
BMI :49.4 ± 9.4 ➡ 30.4 ± 6.3(-19)
FFM(筋肉などの組織):75.7 ± 20.2 kg ➡ 65.2 ± 15.5 kg(-10.5 kg)
体脂肪:73.5 ± 21.1 kg ➡ 26.4 ± 13.8 kg(-47.1 kg)
以上より、減量の割合は
FFMで17.4%
体脂肪で82.6%
の減少と、圧倒的に体脂肪での減量幅が多く
筋肉量を残せていた。
RMR(安静時代謝率):2679 ± 624kcal ➡ 1890 ± 423kcal
代謝適応(予測とのズレ):-504 ± 171 kcal
筋肉量は一般的に安静時代謝を作用する要素として知られている。
今回の実験では、体重・体脂肪率・筋肉量の変化から予測された
代謝の落ち込みよりも、実際の測定値が-500kcal程度少なくなっていた。
代謝適応が最も大きかったのは、体重減少が最も大きかった被験者だった
レプチンと甲状腺ホルモンの減少が代謝適応に寄与し、結果として交感神経活動が鈍化する可能性が認められる。
(レプチン量の変化:42.9±17.8 ➡ 2.7±2.4)
結果を見ていくと
摂取カロリーの制限と最低でも1日2時間以上の運動によって
参加者は実験参加時の
体重の40%程を減らすことに成功している。
そして、筋肉量の減少はかなり抑えられており
減少した体重の内、約80%は体脂肪によって落としている。
しかし、それでも代謝の落ち込みは防げず。
筋肉量から予測された消費カロリーよりも500kcalも少なくなっている。
この代謝適応はダイエット終了時もすぐには回復しなかったことが
論文中にも記されている。
サトの考え
つまり、ダイエット後はいくら筋肉量をキープしていたとしても
食事量を一気に増やしてしまうとリバウンドのリスクは避けられない。
という事だ。
今回の実験で参加者が減量に成功した要因は
毎日の高強度な運動によるものだという事も述べられている。
論文中にも、活動による代謝が実験参加時から増え
1日の身体活動消費量は
スタート:5.5 ± 1.9 kcal/kg
6 週目:10.2 ± 5.1 kcal/kg
30週目:6.0 ± 4.1 kcal/kg
となってい事が記されている。
単純な運動量の増加による減量作用が強い事がわかるだろう。
そして、それは「運動をやめるとリバウンドしやすい」という事でもある。
さて、この実験では運動を行わずに減量したグループが存在しなかったため
筋肉量がキープされていない状態
筋肉量がキープされた状態
どちらの方がリバウンドしやすいか?
までは考察出来ない。
個人的には、運動を行わなかった場合の代謝の落ち込みは
今回の実験で得られたものよりもかなり下がると思う。
運動を取り入れたダイエットでもリバウンドのリスクは存在するが
食事制限のみでのダイエットによるリスクよりかはマシ
と考えるのが妥当ではないだろうか。
どちらにせよ、ダイエット終了後も
しばらくは食べるもののコントロールは
続けていかなければならない。
運動習慣をつけたのであれば、
それは期間限定にせず
日常の習慣として続けるべきである。
と、まぁ結局のところ
短期的なダイエットは無意味で
生活習慣を整えてよい生活、よい体になりましょう
ということだ。