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6/26 ステータス異常

風邪を引いた。
なんならコロナだったかもしれない。
気づけば、ここ三日くらい味覚が無いので。
でも味覚を失ってもなんとなーく"味の輪郭"はわかるので、特段問題なく過ごせている。
所詮食感と、胃の腑に落ちれば満足するということがわかった。
仮にも食にまつわる仕事をしている私だが、そもそもそこまでの興味があったわけでもなく、仕事をしている中で磨かれたということもなさそうだ。苦いカルピスを飲んでも何も思わないのである。(輪郭というか、"味の向こう側"に近いものは感じるので、通常時のカルピスの味を、無意識に記憶で補完して飲んでいる、が正しいかも)

先週は特に熱が酷く、スマホやテレビを見るにも限界だったので、Audibleに加入してみた。
前から気になっていたことと、長すぎないのがよいなと思って、『おいしいごはんが食べられますように』を選んだ。

タイトルどおり、食や食にまつわる考え方についてよく描写されていたが、私はむしろ食を嫌悪するキャラクター・二谷に共感をしていた。栄養を摂れたらなんでもいい、という考えが理解できた。
一方で、おいしいお店を開拓したい押尾さんや、極端に丁寧な暮らしを強いる芦川さんへの感情移入度合いは段々と下がっていった。
ただし私も自炊が嫌いなわけではないので、作中に出てきたトウモロコシご飯と、揚げナスの味噌汁、アジの南蛮漬けを再現するなどした。そして酢の痛みしか感じない口の中に放り込んでいる。おいしく食べない自炊、というものもある。

そしてここ数日思ったことは、健全な精神は健全な肉体に宿る、なんて限らないということである。調べたところ誤訳だなんだのと出てきたが、少なくとも熱と咳にうなされている間は、余計なことを考えて病むということがなかった。
先日失恋した時も、友人たちが連日飲みに誘ってくれたお陰で、日中は二日酔いに専念していれば問題なかった。自分の体調が悪い時に、他人を呪うことはおろか、自分を憐れんで泣く余裕すらないのだ。
なので二日酔いも風邪も、肉体的にしんどさはあるが、自身のとりとめもない悩みからは解放されるので、頭はえらくスッキリした気がする。
逆に「あー仕事が……」と思うようになってきたということは、体が回復している証拠だ。

本当は体調以外に私の脳みそを占める楽しみがあればいいのだけれど、まだ見つけられてはいない。この間試した塗り絵も、少しの時間稼ぎにはなるなとわかったところで、やめてしまった。また再開したいと思えばいつでも塗り絵帳を開けばいいのだが、いつになるだろうか。

あと料理自体をこだわって趣味化しようと思ったのも一瞬でやめた。体力に左右されやすすぎる上に、やらないと食材のロスが出る。あと洗い物が異常に嫌いすぎた。塗り絵も同じだが、なんだか義務を感じてしまうとそれはもう娯楽ではないように思う。なのでどちらも趣味記録すらつけてない。

趣味というものに集中してゾーン状態に入りたい。それが無理なら飲酒して状態異常を起こすしかない。正気でいる時間なんていらない。
それが叶わないならもう必殺技を繰り出すしかないね。

すみちゃんは ねむるを つかった!

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