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「協議会」とは?

京都市障害者地域自立支援協議会をご存知でしょうか。

平成18年4月から身体、知的、精神の3障害共通の枠組みで支援を提供する障害者自立支援法が施行されましたが、その中で「地域における障害福祉に関する関係者による連携及び支援の体制に関する協議を行うための会議の設置」と規定され、その後平成24年の一部改正により「自立支援協議会」と文言化して法制化されました。平成25年度には、設置は「努力義務」とされ、名称が「協議会」に改正されています。

 京都市においては、平成20年度に「京都市障害者地域自立支援協議会」が設置され、京都市の障害保健福祉圏域である5つの圏域(北部・中部・南部・東部・西部)において各圏域の地域協議会が設置されています。

 

■協議会とは一体何なのか。

 「個別の事例を通じて明らかになった地域の課題を共有し、その課題を踏まえて、地域のサービス基盤の整備を進めていく役割」と様々な場所において、おおよそこのような説明となっています。

もう少しくだけて説明すると、個々の事例を通し地域の課題として集約し、足りないものはなにか、足りないものをどのように作っていくのか。そのような事に取り組んでいくのが「協議会」の役割となります。

京都市の協議会において、この役割に応じた4つの機能が下記のように示されています。

 

まず一つ目の①個別支援機能は、援助が困難、援助の課題が多い等の支援を進めるのにあたって、どのような解決方法があるのか等を協議会として考えていくことになります。問題解決を目指しますが、その中で制度的、あるいは資源的な課題がでてくる事も多く、その課題に対する解決方法をどのようにするのかを改めて協議会の宿題として考えていく、という機能になります。

その次の②情報支援機能は、地域の様々な情報を協議会として収集しますが、その収集した情報をサービス事業所に提供して支援に役立てて頂くという機能と、一方で地域の住民団体等と共有し、障害のある方の地域生活への理解へとつなげていく普及啓発といった機能となります。

3つ目の③地域支援機能は、地域生活の支援は障害福祉サービス事業所だけでは完結せず、地域の福祉団体、医療機関、教育機関、住民団体等、様々な関係者の協力が必要になります。このような連携の中で、課題を共有し、その地域でできる事はないか、資源化できないかといった問題に取り組むといった機能となります。

そして④施策形成機能は、上記の①~③を通じて表出された課題を、施策化に向けて取り組んでいくものとなります。解決できない問題を整理し、それを「地域課題」として市の協議会を通じ、京都市障害者施策推進審議会に報告する。施策反映するための機能となります。

 

この4つの機能を用いながら、役割を果たしていく事が協議会であるのですが、文面だけでは抽象的でやはり「わかりにくいな」と感じました。国は、(自立支援)協議会への参画を促しており、令和6年度報酬改定での「相談系サービス」の部分においては、協議会への参画が加算の要件にもなっています。ですので、まずは参画ではなく参加から、そしてどんな事をしているのかを体感を持って「知る」ことから始めて頂く事がより充実した支援につながっていく事になるものと考えています。

 

 

 そこで、私が属する中部圏域(上京区・中京区・下京区・南区)協議会(以下、中部協議会)の取組について紹介致します。


まず中部協議会の中核を成す活動である「部会活動」があります。
中部協議会では7部会がありますが、下記に今後の取り組みと併せ紹介致します。

●医療的ケア専門部会・・・医療的ケアの担い手を増やす取り組み。

●児童専門部会・・・放課後等デイサービスや児童発達支援事業所の横の連携、教育委員会、保育園、幼稚園、学童保育での課題共有の取り組み。

●災害支援専門部会・・・ハザードマップの見方、個別避難計画やBCP作成、災害体験から学ぶ研修。

●地域課題研究会・・・家族支援や人材育成、不良な生活環境等の事例検討、事業所の支援力の可視化への取り組み。

●グループホーム専門部会・・・入居者の重度・高齢化への対応、グループホームでの個を尊重した生活支援のあり方。

●相談支援専門部会・・・孤立しがちな相談支援専門員のための居場所「相談支援専門員カフェ」の2ヶ月に1度の開催。

●就労支援専門部会・・・障害者の「働く」を考える。移行、A型、B型等、様々な形態の事業所に向けて3ヶ月に1度カフェを開催している。

 この7部会では、様々な研修会を開催しています。例えば、相談支援専門部会では、2ヶ月に1度、居場所のような研修会を開催しています。就労支援専門部会も3ヶ月に1度、地域の就労系事業所に登壇頂き、困りごと検討会といった研修会を開催しています。

 他の部会も年間通して、かなりの数の研修会を開催していますが、なかなか知られていないかもな…と思っています。

 研修会を通して、支援者の資質向上を目指すのはもちろんの事ですが、研修会を行う中で、地域の中での情報を収集し、情報の中から課題を把握し、課題に対する解決方法を模索しています。機能②や③が部会の活動にあたり、④の施策形成機能へとつながっていくものになりますので、ぜひとも協議会への参加をお願いしたく思っています。

 もう一つが、①個別支援機能の中の一つの活動である「支援会議」というものがあります。そもそも協議会は個別の事例から課題を拾い上げていく事を重視していますが、その活動が「支援会議」といったものになります。

 これは市の説明リーフレットにあるように「援助に多くの課題がある事案、地域移行の事案など複数の関係機関の協働が」必要になるケースにおいて、「支援会議をしてほしい」という依頼があった場合に、協議会として、課題の分析や支援方針の検討等の調整で介入していく、ということになります。

 この支援会議では問題の解決を目指していきますが、解決を見出す事ができない問題には、地域課題として継続的に協議会として検討し、施策形成等、必要な方策につなげていく事になります。

 支援会議には「支援会議開催依頼書」というものがありますので、必要となった場合、詳しく知りたい場合は、お近くの支援センターにお気軽にご連絡頂けたらと思っています。

 

 なかなか活動内容が掴みにくい「協議会」ではありますが、「協議会」の意義は、当事者生活をより良くするために制度等を変革する事ができる一つの手段である、というところにあります。ご興味ある方もない方も、ぜひとも1度は参加をお願いします。

  協議会の情報は、支援センターらくなん公式の「X」や「note」で情報発信をしたい思っていますので、そちらもチェックしてみてください。

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