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寄席は心の湯治場♨️人生百年時代。だったら、お楽しみの持ち駒は多いほうが楽しい!

「落語、聞きに行かない?」と言われると、聞く前から身構えてしまったり、敷居の高さを感じたりしませんか?

「えー、よく知らないし…」「最近の人、知らないんだよねー。」「難しいよね?」「言葉とか分かるかな?」「知らない噺だったらどうしよう。」「まずは、勉強しとかなきゃ。」「周りが笑っているのに、自分だけ笑えないかも…。」「居眠りしちゃうかも。」etc…。

      いいんです。それで!そういうもんです。

江戸落語の本場。落語会が広島の何十倍もある東京でのこと。前方の席にお二人連が来ました。その席が取れてるということは、どちらかが、かなり早くからお席をとっていた落語ファンのはず。漏れ聞こえる様子から、お連れの方は、落語を生で聞くのは初めて。「あ、今日って、“笑点”の一人ずつ出るバージョン?」(ちなみに、“笑点”でやっているのは“大喜利”です。)

西日本では落語公演のとても多い、博多での落語まつりでのこと。最前列に陣取った”一見落語通風”の年配の方。落語まつりの期間中に出演者する多くの噺家の名前をパンフレットで見ながら、「みんな”苗字”が一緒だけど…こんなにたくさんで一緒に住んでるわけではないわよね?」「あ、この“タチカワ”(本当は、タテカワ)さんは、一人だけ名前が違うのね。」

全然オッケーです!東京とか地方とか、あんまり関係ないと思うんです。知ってる人は知ってる、知らない人は知らない。

で、知らないから知る楽しみがあり、お楽しみはこれからなんです。

「落語ファン」ではあっても、「落語通」である必要はない。これは、柳家喬太郎師匠もおっしゃっていました。

事前に勉強する必要はない、だけど、もちろん知っているとより楽しい、という芸能です。まずは聞いてから、興味を持ったことを気が向いた時に、ちょっと調べてみたりする。そんな、ゆる〜い付き合い方でいいと思います。

えー、そうは言っても…、と、こっそりYouTubeで歴代の名人の映像を見て予習してみると、会場がどっとわいている場面で笑えない、なんで笑っているのかよう分からん!ということがあるかもしれません。

そりゃそうです。噺の本編に入る前の導入部である“まくら”や、笑いを誘う“くすぐり”には、世情や生活、流行が反映されています。その当時の流行り言葉や話題になっていることを盛り込んでいるのです。口調や使う言葉も違うし、現代を生きる私たちにはピンとこないこともあるわけです。

例えば、まくらの例にこんなのがあります。3年くらい前のですが、これ、40年前には出てこない話ですよね。

だったらいっそのこと、今、同じ時代を生きている噺家さんによる落語を実際に聴いてみませんか?それも、自分と同じ世代だったら、より共感できる笑いを体験できると思います。

落語には江戸時代から語り継がれている「古典落語」と「新作落語(または、創作落語)」があります。「古典落語」も作られたときは”新作”でしたし、今の「新作落語」が何十年か経ったら”古典”と言われるようになるかもしれません。

落語という芸は、話のストーリーではなく、それを話す「人」を聴きに行くのです。

「まくら」で噺家のキャラクターを感じて、「あーこの人の話、もっと聞きたいなぁ」「次はどんなおもろいこと言ってくるかなぁ」と思って追っかけているうちに、落語沼にはまってしまうかも!?


「古典落語」も、ストーリーは同じでも、今と昔では”くすぐり”方も違うので、演者によっては新鮮に聞こえたりもします。落語を聞きに行くというのは、話のストーリーを知るために行くというより、それを話す「人」を聴きに行くのです。

芸は人なり。

落語は、まさにそうですね。

色々聴いているうちに、自分と感性の合う噺家さんを見つけて、贔屓、今風にいうと”推し”ができるのです。

入り口は「落語を聴きに行く」だけど、やがて「自分好みの噺家を聴きに行く」ようになると、より楽しくなるでしょう。

ちなみに現代の新作には、こういうのがあります。お時間許す方は、どうぞ!

最初の約5分が、”まくら”と言われる部分です。

(注:動画は、いずれもYouTubeからの引用ですので、変更、削除は予告なくある場合があります。ご了承ください。)

ところで、落語って温泉に行くのと似ているかも。だとしたら、寄席は湯治場!?

・ 予備知識は必要なし。温泉なら成分を知ってたら、よりありがたみが増す。
・ 一人で行っても、みんなで行っても楽しめる。
・ いつもと違う環境で、世知辛い現実から切り離される。
・  休息と健康増進の場。(笑うか寝るか。笑えばナチュラルキラー細胞が活性化して自己免疫力がアップしたり、血糖値上昇を抑えたり、痛みを和らげる脳内麻酔効果などの効能あり。)
・ 木戸銭(入浴料)先払いで、出たい時に出られる。
・ 着物に座布団、日本ならではの「和」を感じられる。
などなど、他にもたくさん共通点あり。

好きな時に入って、好きな時に出る。何も考えずに、15分おきに出てくる芸人さんを見て、面白ければ笑い、つまんなければ無理に笑う必要もないし。温泉でお風呂に入るように、好きに楽しめばいいんです。

あ、寄席については、こちらに分かりやすい映像があります。(寄席へようこそ -太神楽編/落語編-)

とは言え、百聞は一見に如かず。どんなに筆舌を尽くしても、その面白さは伝えられるものではありません。自分自身も、実際に落語を聞きに出かけるようになったのはここ5年くらい。広島育ちなので、「落語」という言葉は知っていても、「笑点」の座布団取りと、おじいさんが一人で出てきて座布団の上で昔の話をして帰る、というイメージしかありませんでした。

でも今、いろんな人生経験をしてきた今、そして、コロナ禍の今、落語と出会えてよかったなーと思うことが多々あるのです。

ここで、広島の皆様に朗報です!

来年、2022年7月10日、広島で寄席公演をやります!!
第一回 広島つながり寄席 開催決定!

江戸落語で活躍中の噺家の師匠三名に、色物さんには紙切りと太神楽(➡️ジャグリングに変更)を予定。広島に居ながら寄席演芸を体験していただけるチャンス到来です。

その前の、2022年4月12、13日には、広島つながり寄席キックオフ企画として、江戸落語の人気若手落語家を招いての企画も開催します。

これから、来広する演者さん達の紹介もまじえて、記事を書いていきますので、また読みにいらしてください。

公演詳細は、下記にて発信予定。追々チェックしてみてください。
note:RAKU-GO-LABO@ひろしま / 広島つながり寄席(https://note.com/rakugolabo/)
Twitter : 広島つながり寄席 RAKU-GO-LABO@ひろしま(@RAKU-GO-LABO)
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