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㉒ファンシーフリー ~新バンド結成


「ジュリアーノ」の次に組んだバンドは「ファァンシー・フリー」というバンド。

これは、「キャメル・キャラメル」に「すてきなダンスで」この曲です↓

という楽曲を提供してくれたあっこちゃんという作詞・作曲は勿論、鍵盤楽器もOK、歌も唄えば踊りもすごい(足がビヨ~~ンと頭の上に突き抜け、あんなんで蹴りいれられたらKOです)というスーパーガールのバックバンドをやってみないかとY社のI葉さんが勧めてくれたことからメンバーを集めた。

その頃、一緒に「きままなコンテスト」のバックバンドでベースを弾いていたK宮君、そしてキーボードは「キャメルキャラメル」のTさんと「ジュリアーノ」で一緒にやったYちゃん。さて問題はギターだ。

I葉さんが勧めてくれたのがM戸君。
僕は「エッ~~!」とびっくりした。
M戸君は確かにバックバンドもする技術や器用さもあるものの、本当にやりたいのはヘビメタで、バンドも組んでいたし。
が、M戸君もI葉さんには逆らえなかったのか、よくわからないが結局かけもちということで「ファンシー・フリー」に参加してくれることになり、メンバーがそろった。
M戸君とは、面識はあるけど、あまり話をしたこともなく、顔も怖かったのではじめはどうしようかと思ったけど、ほんときさくでおもしろいし、とても優しい男だった。「人は見た目じゃわからない」典型的な好青年。

***
新しく組んだバンド、「ファンシーフリー」のヴォーカル、あっこちゃんが書いた「春めきシャインラブ」をスタジオ録音した。

もうこの頃録音にはだいぶ慣れていて緊張よりも楽しみの方が大きかったのだが、スタッフのT橋君のアレンジが難しく、しかもシーケンサーを使うという初体験に僕はとまどったが、みんなはすんなりOK。

この曲でギターのM戸君は彼らしい強烈な(牛のお産のような ※本人談)ソロを弾いて、それがまた曲に面白みというかインパクトを与えてくれて僕はこういうのもありなんだと思った。

この「春めきシャインラブ」で、POPCONにエントリー。
そして、キャメルキャラメルで初めて出た回から予選落ちをいれると5回目のエントリーで念願のグランプリを受賞する事が出来た。

賞の発表の時、バンド名がなかなか発表されないと、
「もしかすると」という思いと「いやいや、わからない」という思いが交錯しドキドキしながら結果を聞くことになる。
審査員特別賞、入賞、優秀賞…
そして遂にグランプリ発表。それまで僕たちは呼ばれていなかった。
一瞬の静寂のあと「春めきシャインラブ」が会場に流れ、お客さんの「きゃぁ~」という歓声に包まれて僕達はステージに駆け上がった。

グランプリを受賞したことで、僕達は急に忙しくなった。
ラジオやテレビ出演。コッキーポップではつま恋本選会に出場するアーティストの曲を紹介してた。さすがに、楽曲も演奏もレベルが高かった。僕達もしばらくはY社のスタジオで「春めきシャインラブ」ばかり練習した。

別につま恋に出たくて音楽してたわけではないけど、とても嬉しかった。
この回は、「キャメル・キャラメル」で一緒にバンドをしていたツボ君も出ていたので「本部推薦で一緒につま恋に行けたらいいなぁ」と思っていたけど、本部推薦でつま恋に行くことになったのは「ZigZag」だった。

そしてつま恋本選会。
ステージ裏側に大きなスペースがあり、そこで出番を待つ。なんか文化祭みたいな雰囲気だった。
一番、記憶に残っているのは、ドラムがふたつセットしてあったこと。
前のバンドが演奏しているあいだに、もうひとつのセットに座ってセッティングして、演奏する番になったら、そのドラムに座ったまま、セットごと中央に移動するのだ。

普通は、もし前の出演者がドラムを叩いていたら、演奏終了後、インタビューを受けているあいだに、ドラムをセットする。イスの高さや、スネアやタムの傾き、シンバルの位置など、いつもと同じ様な感じになっていないとなかなか演奏に集中するのがむずかしい。それらをあわてることなくできるのはありがたいことだった。そのおかげで本番も楽しく演奏できた。
と思ったが、あとで聞いたら、せわしない演奏になっていた。僕のせいだ。

掛川のつま恋本選会に出場し、両親もとても喜んでくれた。
「もう気がすんだでしょう?帰ってきなさい」と言われたが・・・
そりゃそうだ 笑