見出し画像

⑪キャメル・キャラメル~結成~

こうして女性問題に揺らぎながらも「BREATH」としてバンド活動を満喫してはいたのだが、だんだん音楽の趣味の変化というか、主張もでてくるようにもなってはいた。

というか簡単にいうと僕は女性ヴォーカリストのバンドがしたくなったのだ。

洋楽ではキャロル・キング、R・ロンシュタット、カーラボノフ、リタ・クーリッジ・・・

邦楽(こんな言い方しないよね)大橋純子、山本潤子、吉田美奈子、門あさみ、松原みき、竹内まりやとか、そのへんを好んで聞いていた。かな?

特に、大橋純子のバックバンド「美乃家セントラルステーション」見砂和照さんのドラミングがかっこよくて好きだった。このバンドのギターにはのちに一風堂を結成を結成する土屋昌巳さんもいた。


はっぴいえんど、シュガーベイブ、サディスティック・ミカ・バンド、ティン・パン・アレー、チャーとかクリエーションとか日本語のロックが台頭してきた時代かな?

そういうミュージシャンが先述に書いた女性ヴォーカルのバックをしたり、楽曲を提供したりしてたけど存在感はすごかった。

まさに「日本のロック」の夜明けだ。

僕はそういうのをしたくなって曲を作り始め、同時にメンバーも探し始めた。

今度は「こういう感じのこういう曲を演ろう」というところからメンバーを集めるのだ。BREATHの時とはだいぶ違う。

僕達がH大の女性バンドをクリニックしたことによって、僕達の大学とH大とのパイプができ、後輩達も同じように教えるようになった。

慕ってくれる後輩が何人かいたので、僕はそれにもついて行ったりした。

そこで出会ったのが、ツボくんとTさん。

バンド名は忘れたが、ギターを弾きながら唄っていたのがツボくん。
ギターはおいといてその歌声にはびっくりした。
まさに僕のやりたい女性ヴォーカリストバンドのイメージにぴったりだったのだ。

いちばん右端がツボくん

かたやTさんがやっていたバンドは「卑〇〇」という夜露死苦みたいなバンド名からうかがえるようにヤンキーぽく、ちょっと怖かった・・・Tさんはそこでピアノを弾いていた。すごく歌心のある表情豊かな音色に聞こえた。

いちばん右端がTさん

このふたりを誘ってバンドの結成をすることに関しては若干心配してたことがあった。レディースバンドをしている子を引き抜くというかたちになるわけで、仮に本人がやりたいと言ってくれても、廻りの子達の反応も心配だったし、彼女たちもかけもちになったりしたら大変だろうなとかいろいろ考えていたのだが、すべてが杞憂に終った。

実際「さみしい気持ちがする」「やきもちみたいな気分」とか言われたりしたが結局は「頑張ってほしい」とみんな言ってくれたのだ。優しい子達だったな。

ということで、後輩のベースO野、ギターのH江、O野の友人のY木君、待望の女性ヴォーカルにツボくん、そしてピアノにTさん、キーボードにRちゃん(彼女はバンドではベースを弾いていた)を迎え、総勢7名のバンドを結成した!

立ち姿がかっこいい♪

「BREATH」のメンバーは無事卒業していった。残された僕はこのバンドが

あることでだいぶ救われた。
バンド名は「キャメル・キャラメル」

僕にとってこのバンドはとても思いで深いバンドだ。
音楽の方向性を決めてから、それに賛同してくれたメンバーを集めた初めてのバンドだし、ある意味ほんとうの音楽の楽しさやいろいろな事をこのバンドで経験させてもらった。

だが、僕はこのバンドを組んだことで親との約束を破ることになった…