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それ、笑いごとです!

通訳ガイドのぶんちょうです。
先日、「御仏前」をいただきました。
その瞬間……爆笑でした。

外国に行くと私は何だか落ち着かないのです。
私のやってることは、これでいいのか。浮いてないか。

「文化が違う」などという、ごたいそうなものでなく、
どことなく現地の人と違う自分が異質な雰囲気を醸し出しているのではないかという漠然とした不安のようなものがつきまといます。

日本に来る外国人は、いかにも堂々としているように見えるのですが、
彼らも多かれ少なかれ、そんな気持ちを持っているようです。その不安を軽くしてあげるのもガイドの仕事のひとつですが。

日本は不思議の国です。日本でしか通じない日本語という、難解と噂される言語を操り、日本にしかない小難しそうな習慣やら文化やらが、きりがないほどある国。そこに住んでいる民族は親切らしいが、何を考えているのかわかりにくいらしい。

「食べ歩きはしてはいけないというのは本当か。レストランでは全部食べないといけないのか。箸のルールは山ほどあるぞ。色々と面倒なことも多そうだ」心の声がたくさん聞こえてきます。

あれもだめ、これもだめと書いてある大げさなインターネット情報を読んで、何かをやらかしてしまうことを心配してくる人もなかにはいます。「私が変なことをする前に注意してね」と言います。

でも文化の違いや言語の違いは、笑い話も提供してくれますよね!ある外国人が日本で買っていった友人へのお土産の石けん。実はあんこの入ったお菓子だったそう。日本の石けんは変わっているなと思いながらあんこを体に塗りつけていた人には気の毒ですが笑っちゃいます。

今回のお客様「日本ではお金をそのまま渡すのは失礼なこと。ちゃんと封筒に入れて渡すのが礼儀だ」とどこかで教えられてきたのでしょう。まじめに、ちゃんと、封筒にお金を入れて渡してくれました。

ただ、その封筒には黒い帯がついていて「御仏前」と印刷されていました。
キョトンとするお客様に理由を説明し、一緒に大爆笑となりました。「知らない」ということがもたらしてくれた楽しい経験でした。


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