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ゴミのない街とほめられる日本

通訳ガイドのぶんちょうです。外国人観光客を案内していて、よく言われるのが「日本はゴミが落ちていなくてきれい」と言う言葉。そう言われるといつも、自分が褒められかのように、うれしくて誇らしい気持ちになります。

「日本は道もきれいだし、駅も、電車の中もきれい」入国したての人は、まずそこに感心するようです。あまりにも、しょっちゅう言われるので外国って、そんなに汚かったかなあと思います。

そういえば、フランスで電車を見たとき、外側がほこりだらけ、泥だらけだったので、びっくりした記憶があります。それに比べて、通勤電車も新幹線をはじめとする長距離列車も、いつでもぴかぴかの日本。

駅やドライブインや神社などのトイレもすべてきれいで、すごいって言ってくれます。考えてみれば、これって確かにすごいことですね。いつもきれいにお掃除してくださっている方に本当に本当に感謝です。

もう一つ、よく言われるのが「ゴミ箱が全然ない」という言葉。実験でゴミ箱が沢山ある場所より、ない場所のほうが結果的にきれいな状態が続くという事象を見たことがあります。

ゴミ箱の数がぐっと減ったのは30年近く前の地下鉄サリン事件がきっかけではないかと思いますが、いまだに街のゴミ箱はほとんどありませんね。そのために街がきれいであり続けるのかもしれません。今時、まさかのポイ捨てをする人はさすがにほとんどいないでしょうから。

日本人はゴミを捨てずに家まで持ち歩いている人も多いと思います。そのことにも驚かれますが、根底には日本人全体に連帯意識があることが大きいと思います。

「トイレの神様」という歌が昔流行りました。きれい好きな神様がいるのが日本です。小学校から自分たちで教室を掃除し、汚したものは自分できれいにする精神を習ってきた日本人。車がいなくてもルールはルールとして赤信号では渡らない日本人。

ルールはたとえ暗黙のものであっても、全体のことを考えてきちんと守ろうとする。こう言ったことが外国人観光客の目には、とても新鮮に美しく映るようです。外国にレレレのおじさんはいないのかも。

ところが、インバウンドが最盛期を迎えた2019年頃から、明らかにゴミが増えてきていると感じていました。タピオカの飲み終わった入れ物が放置されているのを何度も見始め、なんとなく嫌な方向に向かっているのではと思っていました。

その後、まもなくコロナに突入でしたので、あのまま行ってたらどうなっていたかはわかりません。

また昔のようにインバウンドが盛況になった時もきれいな日本をガイドをし続けたいです。


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