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ガイドと神社

通訳案内士のぶんちょうです。ガイドが一番行く場所はどこでしょうか。おそらく神社ではないでしょうか。ほとんどの一般的なツアーには、少なくとも一カ所は立ち寄り場所として神社が入っています。

ガイドになってすぐに研修で行くのも神社。そこで参拝方法の説明の仕方について実践練習をします。ですので、ガイドと名乗る人は誰でも神社について、その人専門の外国語で、それなりに説明できるはずです。

でも、神社の説明は、実は本当に奥が深く難しいのです。なぜ難しいのか。それは日本人の生活にあまりにも密着しすぎていて、客観的に見ることが難しいからなのです。

神社のお祭りだけでなく、日本人の考え方、言葉、習慣、食文化、建築物、ビジネス、スポーツ、サブカル、宗教観、教育、ありとあらゆるものが神道に関係しています。このことは、私がガイドになり神道の勉強をするまで全く知りませんでした。言い方が正しいかどうかわかりませんが、神道は空気のような存在で、それを言語化する難しさがあるのだと思います。自分が何者なのかを語るのが難しいのと同じかもしれません。

ガイドになって7年ほどですが、いまだに神道について真に語ることはできません。仕事で外国人と神社に行くたびに、今日のこの人が求めている説明は何だろうと探りつつ、色々な切り口で話します。ガイドの仕事、つまり、日本と日本人について伝える仕事は、神道に始まり神道に終わると思っています。

案内をしながらでは、厳かな気持ちでのお詣りは難しいので、時々、ひとりで神社に手を合わせにいきます。日頃、神社という場所をお借りして仕事をさせていただいているお礼に行きます。それと、いつもうまく神さまのことを説明できなくてごめんなさい!という意味もこめて。

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