自分に自信のない私が、人生ではじめて給与交渉をした話。
昨日、会社で、人生ではじめての給与交渉をした。
自分から切り出しての交渉は、はじめてです。お恥ずかしながら。
10年ちょっと社会人をやってきた中で、今も含め、これまでずっとサラリーマンをやっている。
給与というものは、会社による査定のもと、1年に一度とかのペースで、会社によって上がり幅が決められ、改定されるものという感じだった。評価や業績によっては上がらないこともある。
私は自己肯定感というか、自己効力感が低くて、基本的に自分に自信がなくて、そういうときにうまくアピールができない。
やってきた仕事を2割り増しで言うくらいのことはなんとかできるけど、自分がいかにすごいことをやってきたかをドヤッ!という感じで語ることができないし、だから給与を上げてくれなんてことは間違っても言えない。時短で働くようになってから、その傾向がより強まった。
ここらへんの感覚は、交渉が上手な人にはわからないことだと思う。
時短でも結果を出していれば会社に堂々と主張すべきと言えるタイプの、私にとっての「強い人」だったら、きっともっとトントンと給与が上がったり、昇進したりしていくんだと思う。
けど、私にはそういう主張がどうしてもできない。
損してるとよく言われる。もっと価値に自信を持ってと言われる。でもその自信をどうやって持てばいいのかわからない。
去年こと。前の会社がつぶれそうになり、急いで転職先を探して、今の会社に入ることになった。
給与ベースは同額だけど、遠くなったので30分短くしたいと言ったら、30分分カットされた。それはまあ仕方ないと思った。とりあえず転職しなければと思っていたので。
けど、ふたを開けてみたらブラックだったというか、契約したはずの時間以外も普通に働く感じだった。
正確に言うと、会社から公に「時間外も働け」とは言われないんだけど、実態は私以外にやる人がいなくて、それをやらないと取引先に迷惑がかかるので、契約上にはない時間外も仕事をやらざるをえない感じになっていた。
こういうときに、私はうまく権利を主張できない。
時短だから時間外はできませんとかが言えない。あるいは契約内容と違うから給料増やしてくださいとかが言えない。
転職したてでまだ実績も出していない中で、権利を主張することができない。言うだけ言って結果を出せなかったらどうしようみたいな恐れを感じてしまったりする。
仕事はしっかりやるし、結果は出すタイプなんだけど、私が完璧にやったと思っていることを相手もそう感じてくれるかどうかの自信がない。
けど、どうも周りの人と話していると、自分のしている仕事の内容と給与がバランスがあっていないと感じることが多くなってきた。
会社が違えば、自分のやっている仕事よりもずっと楽で責任のない仕事をしている人が、自分の二倍くらいの給料をもらったりしている。
それは当たり前っちゃ当たり前。それが社会。
けど、私はその事実に、長いこと凹んでいた。いや、今も凹んでいる。
自分に自信がないから、主張すべきときにちゃんと主張できないから、自分はこんな待遇しか手にできないんだろうと悲しみ、でもどうすればそこから抜け出せるのかがわからなかった。
去年、転職したてで、新しい会社の激務具合と、契約状況の違いに気づいてどうしようと困ったときに、これはこのままいくと間違いなくただの搾取だと思っていたのに、それでもなお会社に主張できないような豆腐メンタルの私が決めたのは、圧倒的に成果を出そうということだった。
この給料でこの仕事をここまでやれる人は世界のどこを探してもいないだろうと、自分で自分に自信が持てるまで、やり切ろうと思った。
そこまでやって上がらなかったら、もう辞めよう。でも辞めるときに、新しい会社に入社したときの自分より成長できているように、吸収できることは吸収しよう。そう思って仕事に取り組むことにした。
その後、自分の今の会社での貢献に自信が持てるまで、丸一年がかかった。
勇気を出して、社長のアポを取った。
給料を上げないなら辞めるよ、くらいのことを言えたら良いのだけど、そんな言い方ができないから、今こんな薄給に甘んじているわけなのです。言えないのです。
そのかわりに私が言ったのは、まず「私の仕事ぶりは、役割期待に対してどうですか?」だった。
社長は私がどんな仕事をしてきたかを語り、その上で給与の交渉をすると思っていたんだと思う。いつも冷静沈着な人が、いきなり質問されて少し驚いたみたいだったので。
けど私の中では自然な質問で、期待に応えていないのに給与交渉をするというのができなくて、相手の期待に応えているかを確認してからでないと、上げてくれとは口に出せなかったのです。
決裁権限のある経営者本人の口から、仕事の成果は採用したときの期待以上であること、絶大な信頼をもらっていることを確認した上で、
「期待に応えているのなら、ベースを上げてください」と言った。
答えは、
「もちろんだよ。ボーナスと月給アップ、どちらがいい?」
だった。
えっ!いいの?
搾取されてたんじゃないの?
とりあえず、いくらかわからないけど給与アップの確約をもらった。決算の状況次第なので、いくらかはわからないし、まだ先になるかとは思う。
まあ、これで約束が果たされなかったり、上がり幅が1000円とかだったら、心が折れるので、そのときはまた考えます。笑
けど、今回、何がそんなに嬉しくてこのnoteを書いているかというと、給与アップすること自体よりも、自分に自信のない私が、どうすれば給与交渉できるようになれるか、という自分の中での越えなければいけないハードルを越えられたということなんです。
ずっと同じ給料でよければダラダラやっていてもよかったけど、働いているからにはもう少し稼げるようになりたいという思いがあって、でも自信がないからそれを言えなくて。
どうしたら言えるようになるかと考えた結果が、自信のない私でも自信が持てるくらいに圧倒的に成果を出すことでした。
この1年はしんどかったし、何度も転職間違ったと思ったし、ストレスで途中体調も崩したけど、それでもやりきってよかった。
自分に対して、やったじゃん、がんばったじゃんと思えたのが、嬉しいのです。
もっと堂々と、器用に、ときに狡猾に生きられたら、と思うときもありますが、それがないことも含めて自分なので、この性格でどうやって生きていくかを、これからも考え続けたいと思います。
昨日は緊張で興奮してしまってよく眠れなかったので、今夜は帰ったらビール(第3のビールじゃないやつ)でひとり乾杯してグッスリ寝たいと思います。
今日もがんばろう。
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