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雨は嫌いPart1

雨は嫌いだ。昔からずっとそう言ってきていた。大人になったら雨の日は外に出なくていい仕事につくのが夢だった。一時期はその夢もかなえられていて、きのうはもっとも最低な天気だったのに外出を余儀なくされた。社会が外出を自粛しているのに何で俺は外出しなければならないのだ。俺は反乱分子か何かなのか。俺は補完されないぞ。「晴れの日は気分よく」「雨の日は憂鬱」「と教えられたらそう思い込んでしまう」「雨の日だって楽しいことはあるのに」とエヴァのみなさんが言っていたが「雨。憂鬱な気分。僕の気分みたいだ。好きじゃない」と言っていたシンジにつくしかない。今後も言い続けるだろうから、Part1なのである。

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何も考えなくてよいのなら雨は最高だ。何といっても天から水が降ってくるというイベントなのだから上がらないわけがない。某魔術師も「人間は防水」と言っていたが、多少濡れても人間は死なない。だが持ち物は死ぬ。

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服も死んでしまう。縦に降るだけの雨ならよいが、横殴りの雨だと傘の意味がない。合羽でいくしかないが、それでも靴が汚れる。長靴は持っていない。ブーツで行けばよかったか。コロナの影響で店舗の自粛は拡大したが、医療やインフラ、それから物流は止まっていない。結局ものを送ったり運んだりするためには人が動かなければならない。しかし、社会的距離が保たれていればよいので、外に出なければよいというものではない。政治は簡単なメッセージで人を動かさなければならないからたいへんだ。

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雨の日は重力に引かれて目線が下がるなどうも。特に何の変哲もない水ども。それと瓦礫。縦構図の写真はnoteでは枠いっぱいに広がってしまうので適切ではない。そういえばtwitterで見た写真に影響されて昨日は漬け物を購入してそれを当てにして珍しくビールを飲んでしまった。雨の中労働したのであっさりと寝てしまった。雨は嫌いだ。

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喋りすぎは実に損だ。雄弁は銀、沈黙は金とされる。地金が見えると錯覚資産がなくなるからな。せっかく俺もニコン派ミニマルポエマーのような写真を撮っているというのに、そういう風にすることがいまいちできない。そういう気質ではない。まあ、少ししか喋れないのと、たくさん喋れるのでは、後者の方が優位である。書いたものは削ることができる。まだ存在しないものは生み出すしかない。

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本当はくだらなくないけれどくだらないことでネットで友と敵の分離みたいなことになっていてひどく悲しい。これも喋りすぎの弊害だ。俺が糸井重里だったら「じぶんのことをしろ」と言っているかもしれない。もっとも俺が氏とは違うところはみんなはすでに「じぶんのこと」をしていると分かっているところなのだが。ただ暴力によって強制されているだけで。だんだんいい感じに感傷的になってきた。俺は書きながら考える人種。

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もちろん状況はよくない。特に経済政策は気に入らない。マスメディアも気に食わない。出版業界の末席にいるが、店舗や倉庫が死んできたので、いよいよ影響も出てきた。というか影響がないところってどこなんだろう。コンビニとスーパーか。あとは電気とか根源的なインフラを扱っているところはその必要上普通のふりをしなければならない。

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そういえば百年ぶりくらいに髭を剃った。マスクをして外出している分には変わらんのだが。ROLANDが髭が生えているよりないほうがいいと言っていた。個人的にはあまりよくわからないが、剃り始めると剃り続けなければいけないのが問題だ。脱毛するつもりはない。

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これらの写真はほとんど歩いた順に撮っている。だから日記である。こういうこともできるのかなと思ってやってみた。大義名分がなければ出歩けなくなってしまった世の中。俺は撮るべきだと思っているのでそのために出てもいいのだが、社会性がないわけではない(それは小市民性の言い換えに過ぎないのだが)ので、何かのついでという建前を持っている。シャッタースピードを上げて、雨粒を撮るようにしはじめた。俺は脇が甘いのでよく手ブレが起きる。自動的に開放で撮ることになるが、シャッタースピードが速い分には問題ない。変なところにピントが合うのだけは困るが。ファインダーはろくに覗かない。すっかりデジタル時代の写真家である。

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写真クラスタの人がポートフォリオサイトを作っていて、よきよきと思っていたが、どうせ読まれないから文章を削る作業をしていた、などと書いていて、読まれるために文章を書くとは実に贅沢な話をしているものだな、と思った。こういう潮流が人をミニマルポエマーにしてしまう。お前のような人は、どうせ削るもなにも大した量の発声をしていないに決まっているのにな。貧しいところからさらに削り取って、どこへ行こうというのか。

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世の中には開放主義者と絞り主義者がいて、不思議なものである。開放で撮ると雰囲気が出るが、ピントミスや手ブレ被写体ブレにやられる。それから素人が開放祭りをしやすい。でも絞るとつまんなくなる。よく撮れるけど。でも暗いし。風景写真家でもないし。なんてところだろうか。絞るのはプロか三脚を携えた老人写真家というようなイメージは少しは世間にあるだろう。でも本当はみんな使い分けているんではないのかね。f1.8で撮ることもあれば、f8で撮ることもあるだろう。俺は三脚なんて滅多に使わないから、絞ることは少ない。でもISO感度を軽視しているから、昼間でも平気で3200とかいっていたりする。自分の写真が気に入らないのは感度設定のせいではないかと思ってきたので、最近はISOを下げるようにしている。

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もっとも、ただ落ち着きがないだけではないのかとも思わぬこともない。脇を締めてゆっくり狙って撮ればいいのだろうな。そういうことができるのは中級者のムーブなのだと、俺の中の音ゲー経験が言っている。オートフォーカスでピントを合わせられないマニュアルレンズの方が撮れている気がするのは、この事情によるだろう。

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特に喋ることもない。脳の活動予算が終わった。その割には動作だけはしていたので写真の撮れ高がある。厳しい人だったら「こんなんわざわざ現像したりせんわ」というようなものかもしれないが、動作の導線上、生じてくるトークンのようなものなので、存在するのである。僕は昔からそういえば日記を書いていたが、日記を書くと紀行文のようになっていた。紀行文というか、小説のようになっていた。朝起きて、家に帰ってきて、意識を失うまでのことをただ書くだけだが、それだけで膨大な書くことがあった。体力の問題で書けないにしても、するっと1万字くらいの容量はあった。意義があるかは別として、思い出して写生するだけで絶対にそれくらいになるのだ。人がそうならないのは注意力がないか記憶力がないかもしくはそのどちらかなのであって、とにかく出来事というのは絶え間なく生起している。それがななるのはこうしてデスクトップの前でパチパチとタイピングしているときぐらいのものだ。絵描きがキャンバスに向かっていたり、音楽家がシーケンサーに向かっているときも同様かもしれないが、例外は、日記文学を書くものにとって今していることはまさに書かれることによって絶え間なく記述されている現在なので、集中しているから忘我である、といったような話とは構造的に違うのである。爪を切らなければならない。タイピングの邪魔だ。三日前くらいに切ったつもりだったのだが。

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これはビートルズのアビィ・ロードに似ていたので、進行方向をあわせるためにわざわざ逆版にして先に掲載した。すこし乾燥した赤緑がかったギラついた感じにしたかったのだが、まあ現実は雨だからな。で、これはもとの構図だが、やはり逆版よりも正版の方が当然のようにしっくり来る。RPGのパーティのように生真面目に並んでいるが、これが社会的距離というものか。加工途中のファイルをいじったせいで他のよりもギラつきが変わっているが、まあこれはこれで。

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とにかくパキっとした写真を撮りたいという気持ちで雨に挑んだ。多少はその注意が実った気もするが、 1/5くらいに縮小してしまえば何でもパキパキやろという気持ちもしてくる。

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雨が降ればどの道外に出る人は少なくなるだろうが、出ねばならない人にとっては負担が倍加するばかりで、なんともな。先日地震があったが、この状況で怪我なんかしたら病院に行かなくてはいけなくなって、お陀仏だ。コロナも危険だが、ふつうの怪我も十分にやばい。医療崩壊と叫ばれているが、つまりはそういうことだ。背筋が凍る。とはいえ、そんなことばかり考えて生きていくこともできない。ぐらぐらしながら乗る自転車のようなもので、逆に危ない。

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写真もいい加減載せすぎやろと思ってきたが、これでもくだらない写真を削っているので別に全てというわけではない。上から順にスタック、上から順にスタック、上から順にスタック……。どうも、潰れたお店の撤去か何かのために来ていたようだ。今日も工事現場の人は変わらずに働いている。清水建設で罹患者が出たらしい。変わらずも遠からず変わることになるだろう。

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あと『ペストの記憶』と『情の時代 あいちトリエンナーレ2019』を買った。

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読まれないために書く文章というものもある。

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縦構図の写真はnoteの性質上無闇やたらにでかくなってしまって使いにくいので最後にちょっとだけ載せておく。

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それではみなさんごきげんよう。

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