RIZIN45感想+答え合わせ

 最高の大晦日でした。歴代最高のRIZIN大晦日だったんじゃないでしょうか。KOもめちゃくちゃ多く、そうじゃない試合も退屈じゃなかったです。ほぼ全ての試合でエキサイトした気がします。こんな興行あっただろうか…。

 今回の勝敗予想の結果は12勝5敗! だいぶ当たったぞ!

✗ 第1試合/YUSHI vs. 平本丈

>僕はYUSHI選手の判定勝ちを予想します。

平本丈選手が3-0で勝利しました。ほぼ全局面で圧倒していました。素晴らしい。平本家の格闘遺伝子もさることながら、やはり若者は「男子三日会わざれば刮目して見よ」です。凄い成長! これからも期待できます。特に打撃の差があったと思いました。

◯第2試合/那須川龍心 vs. シン・ジョンミン

>この試合も那須川の勝利だと予想します。3RKOかな。

那須川の2RKOでした。ほぼ正解。が、1Rはジョンミンがすごくよくて、特に腕十字がかなりいいところまで入っていました。三角をしかける場面もあり、あと一個ボタンがハマっていればジョンミンも決めていたと思います。しかし、そこを跳ね返して那須川が2R打撃でKO。この逆転劇は那須川天心も全く同じだったようで、ほんと兄弟って似るんですね。

◯第3試合/篠塚辰樹 vs. 冨澤大智

>篠塚の2RKOを予想します。

結果は2ダウン奪って篠塚が圧倒的に判定勝ち。事前に「3Rいじめ抜きます」と言っていましたが、本当にその通りになりました。ちなみに1分以内にダウンを取っているのでBDルールでも勝ち。めちゃくちゃ上手くて圧倒的なスキルを感じました。倒そうと思えば倒せたと思います。ただ冨澤もめちゃくちゃ気合を見せていて最後まで踏ん張ったと思います。試合後は篠塚が「いいじゃん」と声をかけており、試合後インタビューも含めて結構サムライみたいな清々しいやりとりでした。冨澤はBDトーナメントに復帰できない気がしますが、同時に、やはりBDレベルの器ではないですね。

◎第4試合/弥益ドミネーター聡志 vs. 新居すぐる

>2R新居がフィニッシュすると予想します。

大当たりしました。序盤はドミネーターがカーフキックで組み立て、新居は明確に足がやられていました。しかし、一瞬の隙をついて新居が右ストレート一閃。パフォーマンスオブザナイト的な一撃でした。ドミネーターの誤算は、新居のストレートが思ったより伸びたということで、特に足を削っていると油断しがちかもしれませんが、堀口のように常に上のガードをしていれば……。それと、あんな打撃食らったらもう関係ないという気もしますが、もし平本戦のダメージがなかったら、とも思いますが、まあでも朝倉未来戦のハイキックと同じようなものですよね。予想は当たったけど本当に悔しい。そしてドミネーターTシャツ買えなくて本当に悔しい。

✗ 第5試合/久保優太 vs. 安保瑠輝也

>僕は安保の勝利を予想することとします。ただ、クリンチなどでフィニッシュを避けることができるので、KOはないと考え、安保判定勝ちです。

久保が1Rにリアネイキッドチョークを決めて一本勝ちでした。寝たあとの処理ができなかった……。MMAにはリアルしかないですね。ミルコ・クロコップはまさに夢ですが、現代MMAではもうありえないのかもしれない。安保はMMAをやっていくと決意したようで、めちゃくちゃ楽しみです。

◯第6試合/新井丈 vs. ヒロヤ

>伊藤・アーセン戦の再来があると見越し、ここはヒロヤ選手の判定勝ちを予想します。

結果はヒロヤが2R打撃でKO。勝利は当てたけど打撃は予想外! めちゃくちゃ動きがよくて感動しました。新井が評価された前戦の山内戦を、まるで配役を変えて再上演したような試合でした。HEARTS陣営は「ショートノーティスだった」「階級が…」と言っていますが、単純にヒロヤくんが凄いですよ。本当に感動しました。ヒロヤくん、超RIZINで一皮向けてましたけど、これで三皮くらい向けました。だって、修斗フライ級チャンプを狩ったんですよ。やばすぎる。三団体の真のチャンプは平良・神龍・鶴屋で、現チャンプとして新井・福田・伊藤といる中でその一角を崩したんですよ。中村や伊藤(裕)に負けたのはなんだったのだ???? マジでいきなりトップ戦線です。しかしそうなると次の試合は誰になるんだ……普通に竿本とかになっちゃいかねない(がBRAVEだからありえない)となると、まあ福田・パンクラスの伊藤・アーセンが濃厚でしょうか。

◎第7試合/イゴール・タナベ vs. 安西信昌

>やはり総合的に見てイゴール有利は揺るがないのではないでしょうか。1Rイゴールの一本勝ちを予想します。

誰が見てもこの予想するわwというカードでしたが、完全にその通り1R一本。しかしなんで取れちゃうんですかね。マジで魔法だなと思います。UFCでもトップ5いけちゃいそう。国内では中村K太郎しか相手いないですけど、たぶんサトシソウザVS徳留みたいになります。

◯第8試合/三浦孝太 vs. 皇治

>一番濃厚なのは2Rで決着せずに判定で皇治勝利かな

結果は2Rに皇治TKOでした。フィニッシュまでは想像できなかったけど、当たりです。かなりグラウンドでの攻めがすごくて、しっかり練習してきたのが伺えました。青木真也も男泣きしていて感動しました。ただ逆に、三浦孝太は厳しいですね。未だに2R設定のアマチュア的ルールもさることながら、その2Rでフィニッシュされるのもまずい。DEEPに出て積んでいくことが必要だと思います。グラチャン系は知名度に対して微妙だし…。

◯第9試合/太田忍 vs. 芦澤竜誠

>ただ、どこでフィニッシュできるかは謎なので、今回は太田の3Rフィニッシュを予想します。

勝敗もフィニッシュも確実だったけど、1Rフィニッシュだったので悔しい! 微妙に外しました。レスリングはRIZIN全選手の中でトップなので言うまでもなく、寝技の積み上げが、芦澤の準備よりもかなり高かったなと思います。ただ、芦澤はプリパレーションなどの動画を見ると準備の様子がかなり素晴らしく、こんなところで終わる人材じゃないと思います。このまま奮起してほしい。

✗第10試合/元谷友貴 vs. ヴィンス・モラレス

モラレスの3-0でした。本当にすみませんでした。この試合だけ戦力の拮抗も含めてUFCレベルでしたとか言いたくなる凄いレベルの高さで、他の試合がなけれればファイトオブザナイト。いやホント日本でUFC見せてもらってるみたいでした。

ヤマニハにかけて元谷が勝った経験から予想を立てたんですが、UFCファイターとの比較は間違っていました。モラレスめっちゃ強くて、中でも素晴らしいのは常に先手を取っているところです。ただ、元谷も地力がすごくて、テイクダウンも決まっていて見事だった……のですが、グラウンドではほんとうにくるくる攻防が入れ替わって、それもハイレベル。ただ、本当に全局面で少しずつ上回られてしまいました。こうしてみると夜叉坊けっこう強いのではと思えますね。元谷選手はこの試合によって門番の座から陥落してしまった気がしましたが、実際には多分ヴィンス強すぎで、マジで佐藤将光・中島太一・太田忍を全員駆逐できる可能性があります。

ここでいま気づいたんですけど、バンタム級新四天王は佐藤・中島・太田・元谷な気がします。その上に黒船モラレスとエンジェル井上がいて、晴れて王者朝倉海が君臨という形でしょう。アーチュレッタもいますが、多分彼はフェザーに行くので、ご卒業というカウントです。

✗第11試合/扇久保博正 vs. ジョン・ドッドソン

>この試合はドッドソンの2RKOを予想します。1Rは、扇久保が死んでも生き残ると信じています。

本当にすいませんでした。扇久保がめっちゃ強かったです。扇久保が3R支配して判定3-0勝ち。そういや今回スプリット判定がねーな。何が凄いって、打撃で全然押し負けてなくて、いったいどういうことなの??と思いました。フライ級魔窟すぎないですか?? いやドッドソンUFC1位だったからそれも当然なんですが、扇久保完勝でしたよ。となると、それを完全に格付けしている堀口ってなんなの?と思いますが、ドッドソン自体がほかのフライ級ファイターを駆逐できる実力者ですよ。フライ級若手三人衆との実力差もわからん……。逆にいうとやはり扇久保は抜けているとも思いました。しかし扇久保よりも堀口はさらに抜けている……なんなの。

✗第12試合/スダリオ剛 vs. 上田幹雄

>打撃は上田が上回っているとも思うのですが、ここまでの論理を前提に考えて、スダリオの判定勝ちを予想します。

結果は上田の2RTKOでした。というかそれ以前にヘビー級とは思えないめちゃくちゃスピーディーな打撃戦で、普通にUFCでも見れないレベルじゃない? とめちゃくちゃ興奮しました。凄すぎました。やばいです。ただ、打撃戦になってしまったことにより、上田の足技がめちゃくちゃ光りました。フィニッシュブローはカウンター左膝蹴りです。めちゃくちゃ変幻自在で、ブラジリアンキックとかも異常な切れ味。信じがたいです。ただ、スダリオもフラッシュダウンしたけどまだ生きてたよ!と言っていて、それはそれで事実かなと思ったものの、あのまま上田が殴っていたら、試合が止まらなかった代わりに致命的なダメージを受けていたはずで、試合後にスダリオが元気だったのはそういうジャッジの功績であり、むしろスダリオもめちゃくちゃポテンシャルがあるので、ダメージが深くならなくてよかったです。いやー、さっき現代MMAにはミルコクロコップ無理だとか言っていましたが、上田はミルコです。本当はフランシスコ・フィリオなんですけどね。

◎第13試合/伊澤星花 vs. 山本美憂

>1R伊澤の一本勝ちを予想します。
今回RIZINの三大勝敗わかりきってるカードでしたが、完全に展開も一緒でした。山本のタックルめちゃくちゃ鋭くてよかったんですが、それが効果がないからな……。

それ以上にさすがに山本KID含めた山本家の格闘血脈の総決算となるセレモニーにはめちゃくちゃ感動しました。引退式も荘厳で、いやほんとRIZINの引退式テンカウントはやばいんですよ。石渡伸太郎さんのときもめちゃくちゃ感動しました。出身と階級もコールしてほしかったな。

◎第14試合/平本蓮 vs. YA-MAN

>総合的に見て平本蓮の勝利を予想します。ただ、手負いのドミネーターや鈴木博昭を仕留めきれなかったことを踏まえ、判定勝ちとします。

展開含めて完璧に当てました。ただ、内容は想像を超えていました。めちゃくちゃな打撃戦で、平本が組みを混ぜていなしているんですけど、いわゆるクリシェである「MMAをする」という話を遥かに超えていました。キックボクサーに対する「これはMMA」という指摘は、基本的に組みを混ぜるのがそれだということで、ほとんど打撃から逃げることを意味しています。その方がイージーですからね。萩原平本、朝倉萩原などでそういう展開が繰り返されてきました。

この試合は全くそれらとは違います。平本は今回ムエタイ式のスタイルを頭に入れて試合を組み立てたらしく、組が全て打撃と結びついており、しかも打撃で先手を取っていました。剛腕のYA-MANの打撃に全く圧されておらず、カウンタースタイルだから下がっていたけど手を出すのは平本の方が早かったです。しかしYA-MANはそのテクニックに抵抗してめちゃくちゃ圧力をかけていき、殴りまくっていました。ただ後半に行くほど力が入っていたかな。剛腕で凄い勢いだけど平本を捉えきれず、しかし平本のタイミングとスピードが極まった打撃がめちゃくちゃ刺さっていて、倒れなかったことがやばいです。普通倒れます。これはヤーマンの気合です。

はっきりいいますがRIZIN史上最高の打撃戦です。間違いなくファイトオブザナイトです。平本の打撃が美しすぎますし、YA-MANの執念が泣けます。次点が天心VS堀口かな……でも金的2回で少し興が削がれたと思います。それを含めれば、たぶんこれが一番です。

◯第15試合/クレベル・コイケ vs. 斎藤裕

>応援は斎藤裕ですが、勝敗はクレベルの2R三角絞めとしたいと思います。

3Rクレベルがダースチョークで一本勝ちでした。けっこう思っていたような展開になりました。三角はしっかりディフェンスしていたので、もしかしたらダースは想定の外にあったかもしれない。それくらい3R序盤までは完全な斎藤の組み立てでした。あと2回金的があって、レッドカードをもらっていたのが気になりましたね。斎藤は1・2のようにポイントアウトしたかったな。鈴木千裕が言っていましたが、3Rにタックルしたのがミスだったということで、実際そのミス一点を捕まえてクレベルがセット、フィニッシュまでもぎ取りました。やはり、究極の必殺技がある人は違います。

しかし斎藤はめちゃくちゃ残念です。会場は圧倒的に斎藤応援でした。みんなも期待していたと思います。引退もありえる。ここでやめてほしくないけど、マジで精神的に瀬戸際だと思います。牛久が階級変更したこともあり、恐らくまだフェザーでの役割があります。

フェザーは、
王者  鈴木千裕 ✗クレベル
挑戦者 金原正徳 
二位  クレベル ✗金原
三位  ケラモフ ✗斎藤 ✗鈴木
四位  朝倉未来 ✗ケラモフ ✗クレベル △斎藤裕
五位  斎藤裕  ✗クレベル △朝倉未来
となっています。この下に山本、摩嶋、今回勝利した新居がいるでしょう。出てはこないでしょうが、修斗王者のSASUKEやDEEP王者の神田もおり、そのちょっと下に萩原や階級変更した武田などがひしめき、その下にさらなるファイターが蠢いています。ただ、以外と上にランク化した人たちとその下の差もありそうだな、、、と僕は見ています。三位以上は実力伯仲の超トップ層です。

◯第16試合/バンタム級タイトルマッチ フアン・アーチュレッタ vs. 朝倉海

>朝倉海の1RKOを予想します。
2RKOでした! まあいいでしょう!! 本当に嬉しかった!!!

それにしてもこの試合はアーチュレッタの体重超過により、直前までめちゃくちゃ暴れました。試合開始前に「試合成立しました!」と発表されて本当に会場が沸騰しました。

68キロリカバリ制限で試合は実行されましたが、そもそも61キロの階級でどういうことなの??? 北米のリカバリチートは格闘技を歪めています。そういうことに対する批判としても考えていきたいところです。

またアーチュレッタがタイトル剥奪ノーコンテストになったことは当然ですが、レッドカードスタートはどうなの? という意見もありました。これはアーチュレッタが2.8キロも超過しやがったからで、これが800gとかそれ未満だったら注意だったりそれすらもなかったりしたんだよ! っていうことを忘れています。2.8を落とすか落とさないかで辛さがぜんぜん違うんだよ!

しかし試合が始まってみると、KOするしかないアーチュレッタの突進がやばすぎてびっくりしました。特に正直打撃がかなり当たっていて、こんなに来るのかと。よく海選手ダウンしなかったです。これは突進に対してしっかり下がるという意識が海選手にあったからですが、破れかぶれ攻撃だったことがあり、予想よりも踏み込みが深かったのだと思います。そして、アーチュレッタは打撃とタックルを組み合わせる人なのでそれが効果的なのですが、グラウンドに沈むこともなく海選手はよく耐えました。1Rにゴングがなったあと打撃しやがって本当に舐めてますね。反則行為に僕は人生で初めてRIZINでブーイングをしました。

ていうか68キロ戻しでもめちゃくちゃアーチュレッタ体がでかいですね。完全にフェザーですよ。色々言われますが、この選手を海選手はカウンターの膝蹴りでKO。本当に凄いことですよ。色々ありましたが、最終的には文句のない勝利だと思います。だって試合を見たらアーチュレッタめちゃくちゃやばかったでしょう。凄いですよ。

全体的にはいつ海選手がKOされてもおかしくないやばすぎるゲームでした。本当に怖かったです。本当に素晴らしいフィニッシュでした。

◎第17試合 /フライ級タイトルマッチ 堀口恭司 vs. 神龍誠

>ここは2R、堀口の打撃によるパウンドアウトを予想します。

打撃じゃなかったけど2R裸絞で一本! ラウンドとフィニッシュあてたんで◎にします!!

しかしそれにしてもこれは神龍の健闘が凄すぎて、扇久保ドッドソンを見たあとであれなんですけど、堀口を世界枠にしたら、今の日本最強は神龍さんですよ間違いなく。あんなに全領域で堀口と戦えた人いますか。勝ったミックスやペティス、それから朝倉海もこんな風にやれてなかったですよ。なんならグラップリングでは上回っていた感じすらします。

その1Rをふまえて2Rでギアチェンジした堀口の打撃がやばすぎてビビりました。あれでKOされておかしくないですよ。そこからグラウンドにいって首が取れるような裸絞……相手が強いほど堀口の強さが際立つというヤバさでした。

勝利後には川村那月氏にプロポーズして見事成功。なんだか既視感がありますが、セミからの流れも踏まえて本当に素晴らしい大晦日になりました。

僕は朝倉海に全ベットしていたのでその意味で最高だったのですが、それだけでなく、堀口恭司の偉大さが際立ったとも言えます。健闘した神龍の株がうなぎのぼりなのもそうですが、堀口と1勝1敗の朝倉海がアーチュレッタを下してバンタム級戴冠、そして三回圧勝した扇久保がUFC一位のドッドソンを完封。すごい一夜ですよほんと。これまでもやもやしていたみんなも一気に霧が晴れたような気持ちになったと思います。

本当に最高の大晦日でした! 2024年の朝倉海、堀口恭司たちの展開がめちゃくちゃ楽しみです!!



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