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Lotus(1998)は、ボドゲ業界のびっくり箱

本日話題にするLotus(1998)という名のゲーム、BGGの投稿に「クソゲー」との評価を2名様から頂いていることに気づきました。
実は、気づいたのはつい先ほどなのです。

いままでのところ、ラジくまるとしては、ボードデザインが中国風(シノワズリー)を意識していて美人さん!と、今まで「一人で勝手に」思い込んでいたのです。

*「美人さん:ビジンサン」のイントネーションは絶対に「関西弁」ふうに読んでください。

「白人が想像する東洋」を、そのボードデザインから感じ取るとともに、異国情緒たっぷりの、清々しいボードデザイン!と評価していたのです。
実は、ルールは全く読んでいませんでした。

しかし、ほんの数時間前!
BGGに「サイッテーだよ!」とのコメント投稿が1年前に書かれていることに気が付いたので、がぜん、興味を惹かれました。
*偏屈な人だなー。「ラジくまる」って・・・・・。

というわけで、ルールを和訳して、ルールにどのような欠点があるのか、考えてみたいと思います。

Lotus(1998)   2 to 4 players Ravensvurger社
勝利条件:
相手よりも早く、自分の色のコマ全部をゴールに到着させたら勝ち。
用具:
専用のゲームボード 1
黒コマ 10,白コマ10、赤コマ6 青コマ6。合計32
*コマはスタック可能な形状
準備:
人数により使用するコマの枚数が異なる。以下の通り。

2人の時
白10個、黒10個
それぞれの色について、以下の通りのスタックを作る。
4個のスタック、3個のスタック、2個のスタック、1個のスタック。
*完成したスタックは、ゲームボード中央の竜の絵のあたりに置く。

3~4人の時
白6個、黒6個、赤6個、(黒6個)
それぞれの色について、以下の通りのスタックを作る。
3個のスタック、2個のスタック、1個のスタック。
*完成したスタックは、ゲームボード中央の竜の絵のあたりに置く。

遊び方:
スタート時にしろ、ゲーム進行途中にしろ、とにかく動かせるのは、スタックの一番上にある「自分の色のコマ1個」だけ。
動く距離は、「スタックに存在するコマの個数」ぶんのマスを移動する。
たとえば4個のスタックからコマを動かそうと思った場合は、一番上にあるコマ1つを手に持ち、スタート位置から4マス進める。

スタートから始まるル-トが2つ描かれているが「(直)のルートと(黒)のルート」、どちらのルートを使っても構わない。しかし(屋)のマスで合流して、(軍)の先のゴ-ルを目指す。

ルート上で、相手の色のコマの上にスタックしても構わない。スタックされて下になったコマは、動かす権利がなくなる。(動けるのは、一番上にあるコマだけ)

全てのコマは、ゴールに向かっての前進方向にしか動かせない。

特殊な場面の解決方法:
・動かせるコマが全くない時は、任意の相手の色のコマを前進させる。あるいは、相手のコマを進めないままで、自分のターンをパスしても良い。
・ゴールでは、動ける距離が余っていても、とにかく(軍)のマスよりも先に進んだらゴ-ルと考える。
・漢字ではなく(花のイラスト)が描かれているマスは「トランポリン」と呼ばれる。このマスにぴったり入ったら、入った時の移動距離と同じ分だけ、もういちど進んで良い。
・2人プレイの場合、あまりにも後攻が有利すぎるので、以下のルールを用いること。先手の第一手だけは、2回実行して良い。それ以後は普通に交互にターンを行う。
バリエーション 上級者向けのルール:
移動できない時は、ただひたすらパスを続けなければならない。

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ただいま生まれて初めて、Lotus(1998)のルールを読んだわけですが。感想を一言。
「・・・・アホか、こいつ・・・・・。」
あきれ返ってものが言えません。あまりにも、初歩的なルール設定ミスです。

ゲームデザイナーのDominique Tellierさんが、当時、どのくらい厳しい批判を浴びたのか気になります。心のキズ「トラウマ」を心配してしまいます。

まあ、幸いなことに「お子ちゃま向け」という位置づけでRavensburger社からこのゲームは発表されているので、ボドゲ業界的にも「まあ、いいかぁ・・・」くらいに、ソフトに扱ってもらえたんだろうと想像しておきます。

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ルールの致命的欠点について、一読しただけでは気が付かない方もいると思います。
ですので、改めてはっきりと申しますが、後攻はこうすればいいのです。

後攻必勝法?
後攻の人は、先攻の人と、全く同じ行動を取れば良い。
全く同じ行動とは、すなわち、先攻の人のコマを、常に踏みつけにして、自分の色のコマを上に乗せたスタックにしてしまうこと。

この方法を取ると、後手の人が完全に「生殺与奪」の権利を獲得します。
先手の人は、自由を奪われ、面白くないゲーム展開がず~っと続きます。
先手は「単純作業」だけしかできないんです。

この致命的な欠陥は、ラジくまるには解消方法が思いつきません。
先手を強くするための調節をやり過ぎちゃうと、今度は「先手必勝」に大きく振りすぎてしまうし、調節行為が「諸刃の剣」になっております。
ルール調節が激ムズ。
いわゆる、基本ルールそのものが破綻しているっていう事ではないでしょうか。

そもそもが、あんまり魅力的な「ルールの世界観」じゃないんで、テストプレイして練り込んでいく気力が起こりません。
手の施しようもない、ダメなゲームだと言わざるをえないように思います。


ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。