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Tesseractだけが繰り返し構造体なのか?そして、トポロジーとボードゲームとの関係(2)

前回からの続きです。
さて、囲碁から離れて別のゲームの話題に移ります。
読者のみなさんは、小学生のころ、紙と鉛筆とでこんなゲームで遊びませんでしたか?
「点と四角;Dots and Boxes」

Dots and Boxes 点と四角

これを「トーラスで遊ぶと、ちょっと一味違って面白いよ!」と、アメリカの人がインターネット上にPC用アプリを公開していたことがあります。(改めて探してみましたが、見つかりませんでした)
このゲームも「トーラスには4つのカドがない」ことが戦略に変化を生じさせますが、それでもゲームとしてしっかり遊べます。
お勧めです。(筆者、テストプレイ済)

「マルバツ;Tic-Tac-Toe」や、「五目並べ:5 in a row」なども、トーラス上で遊ぶと、戦略が全然違うゲームになり、これまた面白いと思いました。
もちろん、筆者がこれらのゲームを考案したわけではないです。
すでに多くの研究レポートが存在します。(筆者、テストプレイ済)

https://chalkdustmagazine.com/features/topological-tic-tac-toe/
など、参考文献は他多数

「オセロ、リバーシ:Othello, Reversi」だって戦略に変化が出るので、一味違った楽しさを味わえそうです。(筆者はテストプレイしていません)

上述は静的(Static)なトーラス利用法でしたが、動的(Dynamic)なトーラス利用法のボドゲもあります。
Gigamic社のQuixo、および同社のQUITSの動きみたいに、右から左方向へと1列全体が同時に移動し、左端に1マスぶんはみ出しちゃったピースは、正反対側の右端に位置が変化する・・・みたいなトーラス的なメカニズムを利用したボードゲームって、そういえば他にもちらほらとありますよね。
*Ravensburger社のLABYRINTHとかも?

動的なゲームの仲間に「ignis」も含めたかったのです。しかし、このゲームの場合、押されてはみ出したピースは「裏返す」という決まりがあります。そうなると、ちょっとトーラス仲間とは言い難いんですよね。リンクは右下です。

https://boardgamegeek.com/boardgame/136240/ignis

いずれにしても、ゲームボードの左端は、右端につながっていると考えるボドゲは全部、トーラス(トポロジーの考え方)を利用していることになると思います。
かなりたくさん数があったよな、そういえば。と、同意いただけると思います。

しかししかし、最後に、トーラスをゲーム盤に使ったゲームのなかで、これは傑作じゃないかな?と筆者が信じているゲームをご紹介して締めくくります。これです。

POINT-BLANK

POINT-BLANK, Hi-Q Game series。Gabriel社から発売されたものです。
ざっと説明すると、2名のプレーヤーが、狭いゲーム盤上をバイク(motorcycle)で爆走します。両名共に走った跡には障害物が残ります。

対戦相手が動けない状態になったら、あなたの勝ちです。そんな感じです。
古いSF映画TRONの”Light Cycle Game”って言ったら、わかっていただけるでしょうか。あまりにも映画が古すぎて、説明になっていないかもです。恐縮です。
使用するコマには「矢印→」が描かれており、自分の次のターンでは矢印が示すマスにコマを置かねばなりません。コマを置くとき、矢印の向きは自由に変化させることが許されます。

原作ルールでは、±135°の急カーブも許されています。これを現在の進行方向に対して-90、-45、±0、+45、+90°の5方向しか選べない、という制限をつけても良いかもしれません(急カーブだけ禁止)。

ゲーム盤は6x6でとっても狭いのですが、そのかわりトーラス構造と考えます。左と右はつながっているし、上と下もつながっています。
対戦が熱い。お勧めのゲームです。
(盤を7x7にしたり、6x7にしたり等、ちょっとだけサイズ変更するのも、たぶんなんとなく面白そうです。)

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。