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僕を僕たらしめていたもの

僕の人生は
その大半を
恋で占めていたと思う。

音楽への恋
書くことへの恋
あの人への恋


音楽や書くことへの愛情の根源のほとんどはきっと
あの人への恋だったりして
良くも悪くも
僕は普通の人間だった。

僕という人間を定義づけるため
あれやこれや仲間と酒と語り明かしては
その度、僕にはやっぱり何もない
そう思わされる日々

恋をしていると
僕はこの世界でその人においてだけ
特別でいられるなんて
安心感を覚えたことはなくて
いつも何かに怯えていた。

服装から体型、髪型まで
目につくところすべてに気を配った。

僕の人生の大半はそんな恋心でしめられていた。

ある日
いつもと変わらない日々の中で
僕はどうやら少しずつ自分に興味がなくなってきていたようだった。
あんなに頑張っていたダイエットも服装も髪型も
今やどうでもいいと思ってしまっていた。

僕が僕のことを今までの僕たらしめていたのは
全部あの人の為だった。


ーーー

そんなことをふと思い出して
クスッと笑える今の僕は
懐かしい回廊を抜けて
もう随分と遠くへ来てしまったようだ。

あの頃の僕は今の僕を想像だにしないだろうけれど
今の僕の中には生きていて

あの頃笑いあった笑顔は
僕の音楽の中で何度でも恋をする。

とても暖かい気持ちだ。
恋でもなくて
愛でもなくて
記憶に宿る僕の人生には欠かせない何か。

僕の音楽の中で永遠に。

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