ピンぼけ
人の思い出というのはピンぼけする。過去の思い出はピンぼけする。良い思い出はより美しくピンぼけして。嫌な思い出はより速くピンぼけしていく。何も印象にないものはピンボケすらせずネガにもならない。もし人の記憶がカメラのようなものなら、良くも悪くも鮮明に、正直にありのままを残すのだろう。そう考えると人間の記憶などなんと都合のいいものだろう。でもカメラのように鮮明に全て残ってしまったらとても苦しいのかもしれない。耐えられないのかもしれない。だから人間は忘れるという能力を持っているのだと思う。
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