コエトモ民@デスゲーム❹

あらすじ
謎のデスゲームに巻き込まれた俺たちはとうとう、鬼を一体倒すことに成功した。
でもその鬼は……

「やったぞ!倒したんだ!」
オレ達3人は大喜びだった。
しかし、喜んでばかりはいられなかった。
ふと、鬼の顔を覗き込んでみると、
「ヤトワレ…なのか?」
思わず声に出していた。
「どうしたの?ゲスオ」
「コイツは、俺のことを縛ってきた男だよ」
「おい、どういうことだよ」
8ミリが首を傾げた。
「つまり、鬼は元々は人間かもしれないってこと?」
「あぁオレが間違ってなければな」

オレは、もう一度死体を見た。
やはり見間違いではなかった。
その鬼は間違いなく『ヤトワレ』だった。なぜこんな姿になってしまったのか。
理由は分からないが、おそらく、あの少年とマスターと呼ばれる人物が関係しているのだろう。
「おい、何してんだゲスオ、早く行くぞ」
「あぁ悪い今いく」
オレは、慌てて後を追った。

「とりあえず応急処置はしたけど、鬼との戦闘は僕たちに任せてなるべく安静にしなよね」
「安静って言ったって…」
「つべこべ言わないでオレらにまかしとけばいいんだよ!」
8ミリがオレの肩を叩く。
なんだか少し安心した。
「ああ頼む」
「おうよ」
「よし、それじゃあ行こうか」
3人で階段を上っていく。
「なぁちょっと聞きたいんだけどよ」
「どうしたの?ゲスオ」

「その……あれだ、なんでオレを助けてくれたんだ?」2人共、不思議そうな表情をしている。
「なんでって、助けたかったからに決まってんじゃん」
ライオネルガは、さも当たり前のように言った。
「いや、そういうことじゃなくて、なんでオレなんかを助けたんだ?」
「それはだな、お前のこと気に入らなかったからだ」
「はぁ?」
8ミリの言っている意味がわからなかった。
「だってそうだろ、オマエはライオネルガを庇って傷を負ったんだ、オマエばっかにいい格好させたくねぇからオマエを助けた。これで全員貸し借りなしだな」
「はぁ〜なるほどね」
「まぁそういうことだ」
2人の優しさに心打たれた。
だが、同時に自分が情けなくも感じた。
「ありがとう」
オレは小さく呟いた。
「ん?何か言ったか?」
「なんでもねぇよ」
オレはそう言って笑った。

階段を上りきるとそこには、
「遅かったですね」
先ほどの少年が立っていた。
「オマエ誰だよ!」
8ミリが声を荒げる
「僕の名前はAR001   マスターには、アルって呼ばれてるね」
「なぜオマエがここにいる、オマエは一体何者なんだ? あの鬼もオマエとそのマスターが関係しているんだろ。答えろよッ!!!」
オレも思わず声を荒げる。
「ふぅーっ」
すると、アルと名乗った少年はため息をついた。
「そんなに興奮しないでください。これだから人間は嫌いなんです。カルシウム足りてますか?」
「テメェふざけてんのか?」
8ミリはもう今にも殴りかかりそうな勢いだ。
「さっきの質問に答えられてないけど、もしかして答えられないのかな?」
ライオネルガは、落ち着いた調子で尋ねた。
「答えられないんじゃなくて、答えないんですよ。だってこれから死ぬ人たちに教えたって意味ないないでしょう。」
言うが早いか、アルの体は鬼のような
姿に変貌した。「グァヅザゥズググガァァァァヅッ」
は叫びながら突進してきた。
「みんな散れッ!」
ライオネルガの声と同時に全員がバラバラになった。「グルルォアアッ」
アルはオレを狙ってきた。
「くッ」
避けたつもりが、腰に攻撃をくらっていた。
オレとは違い、8ミリはアルの動きについていけているようだ。
「オラァッ」
8ミリがシャベルを振り下ろす。しかし、 ガンッ!
「嘘だろ!?」
アルは自らに振り下ろされたその腕を掴み、
ズチチイィィ
アルが8ミリの腕を肩から引きちぎった。
8ミリが痛みに耐えきれず叫ぶ。
「ゔあああぁぁあっ」
そして、そのまま8ミリの頭を鷲掴みにした。
「ぐっ……離せ!」
8ミリが必死に抵抗する。しかし、その抵抗虚しく、アルはそのまま持ち上げた。
「グアゥ アハハッハッハ」
「やめろぉおおお!!」
気づけばオレは駆け出していた。そのままの勢いで、アルに向かって思いっきり飛びかかった。
「うおぉりゃあぁぁあ!!!」
ザシュッ
 オレは、その手に持っていたシャベルでアルの体を斬りつけた。
「ウギャャアア」
オレの攻撃により、アルは8ミリを 手放し、その視線をオレに向けた。
その視線は、怒りに満ちた目だった。
「ギヂュガヤロオオォォ」
アルはオレに襲いかかってきた。
オレは、それをなんとか避ける。
「くそっなんて速さだ……」
この動きは明らかに人間のものではない。
「一体どうしたら…」 

「ハァ…ハァ……そんなの、もう決まってんじゃねぇか。」 


とぅーびーこんてにぅー

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