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奇岩ROCK YOU!!

こんにちは、イトーです。
突然ですが、普段インドア派なぼくですが、気が向いたときにはアウトドア派にも転向します。特に普段の喧騒から離れて一人でぼーっと物事を考えられるソロキャンプは数年前から1年を通して定期的に出かけています。

つい先日は、関西では知らない人がいないほどに有名な京都は木津川のほとりにある笠置キャンプ場にいってきました。テントの設営が終わったら、周辺を散策しにいくのが常なのですが、笠置には鹿鷺山というお山のうえに笠置寺というお寺があります。このお寺は紅葉、雲海、そして巨石が有名です!かつては、後醍醐天皇が元弘の乱の際に笠置山を拠点としていたことも有名です。

その巨石ゆえにかつては岩石信仰が存在し、岩に仏様を彫刻するいわゆる「磨崖仏」が多く存在(し、その多くは現在は失われて復元されたり)し、その威容は圧巻なものがあります。このように人の手が加わったものだけでなく、どうやってあそこまで運んだのかわからない位置にある岩や、今にも崩れ落ちそうな絶妙なバランスで鎮座している岩、奇妙な形の岩などがあり、見ていて飽きません。

現代では、ボルダリングの聖地となっており、週末には多くのボルダーが訪れるだけでなく、笠置は映画「笠置ROCK!」の舞台ともなりました。あの岩の群れを見て、正直すげぇなと思いました。

なので、今回のNoteでは、あのような巨岩・奇岩がどのように形成されてきたのかについて、調べていきたいと思います!

奇岩とは?

ぼくたちが住んでいる世の中には石・岩があふれています。道端に転がっているつぶてや地面、山なども石・岩の一種ですが、世界には奇妙な造形の石や岩が存在し、観光スポットや信仰の対象になっています。

例えば、日本では、北海道や石川県にある「ゴジラ岩」、岐阜県の「傘岩」、和歌山県の「橋杭岩」などが有名な観光スポットとなっていますし、海外ではインドの「クリシュナのバターボール」、トルコの「ゼミ渓谷」、オーストラリアの「デビルズマーブル」、イギリスの「ブリマスロック」、アメリカの「バランスロック」等が有名です。

このように奇妙な形や絶妙なバランスが成り立っている岩や地形が存在します。かつて文明が十分に発達しておらず、科学技術の未熟であった時代、人々は自分たちの意志で制御できない自然の中に神を見出し、祈りをささげてきました。その中でも、山や川と合わせて、人知を超えた自然のバランスのうえに成り立っている奇岩も、自然信仰の中で畏怖・崇敬の対象としてきました。

そもそも岩ってなに?

鉄などの鉱物によって構成されるかけらやかたまりを、砂、石、岩と呼びます。これらの違いはあいまいですが、おおむね大きさによって呼び分けていることが多いようです。これらを総称して岩石と呼びますが、岩石のうち巨大すぎて運び出すことが困難なものを岩、人の手に負える大きさのものを石と呼ぶことが多いようです

岩のなりたち

石・岩は、そのなりたちにしたがって「①火成岩」「②堆積岩」「③変成岩」の3種類に分けられます。

①火成岩
その名前の通りで、火山の活動にともなってできた副産物です。火山とは地下に常に対流している複数の物質が溶け合った高熱のマグマが、噴き出した出口です。マグマが出口である火山から噴き出した後に、地表あるいは地下で冷やされて固形化したしたものが、「火成岩」です。
そして、マグマが噴出さずに、雨や海水等の流入等で地下深くでゆっくりと冷やされてできた岩のことは、「深成岩」と呼びます。

②堆積岩
かつての地球は水に支配されて、海や湖ばかりの世界でした。これら海や湖の底で泥や砂、小石が、何千万年、何億年という月日が経つ間に積み重なって固まったものが、「堆積岩」となります。

③変成岩
これは上記2つの石・岩の派生物です。すなわち、火成岩や堆積岩が、地下熱や岩盤通しの押しつぶし/引きはがす力によって、形やその性質が変性したものを「変成岩」と呼びますので、その中には様々な性質を有した種類の石・岩が含まれます。

じゃあ、笠置の奇岩はどうやってできたの?

笠置の奇岩は、おもに「花崗岩」に属するといわれます。花崗岩は、深成岩のひとつです。

火山岩と、深成岩は、その色味(含有する鉄分)によって3種類ずつに分けて分類されます。

【色味による分類】白⇔黒
・火山岩:流紋岩ー安山岩ー玄武岩
・深成岩:花崗岩ー閃緑岩ー斑レイ岩

ですので、花崗岩は、「深成岩のうち黒っぽい」ものを指す言葉です。

ではなぜ、笠置では奇妙な形の花崗岩が多く産出されているのでしょうか?
それは、近くを流れる "木津川" にヒントがあると考えられます。

木津川はかつて「表成谷」でした。表成谷は、基盤岩石の構造と無関係に堆積面や侵食によって生じた傾斜方向に形成される渓谷のことで、それにより川が徐々に笠置の方向へ進出してきたと考えられます。

そして、花崗岩は深成岩に分類されますので、かつては地下で形成された岩石です。それが表に出てきているということは、風、雨等の浸食によって表層が削られて、地表に出てきたと考えられます。

このように花崗岩が表層へ出てくる原因となった浸食と、木津川の進出による水圧等によって、現在奇岩よばれるほど奇妙な造形を有する笠置の巨石群が形成されてきたと思われます。またかつて地下にあったものが削られてできてきたということを考えると、人が決して岩を運んで登れないほどの高度にある山頂に、奇岩群が存在していることも納得できます。

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今回は専門でない地質学の問題を考えてみました。
専門出ないので、妄想的な部分も入り込んでいるかもしれませんが、やはり新しいことを勉強するのは楽しいですね!

もし何か調査トピックのリクエスト等あればメッセージ下さればうれしいです!!

こちらの内容はPodcastでも、語っています。1/24月にアップロード予定ですので、お楽しみに
https://t.co/3g5U7ZxdFJ?amp=1

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