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七夕と星巻く夜空|写真×エッセイ

七夕

七月七日 

神様
それらに、自分の願いを伝えていい日。
わくわくした気持ちで笹を用意して、短冊を作り、飾りを作る。
私は真剣に願い事を考える。
もしかしたら本当に聞いてくれているかもしれないなどと期待しながら。

願いを聞くものはいるか。空の宇宙の遥か遠くに目を凝らす。
それは超自然的なものでありながら、科学や論理の議論に存在を垣間見ることがある。
現在とは未来の何かによって導かれているものだとして、すると私が今日その願い事をすることには意味があるのかもしれない。
ほんの少しでもその現象に触れられないだろうかと、真剣に懸命に考える。
星の光が数万数億年前から届くものなら、私は数万数億年後から星へ届く未来の視線だ。
時がそれほど曖昧なものなのであれば、今私が星へ捧げた祈りが未来の何かを変えることなど容易い気がしてこないだろうか。
それはふとまるで耳打ちしたみたいに、心を導くこともある。
遠い国の、顔も知らないけれど、互いに尊敬し合う友人がいる。彼女は私に胸の内の不安をこっそり打ち明けてくれた。しばらく忘れていたけど、彼女はきっと今もまだその不安の中にいるのだ。
短冊に彼女の不安が消えることを願う一文を書いて、笹の葉に吊るし、窓を開けた。
あいにく曇りで、星は見えなかったけど、雲などただの水蒸気の塊なのだから、私の願いを遮る力などありはしないのだ。願いは真っ直ぐ天の川の辺りへと届く。全て、願った通りになるだろう。紙に書いた願いの一つ一つは、人智を超越した、人には想像し得ない何かによって、成就する。絶対に。
今日はそう考えていい日だ。
年に一度、そう信じていい日だ。

そういえば、七夕にはそうめんを食べるらしい。短冊を眺めながら天の川に見立てたそうめんをいただこうか。

ポラロイド写真「星巻く夜空」

夜空っぽい写真を撮ろうと思ったら、面白い写真になった。
これは水だけど、水は海はやはり宇宙に似ている。

星巻く夜空1

星巻く夜空2

次回の写真×エッセイ

雑貨、アートのエッセイや書評を毎週日、水に投稿します。
次回は絵画を学ぶ美しい本について。

それではまた。

2021年7月7日 雨星立夏


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