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訪問リハビリを、実りあるものにするために。

在宅の作業療法士は、とても行うことが幅広く、若いうちは何をやっていけばいいのかとても迷います。

病院時代に行っていた、身体の機能訓練や認知機能訓練、トイレや食事動作といった日常生活動作訓練を行なっている作業療法士を多く見かけます。

特に、少しでも筋力維持をすること等、ほぼ無目的な作業療法を見ていると、とても悲しくなる。。。

在宅でのリハビリは、悩み、落ち込み、目的もないまま続くことが多く、支援者はとても悩む。その状態が辛く感じるようになり、訪問リハビリを去っていってしまうセラピストも少なくはない。

今回、私もずっと苦しんでいた経験から、事例を通して得た、訪問リハビリで大切なことを、1つ書いてみたいと思います。

訪問リハビリは。

『何を提供するか』ではなく、
『何を掴むか』が大切!!!

とても多くの現場でみかけることは、

何かを提供することばかりに意識が向き、
リハビリ時間内にできることを優先してしまう

 だからこそ、表面的な浅い評価のまま、その評価に対する訓練内容を実施してしまうことが多くある。   
 その状態が続いていくと、リハビリスタッフや本人も何をやっているのか分からなくなり、漫然と続くリハビリになりやすい。

 特に、精神障害の方や高次脳機能障害の方、終末期の方など目には見えないところのリハビリテーションを行うときには、『特に何を掴むか』を大切にしている。

具体的には例を挙げてみます。

維持期の統合失調症の方で例を挙げてみます。
初回訪問前の情報収集の中で、
「この方、家に閉じこもっているんだよ。外に出さないとね」という、他部門からの情報あり。
 しかし、「なぜ?」というところを聞いてみると、「外が怖いんじゃん」という、曖昧な返答。
 結局、訪問をし会話を続ける中で、

『聴覚過敏で、信号機の音(視覚障害の方向け)がうるさすぎて歩けない』
ということが分かり、ヘッドホンをしたり、バスの練習を実施して、
自宅の外へ出られるようになった!

こうした状況はとても多く、
曖昧で何をやるか、または、表面的な行動に目が行きすぎている。

その方にとって、
『なぜその苦しさがあるのか』
を、まず考えられる
作業療法士でありたい。


漫然とした支援にならないよう、
本人にとって実りある支援に……

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