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光の方へ

最近のことを。

以前、ここでUSJで予定を立てなさすぎて怒られたことを書いたが本当に私はそういったことが苦手である。
というか向こうで何か探せばとか成り行きでいいんじゃないかというのが旅行に対してはあった。

去年の札幌に1人で行った時のこと。
また、行く場所だけ決めて着いてから何か探せばいい。
なんて安直な気持ちで着いたのも束の間、意を決して入った居酒屋の店主と話をする中で「札幌は何かありますか?」と聞くと店主から「札幌は何にもないですよ。食べることぐらいしか。」と言われあんぐり。
少し気を落としている私に店主は「札幌から電車で行けるとこなら小樽とかがいいですよ。」と勧められて嬉しくなり、「明日行ってみます。終わったらまたここに来ますね。」と私は言った。
しかし、「すいません。明日定休日で…。」と苦笑いを浮かべながら言ってきた。

そんな次の日小樽に行けば大雨で波は荒れまくり。モチベも下り、さながら寒い。ガラスの館に入っても何がどうという感情は全く出てこなかった。魚市場で美味しい海鮮丼を食べ、おたる水族館に行く。

満喫したいという気持ちより、早く帰りたいという気持ちの方が上回っていた。

最終日に帰る前に北海道神宮に行ってみる。
神社なんかで雨雲の少ない中、小降りの雨が降るとどこか神々しくも思える。

参拝を済ませて御神籤を引いてみる。
旅行の欄には遠出はするなと書かれていた。
こちとら最終日だぞ。

飛行機に乗り東京に着いたと同時に窓の外は豪雨。

なんかなぁ。と思った。

そして、今年。
今年もどっか行くかなぁ。と思い決めた先は香川。なぜ香川なのか。
目的はおそらく9割の方が想像できるであろう【うどん】である。
うどんを巡る。これには理由がある。話せば長くもならない理由。水曜どうでしょうという番組で回ったうどんを食べてみたい。ただ、それだけ。
また、水曜どうでしょうではよく深夜バスに乗る。長距離深夜バスはやばいということをテレビ越しに訴えるシーンが多い。
どれだけ辛いのか。これは身を呈さないとわからないだろうと思い東京発→香川(丸亀市)着の深夜バスのチケットを取った。

去年の札幌旅行と違ってやること、したいことを混ぜた香川旅行はなぜかドキドキした。

そういえば、Light House で若様が言ってた

行きたい場所は
自分で作るしかない。


というのはこれのことなのかな。
と勝手に重ね合わせたりしてバスに乗り込む。

深夜バスの仕様をあまり分からないまま、シートを少しだけ、ほんの少しだけ倒して他の人が乗り込むのを横目に見る。満席になったのを確認した運転手がアナウンスをする。その時私の席の後ろにも座っている人がいたが私は「すいません。もっと倒していいですか?」と言えずバスは12時間のドライブへ重い体を起こし動き始めてしまった。

あぁ…。まぁなんとかなるかな。大丈夫だろう。という思いのまま消灯の時間になる。

寝る体勢をきちんと取れない。それに加えて違うところから攻撃を受ける。エアコンの風が異常なまでに冷たい。猛暑が続く季節で皆半袖だ。私も半袖だ。しかし、この寒さは家にいた時でも体験しない温度である。

途中のPAで周りも「エアコン寒すぎない?」
とざわざわしている。

私はPAから出発後、バッグからおもむろに寝巻き(半袖)を取り出し半袖を重ね着した。
しかし、腕は剥き出しなので腕をシャツの中に入れて寝ることにした。

夜の21時発。翌朝の9時。
12時間のドライブを経て私の腰は悲鳴をあげていた。そこの読んでくれている方。一度試していただきたい。

9時30分。レンタカーを借りる。有名なレンタカーではなく、うどんMAPというの借りられる地方のレンタカー屋を選んだ。

そのうどんMAPに載っている最初のお店はやっているはずなのに着いたら臨時休業。

なんだよ!!ふざけんなよ!!


と思ったがなぜか楽しい。

次の店に着き、うどんを注文して食べる。これが香川のうどんか!!うまい!!えっ!?規格外?の麺タダで持って帰れるの?すげぇ!!と興奮して店を出たがそこで違和感を覚える。

あれ?この店うどんMAPに載ってた店だったか?車に戻り調べたら道路を挟んで向かい側の店がうどんMAPに載っている店だった。

こんなことでは狼狽えないぞ!!と向かい側の店にすぐ向かい2杯目をたいらげる。

どうだ30分で2杯食べてやったぞ。

3件目は11時開店か。現在時刻は10時30分。
今から行けば10時50分には着くな。

私は1時間で3杯を食べた。

しかし、巡ることが楽しくなっている私には向かうところ敵なしだった。

結局、6時間で丸亀市近辺で行けるお店5店舗5杯を食べた。
(麺処綿谷、中村うどん、丸亀渡辺、日の出製麺所、うどん本陣山田家)

流石に腹は膨れ上がりもう食べれない。
そうだ。水曜どうでしょうで八十八ケ所の寺を巡っていたし、一つぐらい寺に行っておこう。
そう思った私は山田家から行けそうな寺を調べる。
その寺は八十八ケ番札所大窪寺。
本堂で参拝を済ませた後、本堂の目の前にセルフ式の各祈願が込められた太めの線香を立てられる場所があったので金運向上と身体安全の線香を購入。
火をつけ香炉に立てようとするがこれがなかなか火がつかない。金運向上はなんとか火がつき立てられたが身体安全に火がつかない。
その時だった。香炉に立てた状態から火をつけようとしたのが裏目に出て、線香の体勢は崩れ香炉の灰の中に埋もれてしまった。灰を被った線香に火はもうつかない。バチが当たる。それは承知で身体安全は香炉に火もつけられず刺したまま後を去った。

大窪寺からホテルまでの間雲の隙間から夕日が差し、そこに小雨が降る。札幌の時と状況は似ているが神々しさが全く違った。感動する程だった。

ホテルに帰り、近くの居酒屋で晩酌をし、お風呂を済ませ部屋に戻った夜23時頃私は深夜バスから車を運転し続けたから体調を崩す。悪寒が止まらなくなる。大窪寺で身体安全に火をつけられなかったからだ。これは。

しかし、翌朝になると体調は元に戻っていた。
なんだったんだろうか。本当に仏様が…。

とかなんとか思いつつ、昨日行けなかったうどん屋(山越)を最後に回って東京に帰ってきたのであった。

長々と書いたが何が言いたいのかと言うと目的というのはある程度決まっている方がそこに向かうまでに何が起こるんだろうかというドキドキやワクワクが楽しくさせてくれるんだということ。
少なからず私にはそっちの方が向いていると言うこと。

・深夜バス
・うどん巡り

行ったことない場所に行くにもそこで何がしたいのか。これだけでも決めて行けば私の感度は全然違かった。すごく楽しかったのだ。

光の方へ。

天気雨の中まるで誘われているような道中で見たあの神々しい光。

わたしは光をにぎっている。

また、未経験の光を探したい。


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