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生きづらかった医学生時代

医学部にはびこる謎の言い伝え、「みんなと同じようにやっていれば大丈夫。」
この言葉が、私の元来の「他人の目を気にする性格」を加速させた。


自分は、努力しているところを他人に見られるのが本当に嫌だった。
必死にやってるくせに失敗して、他人に笑われたりすることが死ぬほど恥ずかしいことだと思っていた。

でも、勉強出来ないヤツ…とは思われたくない。
「なんか飄々としてるけど要領良く試験はこなす、ポテンシャルが高い人」と思われたくて必死だった。

なので、試験勉強は大学の図書館ではせず(皆に見られるから)、家や深夜のネカフェ、車で1時間以上離れたところのスタバ(近所のスタバは同級生がいる可能性がある)でやっていた。

3年生か4年生の時。
授業の教室が変わり、後ろの席ほど床が高くなっていくタイプの部屋

こういうやつね


になった。
こうなると、後ろの席の方が視点が高くなるので、
前の席の机の上が丸見えになる。
試験日程に比して早めに勉強していると「今その科目の勉強してるの!」と言われたり、逆に自分も周りの席の人が何をやっているのか気になって仕方なくなり、講義室に居るのがかなりキツくなった。

常に他人から監視されているような気分。
自分も勝手に他人と比べて、焦ってしまう。


この時、あと一歩進んでいれば、自分は何かの精神障害を発症してもおかしくなかった…と思う。

出席だけ取ったらこっそり講義室を抜け出し、違う学部のラウンジに行って勉強していた。

そして6年生。
自分の大学は6年生になると「勉強部屋」というものが与えられる。
数人のグループごとに部屋(といってもでかい部屋をパーテーションで区切っただけ)が与えられ、皆は毎日そこで勉強し、お互い進捗を報告し励まし合う…のだろう、本来は。

努力してるところを見られたくない上
他人が頑張ってるのをみると焦りだけ湧いて何も手につかなくなる私と勉強部屋の相性は最悪で、結局国試まで勉強部屋は一度も行かなかった。

毎日30km以上離れたスタバに車で片道1時間かけて行ったり、隣の市の自習室みたいなとこに行ったり。

そこまでして自分の心を守るのに必死だった。


大学を卒業し、少し離れた地で人間関係をリセットして働き始め、
ほぼ毎月職場(科)が変わるという環境もあり、
長年私を苦しめていた「他人の目を気にする」傾向は少し改善された気がする。
人間関係が流動的になったし、仕事の関係なのでお互いある程度気を遣い合って関わってくれる。

大学時代は、人間関係もほぼ6年間で固定だったし、田舎の大学だったのでコミュニティも狭く、一度やらかすと噂は一瞬で広まり…という環境だったのもあり、余計に辛かった。

今、振り返ると、勝手に自分で制約を設けてすごく苦しんでいたなあ
と思う。

もし同じような人がいれば、
月並みですが
環境が変わるとかなり生きやすくなるよ、と伝えたい。

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