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五感が研ぎ澄まされる感覚は登山でしか味わえません。

現在62歳の私の趣味は週末の船釣りと登山。

登山と言っても富山県内の中低山(標高600m~1,500m)を日帰りで行くレベルです。むしろトレッキングでしょうか。

中低山でも山登りは辛いししんどいです。

急登場所をロープ伝いに登り切った際は、口から心臓が飛び出そうになるくらい呼吸が苦しくなります。

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小休止して、ゼイゼイと息を整えていると、頭の中が真っ白になります。

そしてまた山頂を目指して歩き始めます。

うっそうと生い茂る、ヤブの中や暗い杉林地帯をただモクモクと進んでいる時間は、熊が出てこないかとか、いつまでこれが続くんだとか暗い気分になります。

でもそのうちにパッと視界が開けたり、太陽の光が射し込んできた際には気分も明るくなります。

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しかしまた辛いキツイ登り坂が出てきます。

ヤマップアプリを見ながら、やっとここまでかとか、あと何分で頂上だとか、自分の軌跡を目で追い、そして足を前に出します。

登山を始めたのが40代後半。そのころはまだ体力にも自信があり、3,000m級も日帰りで行けると自信もありました。

あれから20年、昨年、5年間のタイ駐在から帰国し山登りを再開したのですが、体力の無さに落胆するばかりで、3,000m級の山などムリムリでした。

年齢と共に辛いしんどい山登りではなく、森林浴みたいにゆっくり登る山登りが今の自分には合っていると考えるようになりました。

富山の中低山でも山頂まで片道1時間から2時間かかります。

前述したように、呼吸困難となり、無の状態から、なんでこんな苦しい思いをするのかという後悔の気持ち、そして視界が開けるなど爽やかな気分、この何度かの繰り返しの内に山頂に到着します。

晴天時の山頂の大パノラマが、その日の最高の神様からのプレゼントとなります。

たいがいはソロ登山です。

途中の話し相手は、人ではなく自然です。

静かな山の中を自分一人だけで歩いている。

辛くても歩みを進めなければ山頂に着かない。

足元の岩や木の根、ぬかり場に一歩一歩に最新の注意を払いながら歩きます。

五感が研ぎ澄まされるとは、極度に集中しているこの瞬間瞬間の寄せ集めの時間に経験する感覚です。

五感の全てを全集中で使いながら、自分の身を守りつつ、目的地に向かう。

日常生活では味わえない感覚がそこにあります。

坂を登っている時は、森林浴とは言いましたが、風景を楽しむ時間などありません。

五感を研ぎ澄まし、全集中して一歩一歩進む。

一人きりの自分に正直に向き合う時間でもあるのです。

たった一人だけで自分に正直に向き合う時間なのです。

今、この時間だけが自分の一度切りしかない人生の一コマ。

そして山頂。

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達成感、爽快感、精神の開放を味わえるのです。

心が震え、心が動く瞬間です。

苦しかったけど来てよかった!と、心からそう思うのです。

山登りはスポーツというより、自然との対話の場、自分との対話の場、

新しい自分を発見する場、肉体的・精神的機能を呼び覚ます場です。

登山の魅力はと問われると、一言では言えません。

でも自分にとっては、『行かねばならない場所』なのです。

そして毎回新しい学びを得るのです。

皆さんも山登りを始められたらいかがですか?

きっと新しい自分に出会えますよ。

そんじゃまたね。

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