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初登山から見えた景色
2022年9月、初めての本格登山に挑戦した。
長野県の唐松岳という山に登った。
私自身が登山が好きというわけではなく、誘われた時に時々着いていく感じだ。
それまでもハイキングレベルの小山は登った経験があったが、本格的な登山は唐松岳が初めてだった。
登山当日。
登りは小雨が降っていて、真っ白な霧の中を進んだ。景色が全く見えない上に初めての長時間登山で、かなり苦しくつらかった。
何度も途中で引き返そうと思った。
でも、引き返そうかと考えると同時に、きっと途中で引き返したことをずっと後悔するだろうと感じていた。残念ながらそういう性格だ。
4時間かけて頂上まで登り、着いたときには疲れ果てていた。
ひとまず山小屋で一眠りすることにした。
疲労と達成感で一眠りの枠を超えるほどぐっすり眠り、目が覚めるとそこには別世界が広がっていた。
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太陽の光に照れされ、山の形はくっきりと見え、海のように雲がずっと続いていた。
周りが雲に覆われた山は海に浮かぶ島のようだった。
初めてみた雲海は想像よりも壮大で、もっと直近で見られないかと山荘を飛び出した。
土の感触を踏みして、風を感じて歩きながらどこまでも続く景色を楽しんだ。
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しばらく歩いて、ふと来た道を振り返った。
改めてすごいところに宿があるなあと思った。
建てた人たちは偉大だ。
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一番高いところまで歩いて夕日が沈む様子を眺めた。オレンジ色の夕日に照らされている雲と、空のグラデーションを眺めながら、嫌なことは忘れてずっとこの景色を見ていたいなあと黄昏れた。
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夜には星を見に行った。
星は空に全面に輝いていて、瞬きする時間が惜しいほどだった。
満天の星とはまさにこのことだと思った。
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次の日、早朝5時、朝日を拝むために早起きして山頂まで向かった。
前日の疲れと日焼けもあっていつもより体がとても重く感じた。
重い体に鞭を打って、山頂まで歩いた。山頂でしばらく待っていると太陽が顔を見せ始めた。
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同じ太陽なのに夕日とは異なって見えた。雲の下からゆっくり登ってくる太陽を見ていると、自分の心も照らされていくように感じた。
眠い、疲れたという気持ちが薄らぎ、1日の始まる瞬間を感動と共に迎えられた。
コーヒーを飲みながら朝日を楽しんだ後で、下山した。そして、私の初登山は終わりを迎えた。
初めての本格登山はつらい時間も長かったが、初めて見た景色はずっと心に残っている。
どんな挑戦にもつらく苦しい時間はあるが、新しい景色が見られることはきっと自分にプラスになる。
登山を通してそんなことを考えた。
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