絵本とわたし
娘とわたしが毎月楽しみにしているものがある。
それは絵本だ。
子どもの頃、両親がわたしの本棚を絵本でいっぱいにしてくれていた。それを読むのも、読んでもらうのも大好きだった。
娘が生まれた時、その絵本を娘にプレゼントしたいと思ったが、残念ながら全て捨てられていた。(母はどんどん物を捨ててしまうのだ。)
そんな母も絵本に関しては『なんで捨てちゃったのかしらねぇ。でも、孫が出来るなんて期待してなかったから。』などと若干失礼なことを言いながら嘆いている。
娘のために自分で絵本を選んで買ってもよかったのだが、産院で知り合ったお母さんに「絵本の定期購読」というものを教えてもらった。
『月齢に合った良書を届けてくれるのはありがたいなぁ。自分で買いたい絵本は自分で追加で買えば良いし、やってみようかな。』
それから、毎月2冊絵本が届くようになった。
娘は集中して聞いていられないことも多かったが、楽しそうにはしていたので、毎日寝る前に絵本を読んでいた。
気づけば寝る前の絵本タイムが儀式となって定着し、どんなに夜遅かろうが、旅先だろうが関係なく、毎日「読んで読んで」と絵本を持ってくるようになった。娘は絵本が大好き。
絵本タイムはわたしにとっても大切な時間になっている。
わたしは娘が1歳の時にフルタイムの仕事に復帰した。毎日目の回るような忙しさで余裕もなく、娘にやさしく出来ない日が多くなった。
でも、絵本だけは毎日欠かさず読んでいた。そうすることで、娘との楽しい時間をなんとか取り戻そうとしていた。自己満足かもしれないけど、『ちゃんと子育てしてるよ』って思いたかったのかもしれない。
それから月日が流れ、最近では『なつかしいなぁ』『へーこんな絵本あるんだぁ』『この絵本好きだなぁ』と思うことが増え、とても楽しい。
わたしが子どもの頃、いつも忙しそうで、時に怖いと思うこともあった母が絵本を読んでくれた時の、あのなんともうれしい、安心できた気持ちを思い出したりもする。
こうして6年の間に、娘の本棚は絵本でいっぱいになってきた。これから大きくなっていけば、自分で本屋さんや図書館で本を選ぶことも増えるだろう。それでも、この絵本のプレゼントは出来るだけ続けたいと思っている。自分では選ばないような、知らなかった素敵な絵本に出会えるかもしれないから。
そして、絵本は捨てずにとっておきたい。(わたしも母に負けず劣らずポンポン捨ててしまう方だけど。)
「はやくママになりたい!女の子がいいなぁ。なまえはねぇ・・・」と楽しそうに話す娘の未来の赤ちゃんに、読んであげられるといいねと思う。
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