rainbow_art

rainbow_art

最近の記事

ゲームとしての絵画

○ ◎ ○ ◎ この記事の要約 ○ ◎ ○ ◎ ・ 地図は「自分のいる場所の確定」という認識を与えている。地図の一般化は人間に自分自身と世界との安定した位置関係を与えてくれた。地図という名の絵画は人間心理に最も影響を与えているビジュアルメディアだ。 ・ ほぼ全ての宗教が人間の住むこの宇宙の構造を合理的に説明しようとして象や亀に支えられる大地やドームのような天空など冗談としか思えないような宇宙像もあり、こんなものでも現在の地図と同じように、人々は自分のいる位置を確認し安心

    • 時間表現への挑戦

      ○ ◎ ○ ◎ この記事の要約 ○ ◎ ○ ◎ ・時間が量として空間の位置関係と同次元で考えられるようになったのは科学技術文明の成果だった、そしてこのことは普遍的、科学的な時間とは別にパーソナルで感覚的な時間があることを気づかせた(数学的な速度とは無関係にスピード感が存在する。ジェット機よりバイクの方がスピード狂向きだったり、嫌な会議はゆっくりしか進まない)。交通機関の進歩と繁雑になる社会生活が、人々に客観的と主観的というふた通りの時間の存在を自覚させた。 ・リアリズム

      • 写真の発明と印象派

        ○ ◎ ○ ◎ この記事の要約 ○ ◎ ○ ◎ ・写真の発達により19世紀の中頃の人々は、すでに私たちと同じようなやり方で世界を知るようになっていた ・19世紀、科学技術のビジュアルが情報収集の方法に新しいコンセプトを持ち込んだ=リアリズム、実証主義 ・写真の発明により話や絵は誰かの主観が入っているので不正確な情報であり、写真やビデオなど客観的情報ほど信頼性が高いという認識になった=19世紀の科学主義と写真の登場は、それまでの絵画を絵空事にした ・ところがリアリズム

        • 画家と科学とパトロン(産業革命前後)

          ○ ◎ ○ ◎ この記事の要約 ○ ◎ ○ ◎ ・美術(=art)は産業革命が起こる頃まで科学の一分野でもあった ・レオナルド・ダ・ビンチなど昔の画家たちは美術を視覚と表現材料の科学として捉えていた(=自然景観の研究、人体解剖学、遠近法などの数学法則の研究、etc、、、有能な博物学者としての観察眼が求められた) ・画家たちは科学の子であったばかりでなく、魔術師や錬金術師の領域に踏み込む職種だった(=色を作り出し、黄金分割で画面構成の比率を割り出したり、遠近法で平面の上

        ゲームとしての絵画