[映画]雨に唄えば

 今夜のU-NEXTは『雨に唄えば』。1952年の作品。

 大変有名なミュージカル作品、なのに未見であった。あまりにも有名なあの曲だけは知っていたけれど、これがどういうお話の作品なのか、今日に至るまで知らなかった。

 これは映画がサイレントからトーキーに変わっていくそのころを描いたミュージカル・コメディなのであった。底抜けに楽しいミュージカルで、主人公を演じるジーン・ケリーとその相棒ドナルド・オコナーの動きが尋常ではない。ほとんどアクロバットみたいなタップダンスを披露するのだけれど信じがたい身体能力なのだ。

 初めてのトーキー映画の撮影に戸惑いながら奮闘するキャラクタたちのドタバタがひたすら楽しい。ストレートプレイの部分はコミカルな芝居で笑わせ、ミュージカルパートに入ると驚異的な振りつけで度肝を抜かれる。最も有名なあの曲しか知らなかったけれど、この作品は大笑いのコメディだったのだ。その有名な歌「雨に唄えば」のシーンさえ、「ちょっと雨降りすぎじゃない?」と思うぐらい土砂降りで、まさかこんなに土砂降りの中でずぶ濡れになりながら踊って唄うとは知らなかった。

 そこからのクライマックスはもう超展開。制作途中で雲行きが怪しくなった映画をほとんどゼロから作り直す。当初のものはどこへ行ったのかというぐらいに全く違うものになっていくのだけれど、そこここにミュージカルの楽しさが満ちている。

 とにかく楽しいし、出演者がみんな絵になる。映画ってエンターテイメントなのだなぁと改めて感じる作品であった。

 余談だがここでキャシーというヒロインを演じているデビー・レイノルズはスターウォーズのレイア姫でおなじみのキャリー・フィッシャーのお母さん。そしてなんと、キャリー・フィッシャーが亡くなった翌日にデビー・レイノルズも亡くなったのであった…。事実は映画よりもなんとやら。

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