[小説]『おれの秘密』を公開しました

 作品をアップしているNOVEL DAYS というサイトで、「大人が楽しめる骨太小説」というコンテストが開かれたので、それに出すための作品を書き下ろしました。

 コンテストのお題は「大人が楽しめる骨太小説」で、概要には

大人が読んで楽しめる本格的なストーリー志向の小説作品を募集します。練りこまれた設定と見事な構成で、読む者の心をつかんで離さない作品をお待ちしています!

とあります。練り込まれた設定、見事な構成。

 これを見て、私は「そうだ、ややこしい話を書こう」と思いました。この時点ですでにいろいろなものを間違ったような気もしますが、とりあえずわけのわからない話を、いくつかの世界を横断するようなやつを書こうと考え、ノートにぐじゃぐじゃと構想を練り始めました。

 ええそうです。文字通り、設定を練り込み始めたのです。ノートの上でぐじゃぐじゃと。

 ほどなく、なかなか面白そうな設定が見えてきました。ちょっと書いてみて、ダメだなこれは、と思いました。

 さらに練り込みました。また違うものが見えてきました。ちょっと書いてみて、ダメだなこれは、と思いました。

 ダメなのは話が地味すぎたり、大長編になりそうだったり、理由はいろいろですが共通して「ダメだな」という匂いがありました。でも面白い構想ではあるのでノートの中に温めておきます。またの機会に書くべく。

 さてそのようにして設定を練り練りして、次は「見事な構成」を考えました。ほどなく「見事な」がどこかへ消え去り、構成、構成、ややこしい構成、という具合に目的がすり替わっていきました。

 結局書き始めるまでにけっこうな時間を要しましたが、最終的には75枚の短編を2日で書き上げました。厳密には2日で第一稿を上げ、そこから2日かけて大幅に手を入れました。

 「練り込まれた設定」で「見事な構成」の小説を目指したはずが、だいぶ狂ったものになりました。小説でないと表現できないものを書く、という自分的テーマは今回も満足な形で達成できたのではないかと自分では思っています。

 これが「骨太」と言えるのかよくわかりませんが、自分なりにはなかなかイカレたものが書けたのではないかと思っています。ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

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