4.失われた未来を求めて アニメ感想

 こんにちは、Rainです
 今回のアニメ感想は「失われた未来を求めて」です
 このアニメは2014年ごろに放送していたアニメで、原作は18禁ゲームなので若干のお色気要素はありますがそこまでエロを重視しているアニメではありません
 個人的にこの作品は大好きで昔から語りたいと思っていたのですが、何故か出会ったアニオタ全員が見てなったり、配信サイトで取り扱っていないことが多く見るハードルが高いことで満足に語れたことがなかったのでここで語れたらと思います
 アニメ最終回までのネタバレを含みます


 この作品は文化祭直前の内浜学園を舞台にした作品でその学園の天文学会(天文部)のメンバーを中心に話が進んでいきます
 アニメ1話では詳しく説明されないのですが、天文学会が学生会(生徒会)から文化祭目前で文化部と運動部とのトラブルが増えてきていることを相談され、対応を依頼されているところから始まります
 主人公秋山奏はヒロインである佐々木佳織は幼馴染で同じ天文学会のメンバーで、奏は文化祭を目前に控えたある日佳織から告白を受けます
 しかし、奏はそこで答えを出すことが出来ず、佳織も返事は後でいいとその日は一人で先に帰ってしまいます
 その帰り道、佳織はバスに引かれて意識不明の重体に……
 緊急搬送され、病院でショックを受ける天文学会部員たち、待合室で何もできず立ち尽くす奏、そしてEDが流れる


 EDが流れると同時にそこには佳織を含む天文学会の部員たちが勢ぞろいし文化祭の出し物について”何事もなかったかのように話し合う姿”がそこにはあった、まるで時間が戻ったかのように同じ映像が流れる
 しかし、突如地震のような大きな揺れが起こり、被害を確認しようと校内の探索に出た奏はあるものを見つける
 崩れた荷物の中に裸の少女が横たわっていた
 少女の名は古川ゆい、名前以外の記憶が欠落していてなぜ校内で横たわっていたのか、自分が何者なのかわからない様子であった


 ゆいは天文学会の部員で部長凪沙の計らいで内浜学園に転校という形で通うことになり天文学会の文化祭の出し物の手伝いをすることになるのだが、同時期に「幽霊事件」と呼ばれる幽霊を見たという生徒が多数出る事件が起こる
 天文学会はこれを調査することになるのだが大した情報を得られずに時間だけが立っていく、その最中ゆいは部室にある黒い箱のようなものに触れることで記憶を取り戻すことになる
 記憶を取り戻したゆいは第1話の事故のことを知っているようで天文学会と共に行動しながら事故の原因になりそうなものから佳織を遠ざけるように動くようになっていく
 それと同時に佳織と奏の二人を取り持とうと動くようになるが、奏との距離も近づいてしまい佳織から嫉妬を向けられるようになってしまう 


 10月13日、事故前日の日、奏は佳織から告白されることになるが、返事は1話同様に保留に
 ゆいは14日の事故を防ぐために一緒に帰る約束をするが、奏が佳織から告白されたことを問い詰めているところを佳織に見られてしまい、嫉妬から佳織は先に帰ってしまう
 これに気づいたゆいは先回りして事故現場に向かうが、佳織は思い直して一度天文学会に寄っていた
 すれ違う二人、進む時間、確実に近づく運命、変えられない未来
 その日、ゆいの努力は虚しくも無駄に終わった


 そしてときは未来へ
 佳織が事故に遭い、意識不明の重体になった14年後
 それぞれが未来を進む中、奏は佳織の事故から立ち直れないでいた
 佳織の意識を戻すのは現代医療では不可能であったために奏、凪沙、佳織の母は研究者になっていた
 事故を防ごうとしていたゆいは佳織が事故に遭った日に電源が切れたように眠りにつき、そのまま佳織と同じように起きることはなかった
 進まない研究、過ぎていく時間の中、奏は佳織を救う手がかりが突然現れたゆいにあるのではと考え、ゆいの体を調べることを決意する


 ゆいの体を調べてわかったことは、ゆいが人間ではないということだった
 ゆいは人間に近い機能を有した人工知能であり、アンドロイドだった
 当時の技術ではゆいを製造することは不可能だと考えた奏はゆいが未来で作られたアンドロイドであると考える
 そしてそれを作ったのが自分であることも
 奏はゆいを作り、過去に送ることで佳織の死を阻止しようと未来の自分たちがしていたことを確信し、過去に送るためにゆいを作り始める
 はじめは赤ん坊程度の知能しかなかったゆいを時間をかけて育て、そして過去に送ることに成功する
 そう、過去自身と共にゆいが現れたあの日へと


 過去に送られたゆいは事故の原因になりそうなものを只管排除しようと動く、さりげなく誘導したり、時に強引に事故現場に生かせないようにしたり、どんな手を使ってでも事故を防ごうとした
 何度も何度も繰り返し事故をなくそうと奮闘し続けたが、結果はすべて失敗に終わる
 何度繰り返しても同じ日同じ時間に佳織は事故に遭った
 そして未来で奏に作られゆいは何度も過去に送られることになる
 佳織が事故に遭わない未来を作るために


 何度も繰り返す中でゆいはループの原因を告白の返事であると考え、焦りの中で奏と佳織をくっつけるために過激な行動をし始める
 しかし、その行動が裏目に出てしまい奏は次第にゆいに惹かれていくことになる、そしてゆいも同じように…
 佳織を救うために生まれたゆいは自分の使命と自分の奏との好意で板挟みになっていく
 佳織を救うという存在意義ともいえる部分を捨てることもできず、自分の中で大きくなっていく想い
 それでも佳織を救うために行動していくが、遂には奏から告白されてしまう
 佳織も奏のゆいへの好意に気づき始めていた
 答えを出すことが出来ないゆい、そして近づく運命の日
 10月14日、どうすればいいかわからなくなっていくゆい、そして決意を決めた佳織
 事故当日、佳織は1話と同じ時間場所で奏に告白をする
 その日、未来が変わった


 この作品の魅力はゆいの存在にあります
 佳織を救うために作られたゆい、佳織を救うためにゆいを作った奏
 あの日の告白の返事をするためだけに未来を変えようとした奏が望んだ未来ではなかったのかもしれない
 救われた世界が本当に見たかった世界じゃないのかもしれない
 未来の自分が作りたかった世界じゃないかもしれない
 それでも、そうしなきゃ救われない、作れない未来があった
 そのためにゆいは何度も何度も繰り返した
 佳織を救った世界に自分はいないとわかっていたのに
 佳織を救ったから会えない人がいる、佳織を救ったから生まれない人がいる
 救ってしまったから消えた人がいる
 望んでしまったから掴めなかった幸せがある
 未来を手に入れてしまったから、二度と会えない人がいる
 自分を作ってくれた親ともいえる人の為だったから頑張った、自分を一から育ててくれた人だから恋をした
 初めから諦めていた恋だった、自分は奏が置いてきた恋心を取り戻すための存在だとわかっていた
 だから救おうとした、実際に救って見せた
 その献身は諦めた恋が実ると同時に消えるものだった
 本当に悲しい、許せない終わり方だった
 世界で一番頑張った女の子が一番望んだものを手に入れた瞬間、そのすべてを奪い去る未来が許せなかった
 「失われた未来を求めて」という題名は多分佳織が生きている未来を求めているのだろうけど、個人的にはどうあっても最後には消えてしまうゆいに与えられなかった未来というもの含まれているのかなと思った

 今回はこの辺で終わりにしたいと思います
 私はハッピーエンド至上主義ですが、世の中そうもいかないことを知っているし、ご都合主義万歳のスタンスでいても作品としてそうならないことを知っています
 それでも奇跡のような結末をいつまでも待っています
 それでは次回もよろしくお願いします
 



 
 

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