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Zガンダム視聴記録 32

今日は第32話「謎のモビルスーツ」の感想を書きたいと思います。詳しいあらすじはこちらから。

レコア・ロンド少尉の闇は深いですね。先日紹介した「ガンダム人物列伝」にもありましたが、自分をぎりぎりの状態によってしか認識できず、最終的におろかな判断をしてしまうのって、それってなんかの病気かな?でも、いつも隣にいた人が、一瞬でいなくなる戦争をしているんだから、なんらかの精神的な病を発症してもおかしくはないような気もします。特に女性は。となると、エマ中尉がどれだけ芯の強い女性か分りますね。カミーユに関心をもたれたくないと啖呵を切るレコアさんは、もうシロッコと会う前のレコアさんとは違う人間になってしまっていた。ただ、よく分らないのは、それほどシロッコって男性として魅力的か???と私なんかは思ってしまうのだけれど・・・。変な髪型だし、不気味だしで。これで、なんかの信念があってあの不気味さをかもしているのであるならば、まだ分りますが、何の信念があるんだろうってちょっと疑問だった。・・・そんな疑問も「ガンダム人物列伝」に書いてあって、シロッコの目的は、「女性による世界統治」だそうだ。

はい、出ました。男性が「女性」を持ちあげることの胡散臭さに気付いた人は、この男の胡散臭さにも気付けると思う。ここテストに出るので覚えておいて下さい。

「女性」の活躍を「男性」が声高に叫ぶ時は、決まって男性にとって都合の良い女性なんだと思う。女性はそんな簡単なものではない。そしてそれに気付かなければ、いつまでたっても女性は「男性」が作り上げた「男性にとって都合の良い世界」で、「男性」の理想のお人形として「女性」を演じなければならない。女性が自立するためには、女性自らが、立ちあがり己の存在を認めなければならない。それがジェンダーを語ることのむずかしさだと思う。「世界」が男性によって「認められる」ことを最終的な目的としているから、いつまでたってもその地平線から出ることはないからだ。

だからこそ、女性は自らの言葉でもって、「世界」を語らなければならない。男性が作り上げた社会で男性の理想の女性を演じているだけでは、それは女性の真の自立ではないからだ。

ここに、男性が「女性の活躍」を語ってしまう、胡散臭さがある。その胡散臭さをパプティマス・シロッコという人物は持っていて、あろうことか、その罠に、たくさんの女性が巻き込まれていくのだ。

そう考えると、カミーユという人間は、周りにいる女性に救われながら、彼女たちを必死に救おうとした(というとまた宗教チックで語弊がありますが)真の男だと、分ってくる。

私がカミーユが大好きなのは、ここ。彼は女性を「利用」するのではなく、その繊細な感性からよりそい、同じ目線で語り合おうとする人間だ。だから、人が、女性が集まってくる。

フォウにしても、のちに再び登場するロザミアにしても、カミーユと関わらなければ「死」はなかったのかもしれない。でもそうして生きて行って強化人間として生きて行って、その先に幸福があったのだろうか?カミーユを守ることによって、その生を閉じられたのはある意味幸福だったのかもしれない。悲劇であることには変わりはないけれど。憎むべきは、そうやって人を「女性」をコントロールし「利用」する人間だ。

それではまた。

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