【読書】大人の雑学 西洋画家事典(好奇心は波及する。)

明けきってますね、おめでとうございます。
今年も月1くらいで、ゆるく書きます。

さて、今日の1冊はこちら。
「大人の雑学 西洋画家事典・人柄がわかるエピソードで楽しく読める!」
著:らち まゆみ

私自身美術に造詣が深いかというと、、、「いや、全く」。
絵や彫刻を見るのは好きです。
でも、綺麗なものを見るのは好きな人が多いですよね、程度の好きですw
だから、特に絵に興味があるわけではないのですが、この本はとても楽しく読めました。
内容はタイトルに偽りなし。
年代順に西洋の有名画家たちを一人一人エピソード付きで紹介されていて、この人物紹介が読んでいてとても楽しい!

以前の記事で、私が物語フリークであることは書いたように、私はとにかく物語を読むのが好きです。
物語の楽しみ方も人それぞれだと思いますが、私は特に「人物」への思い入れが深いタイプ。
いわゆる「推し」がその作品にいるかどうかで、その作品への思い入れはだいぶ変わるといって過言ではありません。
ストーリーそのものが面白ければもちろん楽しく読めるのですが、それ以上に好きなキャラクターがいるかどうかが私にとっては重要です。
一時期、美術館などにも足を運んだ経験がありますが、それも「白のフィオレンティーナ」という作品を読んで、ルネサンス期の画家たちに愛着を持ったのがきっかけでした。
私の「推し」は、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロに並ぶルネサンスの三大巨匠のひとりラファエロ様です。
ラファエロ様が好きで好きで、新婚旅行のイタリアでもラファエロ様の絵に出会う度に拝んだものです。
もちろん、この本にも3人はちゃんと紹介されています。
3人のページを読みながら、「白のフィオレンティーナ」を読み返したい気持ちに今なっています。

そんな「推し活」を日々の糧にしている私にとって、魅力的な画家達がたくさん紹介されているこの本は、美術史という大きな物語のファンブックのような印象です(全然知的な読み方をしていなくてすみません。らち先生怒らないでください)。
人気漫画とかで出したりするじゃないですか、ファンブック。
おおまかなストーリーや、登場人物の紹介、見せ場なんかを一冊にまとめた本。
ファンにはもちろんたまらない一冊なのですが、興味はあるけど、作品が長すぎて今から読むのは躊躇われる、、、そんな作品の入門書としても実はお役立ちなのがファンブックです。なんせ、作品の魅力がわかりやすく詰まってますから。
この本も同じように、西洋美術史の魅力が本当にわかりやすくギュッと詰まっているなと感じました。

本では15世紀~20世紀後半までを「ルネサンス・北方ルネサンス」、「バロック」、「新古典主義・ロマン主義」、「印象派・後期印象派」、「世紀末美術」、「キュビズム・近代美術」の6つの時期で章を分け、まず各章ごとにそれぞれがどんな時代だったかの歴史的背景と、それに伴いその時代の芸術の扱われ方や技法がどんなものだったのかの説明がなされます。
それから、その時代を代表する画家一人一人の紹介。
各画家にはキャッチコピーが冠されているのですが、それを読むだけでもその人物がどんな人だったのかが一目で分かる。著者のセンスの良さが光ってるなーと感じました。
画家紹介では、それぞれの生い立ちや画風の説明がなされていますが、平易な表現でとにかく読みやすい。技法等の専門用語には、ちゃんと注釈の説明がされているので、つまずくことなくサラサラ読めます。
そして、最後にその画家の代表作がカラーで紹介されており、その絵の見方も解説されています。
画家の名前を聞いても、作品の名前を聞いても「知らないなー」と思っていた人でも、絵を見ると「あ!見たことあるぞ」という作品が多く、絵を見た後もう一度人物紹介を読み返すのもまた楽しい。

余談ですが、この本で紹介されている代表作品のほとんどが、「あつまれどうぶつの森(あつ森)」でツネキチという美術商が売りに来ている作品で、「あつ森」さすがだな、と思いましたw
虫、魚、化石、美術に至るまで、知的好奇心の源の宝庫。
「あ、これ知ってる」と思うと人は嬉しくなるもので、そこからもっと知りたいという気持ちが膨らんだりもするので、本当に良いゲームだなと思います。実際、紹介されてる絵を見て「あ、あつ森で売ってたやつ!」と思うと、この人が描いた作品だったのかー、とよりその人物に興味が湧きました。

「大人の雑学」と銘打たれていますが、雑学って楽しいんですよね。
私は歴史にかなり疎い方なのですが、読んでいるとその時代背景がもっと知りたくなってきて、ちょっと今、歴史の勉強もしなおしたい気持ちになってきました。
この画家について、もっと知りたいなと思った人も何人かいたので、その人が登場する漫画や小説はないものか、とかも思ってみたり。
あっちゃんの「Youtube大学」のテーマが『学ぶって楽しい』ですが、本当にそうだなーと思います。
面白い。楽しい。その気持ちが、次の学びへと誘ってくれる。
好奇心って波及しますね。
絵についても、画家についても、歴史についても、もっと知りたい。
そんな気持ちに素直になれる一冊でした。

著者のらちさんは、Youtubeやラジオもなさっているそうなので、手始めに探して見たり聞いたりしてみようかなーと思います。


白のフィオレンティーナも読み返そうかな。。。


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