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「ばばい」の呪文

「ばばい」は突然やってくる


無意識だ 
思い出したくないこと
今日あった嫌なこと
うすら笑ってきた嫌な奴の顔
大事なところでかみかみだった恥ずかしいこと
今までの過去の失敗
痛さ全開で恰好つけてしまった過去

そういうものが頭に浮かんだ瞬間
口から

「ばばい」


とでてしまう
私はバイバイをばばいという癖があるからさよならの意味だ
一種の防御反応か、
思い出しくないことを頭の中から追い払う
呪文のようなものなんだろうと思うのだけれど
いい年したおばはんが
急に

「ばばい」

と言うのはいただけない
自転車に乗っていようが 電車に乗っていようが
歩いていようが 公共のトイレだろうが
会社だろうが おされなカフェだろうが
頭から排除したいことが浮かぶと
無意識に
ばばいの呪文が襲ってくるので油断できない

一番困るのは
冠婚葬祭や出張 会議中など
人前で大人をやらなければいけない時だ
見た目は大人 頭脳は子供 なので
意識を最大限集中して
「ばばい」がこぼれないように我慢する

会議が長くなって集中力が低下しているときに
嫌味の一つもかまされたりすると

「ばっ」

まで出てしまう
慌ててポーカーフェイスで
「ごほほほほっほほほっ」と咳払いで誤魔化してみるが
会議中に
「ば」
という人間を誰が信用できるだろうか
私が逆の立場なら 
こわっ
と思うに違いない

京都にある 「六波羅蜜寺」 の空也上人立像に似ている

失礼ながら勝手に師匠と呼びたい

いつか見に行きたいな 空也上人立像

あちらは仏像で 
私は ばばいだけれど


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