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あなたもセールスされるかも?【仕組債】とは

仕組債を販売する際のリスクの説明が不十分であったとして、
千葉銀行など3社に業務改善命令が出されました。

実は、仕組債は、法人でも勧められやすい商品ですので、
簡単な商品の概要と、恐ろしいリスク良い商品かもと思わせるポイントをお伝えしていきます。

それでは、始めます!



仕組債とは

債券×デリバティブ  です。

債券とは、
国債や社債など、国や企業が投資家から資金を調達するために発行する有価証券です。
投資家目線で考えれば、優良な企業や国の発行する債券を購入し、
債権保有期間に決められたクーポン(利子)を受け取り、
満期を迎えて、購入時に支払った価格全額を償還金として受け取る。
これが達成できれば、債券投資としては、上出来と言えますでしょうか。

一方、デリバティブとは、
金融派生商品とも呼ばれ、
先物取引やオプション取引、スワップ取引など。。。
荒く説明すると、
少ない金額で大きな取引を仕掛けることができる」商品です。
そのため、一般的にハイリスクハイリターンになりやすいです。

ちょっと難しいですね。
では、具体的な商品を想定してご説明したいと思います。


EB債(仕組債の一例)

他社株転換条項付円建債券
対象株式:S社(大手通信会社)
期間:3年(半年毎利払及び早期償還判定)
クーポン(利子):7%
ノックアウト:110%
ノックイン:50%
行使価格:100円

仮の数値です。

初めてご覧になる方は、なんだかさっぱりわからないかもしれませんね。

1,000万円投資すると考えると、
クーポンが年7%なので、年間70万円。3年で210万円の利益
1,000万円払って、3年後に1,000万円還ってくるなら、手数料0円ですね。
これはたしかに、魅力的に見えますね。

しかし、
他社株転換条項付
ノックアウト
ノックイン
この辺りの言葉に聞き馴染みがありません。
では、こちらを解説していきます。


①ノックアウト

SBI証券 HPより

まずは、ノックアウトです。
今回はノックアウト110%の条件です。

購入者は
1,000万円分購入し、3年間で210万円のクーポンを期待していましたが。

行使価格=対象株式:S社(大手通信会社)の株価=100円だったとき、
ノックアウト価格は100円×110%=110円となります。

上図の②や③の様に、
早期償還判定日に株価が110円を超えていると、
強制的に1,000万円全額が返還されます。

めでたしめでたし。。とは言えません。

3年間で210万円の利益を期待していたのに、
例えば、最初の半年でノックアウトしてしまった場合、
1,000万円×7%×6/12=350,000円 のクーポンしか受け取れず
今回の商品は終わりを迎えてしまうわけです。

お気付きの方も多いかと思いますが、
半年で10%も上がる株式なら、
こちらの仕組債ではなく、その株式を直接買えば、
きちんと利益を受け取れる可能性があります。



➁満期償還

SBI証券 HPより

上図の①や④ですと、
3年後に、投資した1,000万円が全額返還され、
かつ、3年分のクーポン210万円を受け取れている状態です。
こちらが、この商品のリターンを最大限享受できた形となります。



③ノックイン

SBI証券 HPより

さて、一番恐ろしいのがノックインです。
ノックインは50%でしたね。

上図で言うと、⑤になります。
購入当初100円だった株価が、
EB債保有期間の3年の間に50円を一度でも下回り、

判定日のノックアウト価格償還日の行使価格を超えてこないと
ノックインが発動されます。


「株価が50%下回るなんて、ほぼほぼ考えられないので、
 ノーリスクですよ!」

こんなセールストークは絶対にあってはいけません。


さて、話は戻って、ノックインでしたね。
ここで登場するのが、
他社株転換条項付 という商品名らしき部分です。
ノックインとなった場合、
当初現金1,000万円を支払って購入しましたが、
対象株式:S社(大手通信会社)の株式で返還されます

え、株式?どうやって資金化すればいいんだ。
しかもガクッと株価の下がった状態で。。

株価が上がったら売ればいいや。
とじっくり待てる資金繰りの状況ならいいのですが、
買値の半額以下に下がった株価が元に戻るのにはそれなりの時間もかかりそうです。

こちらがこの商品の最も恐ろしいリスクになります。


更に詳しく知りたい方は

ここまで、基本的な部分をご説明してきましたが、
結論としては、
ノックインのリスクを許容できない限りは
仕組債を購入すべきではないと思います。

一見、手数料のかからないこちらの商品でしたが、
販売者はかなり率の良い手数料を得ています。
だから、これだけ積極的に販売するんですね。

こちらに、詳しい記事がありますので、ご紹介させていただきます。



結論

7%という高い利回りを提示するためには、
株式で償還されるかもしれないという高いリスクが付いてきます。

投資商品を検討する際には、
許容できるリスクかどうかをよく検討したいですね。

日本ではゼロ金利、マイナス金利の時代が長くなっていますが、
金利のある世界になると、こういった商品も減ってくるかもしれません。

金利のある世界になったら、
ネットバンクの利用料と振込手数料も0円にしてほしいですね。
蛇足でした。

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