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「家族に住宅を遺せて安心」それ本当に大丈夫でしょうか?

銀行員時代のお客様の話です。

会社経営は順風満帆とは言えませんでした。
赤字が続き、債務超過となっていました。
そんな矢先、信じがたい連絡が届きます。

「先日、救急車で運ばれ、病気が見つかり、余命宣告を受けました。」

お金について計算してみると、
医療保険あり。希望する医療を受けることが出来そうです。
住宅ローン団信あり。住宅ローンの返済に困ることはなさそうです。
事業融資の団信なし。事業の借入2,500万円があり、団信未加入。
④ほか、税金滞納やカードローンなど1,000万円がありました。
⑤ほか生命保険未加入



程なくして、訃報の知らせが届きました。


住宅ローン団信に加入していたため、
住宅ローンは保険金で完済となりましたが、
法人(経営者保証)や個人で借りていたほかの借入は残ってしまいました
債務の額が住宅の資産価値を上回っていました。

「家族に住宅を遺せて良かった」
社長はそう思っていたかもしれません。

残念ながら、結果は正反対のものとなりました。
住宅ローンこそ完済できましたが、
社長名義の住宅と債務を合わせて相続しなければなりません。

社長がいない中で事業を継続しいくことは難しく、
債務を返済できる計画が立てられません。

住宅と債務を天秤にかけ(あるいは単純相続後の自己破産も)、
相続放棄を選択することとなりました。

債務を引き継がない分住宅も手放すことになってしまったのです。


お金をかけて加入していた住宅ローン団信も無駄になってしまいました。



では、どうすればよかったのでしょうか??
①  法人融資も団信に加入する。
①” 法人が受取人の生命保険に加入する。
② 家族が受取人の生命保険に加入する。

①、①”では、法人の債務を減らすことができます。
法人の債務が減ることで、住宅を相続することができたかもしれません。

②では、家族が相続放棄をしても、保険金を受け取ることができます
保険金の金額によっては、住宅を買い戻したり、別の住居を確保することができたかもしれません。


経営者が備える保障は万全でなければいけません
・住宅ローン団信だけ加入していて、事業の借入はカバーできていない。
・生命保険に加入しているが、いつのまにか事業借入の金額が上回っている。

このような場合には、住宅を遺すなど狙った成果が得られず、保険料は払い損となる可能性が高いです。

今回の記事を機に、
自分、家族、事業の保障を見直してみてください!

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