#5 わたし、会食恐怖症でした。

最近話題になった会食恐怖症

私も幼少期から会食恐怖症だったことに気づいたのは少し前のことです。

2023年4月に『有吉の!みんなは触れてこないけどホントは聞いてほしい話』という番組が放送されました。

パニック障害を患った人たちが自身の症状について語っており、語っていたのは中川家の剛さん、演歌歌手の大江裕さん、気象予報士の小林正寿さんの3人。

その中で気象予報士の小林さんが話したのが「会食恐怖症」です。

人とご飯を食べられない、外でご飯を食べられない。

私と同じだと思いました。

幼い頃から経験してきたこの症状に名前がついていたことに心底驚いたとともに、同じように苦しんでいた小林さんに親近感を覚えました。

私の場合は幼い頃から、知らない土地に行くと急に食欲がなくなるのです。

食べようとしても食べ物がのどを通らなくて食べられない。

飲食店の中にいるだけで吐き気がする。

美味しそうとは思うけれど、いざ目の前に料理が来たら食欲がなくなる。

みんなとご飯を食べることを楽しいと思ったことはあまりありませんでした。


変化があったのは、学生の頃の飲み会でした。

ご飯の場にいることが少しずつ楽になっていったのです。

考えられる理由は、

ワイワイしていて賑やかだから食べなくても咎められない。

みんなで大皿を頼むので少しずつ食べられそうなものをつまんでみることができる。

しんどくなってもその場をすぐに離れられる。

飲み会を抜けた人に対して気にかけすぎる人がいない。

その頃は飲み会のおかげで少しずつ人とのご飯を楽しめるようになっていました。

知らない土地を怖がりすぎていたのだ、私はもう知らない土地でもご飯を食べられる、と思っていました。


しかし、簡単に治るものでもありません。

社会人になってから会食恐怖症が再発したのです。

症状は今までのどの期間よりもひどく、家族とでさえ外でご飯を食べられない状態になりました。

外でご飯を食べられるようになったはずなのに。

できていたことができなくなった悔しさと食べたいものも食べられない悲しさで苦しんでいます。

甘えじゃないんです。気合でなんとかなるものじゃないんです。

体が食べ物を受けつけなくなることの恐怖感を感じたことのある人ならわかるはずです。

食べようとしても食べられないのです。

それどころか吐き気や立ち眩みなどの身体症状まででてくる。

人とご飯を食べるのがゆううつ、なんて軽いものじゃないんです。

食べることができない、なんです。

わかってほしいとは言えないけれど、食べることを強要しないでほしい。

自分のペースで食べさせてほしい。

食べることを恐怖にさせないでほしい。

会食恐怖症という名前が広く認知されて、食べることを強要されることのない社会になりますように。

会食恐怖症で苦しむ人が少しでも減りますように。



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