諸国民の富 第5編 第1章 第2節

「そこでは,普遍的な貧困が普遍的な平等を確立するわけであって,年齢とか人としての素質とかの優越性が,権威や服従の薄弱ではあるが唯一の基礎である.」

普遍的な貧困が,普遍的な平等を確立するのであれば,普遍的な豊かさが,普遍的な平等を確立するのではないか.
今の時代はアダムスミスの生きた時代より豊かである.
彼の生きた時代では美味しいものを食べようと思ったらそれなりの金額を支払わねばならなかっただろうし,演劇を見たいのであれば劇場でお金を払ってみる必要があるだろう.そしてそれらは二つは庶民にとって馴染みのないものだったはずだ.つまり不平等がそこにはある.
しかし,現代では富者も貧者も同じように楽しむことができる.
ネットフリックスで1000円程度払えばいくらでも映画を見ることができるし,コンビニに行けば安い金額で美味しいご飯を買うことができる.
時代が進み,豊かになればなるほど,不平等は縮まる.不平等は相対的に見れば必ず存在するが,絶対的な豊かさという視点で見れば,不平等はいずれ0になる.
豊かさは最初は富者のもののみであるが,時代が発展するとともに,やがて貧者も享受することが可能になる.

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