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科学とスピリチュアルの翻訳可能性について(1,881文字)


わたしがもし、

「高次元の存在と繋がりましょう」

という言葉をあなたにかけたら、あなたはどんな顔をするだろうか。
アッすごい…すごい見える。「コイツやべー奴だ近寄らんとこ」というドン引きに満ちた眼差しが。

これは、スピリチュアル界隈でよく聞く言葉だ。

自分も最初は「何を言っているんだ」と思っていたし、今でも面と向かって言われたらウーン…と遠い目になってしまうので、「やべー奴だ」と反射でジャッジしたくなる気持ちはすごくわかる。


ーーー


ところで「メタ認知」という言葉を知っているだろうか。わたしは最近まで知らなかった。

「自分を俯瞰する」「客観視する」ということ自体はずっとやっていたが、それに“メタ認知”という名前が付いていたのは…

どこで聞いたんだったか…そうだ、『ゆる言語学ラジオ』で「メタ認知の暴走」について話すエピソードがあって大爆笑だったのだ。

あのラジオ面白い。すき。
いや、それはさておき、

メタ認知の“メタ”ってどういう意味なんだろう、と素朴な疑問を持ったのだった。

脳内検索で“メタ”と打つとメタトロン(天使名のほう;聖⭐︎お兄さん出典)が出てくるけど、まさかそれのわけはない。

というわけでググってみると、

「あとに」という意味の古代ギリシャ語の接頭辞。 転じて「超越した」、「高次の」という意味の接頭辞で、ある学問や視点の外側にたって見る事を意味する。 「変化」を意味する接頭辞。 例えば metamorphose(変化)、metabolism(代謝)などで用いられる。


メタ=あとに、超越、高次の意
ということだった。


……

いや高次なんかい

超越しとるやないかい



そう、メタ認知をググると「自己を客観視すること」「認知を把握しコントロールすること」などたいへん知的な言葉が並んでいるが、

結局言っていることは
「高次元の存在と繋がりましょう」
とあまり変わらないのだ。



「いや一緒にすんな、だいぶ違うだろ」とムカつく人もいるかもしれない。確かに全く一緒かと言われると違うが、私たちの柔軟な頭はこれぐらいの違いを誤差にできる…できなければならない。

I love you ≒ 月が綺麗ですね が理解できるなら、
高次元の存在 ≒ メタ認知 の理解も可能なはずだ。


でも、差異を比較するのは楽しいよね。
「結局何と繋がっているか」とか「低次と高次のどちらが主体なのか」とか。

メタ認知は高次側が主体=自分が上からコントロールする側で、高次と繋がると低次側が主体=自分は下でコントロールされる側だ。

あと、メタは俯瞰=「上から」というイメージが強いが語源に「あとの」「変化」があるのがすごく興味深くて、本来の意味はおそらく「上から」というより「未来から」なのではないか、とか。
未来=変化後=高次・上。なんて面白いものの見方なんだろう。すごくわくわくする。ありがとう古代の人。


ーーー


話を戻そう。

メタの件はほんの一例だ。
「同じことを言っているのでは?」という目線で科学とスピリチュアルを眺めると、言ってることがほとんど変わらないエリアが存在する。

スピリチュアルは一般的に「科学的でない」という理由で忌避される傾向があるが、
言い方や理屈の付け方が物語的なだけで実は科学と一部重なり合う情報がかなりの割合混在している可能性がある、ということだ。

考えられるのは、人間のタイプは最低でも二種類、
「論理的言語の方が腑に落ちやすい人」と「スピリチュアル言語の方が腑に落ちやすい人」がいるということ。
(それがどういう原因に依るかパンピにはよくわからない。なんとなく感情理解度…EQ相関なんじゃないかなと推察するけれども。)


つまり、

スピリチュアルvs科学の二項対立はもう古い。
むしろ科学はスピリチュアルを追随している。ちょうど人間がロケットを造り、居心地のいい母性の外へ、宇宙へ行動範囲を拡大しているように。

理屈や根拠の外側、ハイリスクハイリターンの情報領域であるスピリチュアルという箱の中には稀に“大当たり”が眠っていて、
「根拠のない情報を信じる」というリスクと引き換えに「50年後に“大発見”される」未来の確定情報を先取りできるかもしれない…

そう考えると、知的欲求(だけ)がモンスター級のわたしにとってこれほど面白い玩具箱はない。
案外馬鹿にしたものではないのだ。自分の知性と感性に自信を持って、情報と行動を取捨選択できる人には、特に。



…以上、
ロジスピ(ロジカルxスピリチュアル)という言葉を聞いて「そこ両立できる人ってもしや超絶カッコいいのでは?」と衝撃を受けた人間の小エッセイでした。

読んでくれてありがとね。

おわり。


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