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NHKに届いたメールと所謂「シルバー民主主義」

 参議院選挙が終わった。
 投票日だった7月21日の夜、僕は家でテレビのチャンネルを適当に変えながら開票特番を見ていた。
 そんな中、NHK北海道の開票速報番組で紹介された視聴者からのメールに目が留まった。

くま 10代 女性
せっかく18歳から選挙行けるようになったのに、皆言ってることがおじさんおばさん向けばっかり! 私たち向けの政策なんて全然ないしあるとしてもおまけ程度で選択肢がマジでない!若者って結構勉強してるからね!

 しばしば言われていた「シルバー民主主義」の弊害。その不満を、「10代女性」が番組にぶつけている。

 僕も同意である。というわけで、その場で画面を撮影し、twitterに放流した。

 軽い気持ちで放流したが、政治家にこそ見てもらいたい意見だと思ったから、その旨を一言、添えた。

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 これがえらいバズってしまい、色々なリプライや引用RTでiPhoneの通知が滝のように流れて止まらなくなってしまった。
 過去にも数千〜1万リツイートほどバズった経験は何度かあったが、これほどのバズりは10年弱のツイ廃人生で初めてだ。

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 ついにNHKも知るところとなり、NHKからダイレクトメッセージが届き、(怒られた…)と思ったら取材の依頼だった。

 18時台の北海道のニュースで取り上げたいとのことで、DMや電話でのやり取りの後、電話インタビューを受けるという流れになった。

 担当したのは、開票速報で解説を担当した27歳の記者。「若者の意見」を取材したかっただろうに、ツイート主が30歳のオッサンだったのでがっかりさせてしまったかもしれないけど、真摯に話を聞いてくれた。
 インタビューで話したことのうち、放送に乗ったのはそのさらにごく一部。その内容を加筆してウェブ特集にしてくれたので、そちらもぜひご覧ください。

NHK札幌放送局|WEBニュース特集 政治は誰のもの?共感広げた言葉

 twitterで連日色々な意見を目にしながら、自分でも思うところはたくさんあった。ここに、今まで書ききれなかったこと、話しきれなかったことを書いていきたい。

【要約】

 日本はいわゆる「シルバー民主主義」の状態である。単に人口比と投票率の問題だけでなく、政治家が日々の活動で訪問する支持組織や地域の団体が中高年で占められており、若者の意見が届かない。特に若い学生の声は全くと言っていいほど届かない。政治家の視界から若者が見えなくなっている。その結果、選挙の争点は中高年を強く意識したものとなり、若者の失望を買っている。
 これは年齢の問題だけでない。国民の代表であるはずの政治家が自らの支持母体ばかり意識するから、与野党とも内輪ウケに終始し、的外れな政権批判や時代錯誤な失言が飛び出す。政治不信を引き起こしており、全年代での低投票率につながっている。
 ツイートには賛否両論が多数寄せられたが、政治家への不信が強く現れていた。無難な報道に終始し、選挙への関心を喚起しないマスコミの責任も強く問われた。一方で、選挙に行きたくなるような、様々な前向きなアイデアも寄せられた。

シルバー民主主義って

 日本では若い世代の投票率が低く、高齢になるほど投票率が高く、しかも人口比でも高齢者に偏っている。
 そのため、政治家が重視する政策が高齢者に有利なものに偏っているといわれている。
 その程度がどれくらい深刻かはここでは深入りしないけど、そのような傾向は実際にあると僕も考えている。多数派、すなわち高齢者に有利な民主主義。
 誰が言ったか、「シルバー民主主義」。

 だからこそ、若者こそ投票に行き、高い投票率を示し、政治家にとって無視できない存在になるべきだ…そう言われる。僕も基本的にはその通りだと思う。たとえ投票率で高齢者と並んでも人口比で負けちゃうけど、それでも一定の存在感を示さないと、かき消されてしまう。だから、投票へ行こう。

 でも、それだけじゃないとも思っている。

問題は人口比だけじゃない

 「シルバー民主主義」は人口比や投票率「だけ」の問題じゃない。何人かの政治家の人を見ていて、そう思うようになった。

 選挙の時に掲げる公約とか、お題目とか、演説のテーマ、だけじゃない。政治家が日頃どんな活動をしているか。どんな人たちと交流しているか。どんなことを気にしているか。それを見ると、「若者」、ましてや大学生や、新たに選挙権を得た10代は蚊帳の外だと言わざるを得ない。与党も野党も同じだ。

 要は、彼らは自分たちの「支持基盤」を意識する。たとえば懇意にしている会社だったり、業界団体だったり、労働組合だったり、市民団体だったり。日頃の活動も、挨拶回りも、そういうところを回っていく。地域のイベントに顔を出すのも、町内会などで活動するおじさんおばさんとのつきあい。大勢を集めた講演会や演説も、呼ぶのは地元の後援会組織などから動員された人々。んで、そこで会費1万円とかを集めて政治資金にする。
 それらの活動を否定するつもりはない。会費1万円のパーティーだって活動資金づくりの大事な事業だ。

無党派層が蚊帳の外→若者は蚊帳の外

 でも、そこには1万円を払うことができない人や、業界団体や労働組合に所属しない人、右や左の「市民団体」に所属しない人はいない。見えていない。10代や20代の若い世代ほどそういうところにはいないから、自ずと視界にはおじさんおばさんばかりが集まるシルバー民主主義の風景が作り上げられていく。それも、特定の立場や思想や志向に偏った「民主主義」が。
 そして、時代錯誤な失言をしたり、頓珍漢な政策を思いつく政治家が育っていく。

そして「シルバー民主主義」へ

 そうして、「若者」だけでなく、有権者の大多数を占める無党派層にとっても、投票先がない、投票したいと思えない政治家が候補に揃うことになる。

 これは僕の仮説だけど、「若者ほど投票率が低い」と言われる原因のある程度は、「若者ほど無党派層が多い」こと、とりわけ「組織票を投じる割合が若者ほど少ない」ことで説明できると思う。

 以前、とある国会議員がとある中小企業の社長に会うのを見に行ったことがある。
 その社長が

「外国人実習生の単純作業を早く解禁してほしい!彼らなしには成り立たない!」

とか

今の日本人の若者はひ弱で働かない!ブラック企業とか働き方改革とか言っているが、とんでもない!もっと鍛え直すような教育をしてほしい!!

…と大勢の前で平然と宣っていた。

 僕は開いた口が塞がらなかった。本当に口を開けたまましばらく呆然としていた。その議員は経営側の業界団体ゴリゴリの与党議員…ではなく、野党から出た、弱者に寄り添うことを掲げた政治家だ。そういう人にすら、このような「支持者の声」が平然とインプットされていく。これをシルバー民主主義、いや老害民主主義と言わずしてなんと言うべきだろうか。暗澹たる気持ちになった。

 その日常の積み重ねの上に選挙がある。

 今回の選挙の争点はなんだったか?

 自民党の政治家は、アベノミクスのアピールと、民主党時代の野党の悪口に終始。
 野党の悪口も結構だが、政権をとって7年も経つのにこれではネタ切れ感、先のなさを感じざるを得ない。「消極的な与党支持」が広がるのは当然と言える。
 そしてウケが悪い「改憲」は選挙中は封印し、選挙が終わった瞬間に支持層に向けて前向きアピール。寒い。

 んで、野党の政治家は、「年金問題」とか「消費税」とか。
 年金問題は、選挙の直前に「老後資金が2000万円必要」というレポートが問題化して、麻生大臣らの対応が甚だ不誠実だったことを槍玉に挙げたものだが、出口調査や投票の結果を見る限り、有権者は重視しておらず、支持を広げられなかった。
 当たり前だ。
 「年金」も「消費税」も、これらが問題になった時に与党が負けたという、過去の経験則に基づいて、安直に争点に据えたのが見え見えだった。

 「年金」に関心があるのは年寄り。若い世代はそもそも期待していない。老後資金が自前で必要だということも、別に目新しい問題でもない。

 「消費税」だって、10%まで引き上げる方針が決まったのは民主党政権時代の与野党合意。(当時政界にいなかった勢力はともかく)それを知らんぷりして野党が批判するのは都合が良すぎる。そもそも、消費税が原因で与党が負けたのは、もう20年以上前のことだ。(2012年に民主党が負けたのは消費税が主因ではない。)
 平成に入ってから生まれた世代も、上はもう30歳。消費税は子どもの頃から当たり前に存在していて、それが強い抵抗感には繋がっていない。
 もちろん消費税なんか払いたくはないけど、それよりも失業しないとか、お寒い給料を2%上げるとかの方がずっと優先で、それなら安倍政権下の経済政策の方がいくらかマシということになる。
 (全然景気良くなってないじゃないか!という意見が主に野党側から聞こえてきそうだが、それこそシルバー目線、既にそれなりの給与や資産を得ている側からの批判である。就活が「売り手市場」になり、ほんの数年前までは当然視されていた圧迫面接とかブラック企業とかが公然と批判され、晒し者になり、市場原理的に淘汰されつつあり、曲がりなりにも企業が「働き方改革」に取り組まざるを得ない現状は、理想とは程遠くても、過去30年のどの政権の時代より「マシ」なのだ。)

 結局、与党も野党も(特に野党が)自らの支持層へのアピール、年寄りむけのアピールに終始し、無党派層、特に「若者」にそっぽを向かれたという結果になっている。

ネット時代の政治と選挙…古いスタイルを抜け出せない

 最近はどの政党も政治家もSNSを使った発信をするようになったけど、その大半は結局、従来の支持層に向けたアピールに終始している。
 政治家のFacebookページなんかを見ても、昔からある広報誌に書き連ねるような内容をほとんどそのままの活動報告で、コメント欄には熱心な支持者からの党派性ゴリゴリの応援コメントが並ぶ。
 twitterなどを見ても、与党系も野党系も過激な発言を繰り出して他のユーザーから批判が殺到しているのが日常茶飯事。よく自民党の政治家が内輪の講演会などで失言をしてニュースになるが、SNSで可視化された内輪ノリの無様な発言も病根は同じで、その劣悪さは与野党とも大差はない。そして、自らに向けられた批判を敵対陣営の妄言として無視したり、ブロックしたりして、受け止めようとはしない。
 もちろん、バランス感覚に優れ、良識を感じる議員もいるけどね。それに、ネットを意識して、組織的に上手くやっている例もないわけではなかった。

 共産党の「カクサン部」は、(良くも悪くも古めかしかった)「共産党っぽさ」を打ち破って、社会問題化しつつあったブラック企業問題を世に広め、SNSで意見を集め、政治のど真ん中に持ち込んだ。その後良くも悪くも(この前置き好きだな…)、そして不完全ながらも安倍政権が労働問題に取り組み始め、お株を奪われてしまったところはあるけれど。

 自民党が2016年に始めた「国に届け #18歳選挙の特集Webページも、良かったと思う。ちょっとポップな印象が先行してるけど、割と真摯に政治や自分たちのことを説明しようとしていたと思う。あまり話題が広がった印象はないけれど、当時始めて選挙権を手にした18歳の有権者に、知ってもらおうとする姿勢は、自民党が嫌いな僕としても率直に良いと思った。

 その自民党が今年(2019年)始めた、内容と合ってないサムライの絵とか、ファッション雑誌との(党の姿勢と矛盾した内容をちりばめた)コラボとかは、まあ気持ち悪いんだけど、それでも何とか若い人にリーチしようとしている姿勢は侮っちゃいけないと思う。

 とはいえ、そういう良い例はごく少数で、大半は先に述べたとおり。
 そうした中で、良し悪しは別として、従来の政党・政治家の枠を飛び出して、ネットを中心に草の根的に支持を集めた山本太郎、山田太郎、「N国」らはすごく頑張ったと思う。
 決して「多数派」を取らなくても、政治にインパクトを与えうる。議会制民主主義の希望だとすら思う。(「N国」は中身が非常に危険だけど)

色々な意見

 ツイートが拡散されるにつれ、様々な意見が飛んでくるようになった。これを書いている8月18日現在、リプライは329件、引用RTは数知れず。賛成から批判まで様々である。それぞれ数えてはいないけど、だいたい目立つ意見はこんな感じだった。

1. その通りだ

 賛同する意見。高校生や大学生、20代の「若者」と思われる人からも届いていたし、「自分は年長者だが」と前置きして賛意を示してくれる人もいた。

2. 投票率が低いのだから無視されて当たり前だ/政治家よりも若者が意識を改めるべきだ

 このようなコメントがかなり目立った。これは、半分はわかるのだが、それを当然視して、このメールを送った「10代女性」を責めるようなものも多く寄せられ、反論しなければならないと思ったので、ここに書いておく。

 現実がそうであったとしても、それを「当たり前」にしてはいけない。
 ましてや、それを改める責任は「若者」、とりわけ選挙権を手にしたばかりの10代の有権者ではなく、立候補した政治家と、僕を含めた先輩有権者にある。
 積極的な投票を呼びかけることは大事だが、それと「投票しない若者が悪い」という話は分けなければいけない。反省すべきは僕と、あなただ。

 そして、このような意見が多数上がる現状が、非常に重大な危機だということを政治家の皆さんにはわかってほしい。つまり、政治家が国民のためでなく、特定の誰かの利益を代表する存在にすぎないこと、それが批判すらされず、当然だと思われているということは、政治家のあなたが1㍉も信頼されていないということとイコールなのだ。

3. 自分たちのことだけでなく国民全体のことを考えてほしい

 割と多かった意見。これは、「若者」が「若者向けの政策がない」と訴えることが自己中心的だと言いたいようだ。そうだろうか?
 答えはNO。メールの主は「国民全体」に向けたはずの公約の中に若者が含まれていない(あってもオマケ程度)と言っておる。
 それを無視して、年長者が、「若者」にそれを言うのは反則というか、あまりに卑怯というか、それこそ利己的で見苦しい。
 「国民全体のことを考えてほしい」という注文は、政治家と、党利党略や圧力団体の利益のためにロビー活動をしているシルバー民主主義の皆さんにお願いしたい。

4. 18歳・19歳の投票率は高い

 このようなコメントも結構きたのだけど、残念ながら国政選挙で10代の投票率が30代の投票率を上回ったのは「18歳選挙」初回の2016年参院選だけ。この頃は初の「18歳選挙」とあってメディアも話題にしていたし、18歳の当事者意識も高く、投票率が20代、30代より高かった。

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 ところが、次の衆院選では投票率が低下して30代に負ける。

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 そして…今回の参院選の投票率。速報値で10代の投票率は31.33%という急落ぶり。衝撃的な数字だった。内訳は18歳が34.68%、19歳が28.05%と、惨憺たる数字。
 10代の有権者を無視して、有権者扱いしなかった政治家の皆さん。どう思いますか?反省してください。

5. オッサン疑惑

 何気に複数届いた意見。NHKに届いたメール、「10代女性」と書いてあるけど、本当はオッサンじゃないかという。確かに、ペンネームだけで自由に送れるメールフォームである以上、オッサンの可能性を拭いきれない。
 しかも、「文体がオッサンくさい」との指摘…。

 わかる。特に、年齢の若い人を「若者」とくくる言い回しが古くさい。
 「若者は〇〇だ」「若者は××だ」のような、「若者」を一括りにする見方それ自体がオッサンくさい。
 テーマがテーマなので僕もこの記事で使ってるけど、地の文ではカギカッコをつけることにした。

 僕としては、政治というただでさえオッサンくさいテーマである以上、たとえ書き手が10代女性でもオッサンくさくなるのは止むを得ないと考えるし、それに賛同する10代・20代がそれなりにいる以上、10代の意見として不自然ではないと思っている。

 ただ、正直本当は誰なのか知りたかったとは思う。
 NHKの放送を何気に楽しみにしていたのだけど、メールの主は登場しなかった。きっと取材を試みても返答を得られなかったのだろう。

 それはそれとして、これに賛成する10代・20代が多くいるという事実は再確認しておく。
 僕のツイートへのリプライも、日頃の投稿内容からおそらく高校生や大学生で間違いなさそうな人から多数届いていたし、NHKは大学を訪ねて学生にインタビューをしていた。

 なお、先に述べたとおり、僕は平成元年生まれ、30歳のオッサンである。
 30歳でオッサンを自称することに迷いはあるし、年長の方からは怒られるかもしれないが、今回の話題の発端である10代の人から見たら間違いなくオッサンだと思うので、ここではオッサンを名乗ることにする。
 この文脈で「若者の意見」を気取って、というか、少なくとも10代の人と同じ立場のつもりになって発言する気にはなれなかった。
 年長者ばかりいる会社組織とか政治の人たちのところにいると、30代って「若手」と言われるのですが、それが全てだと思いこまないように気をつけたい。

6. マスコミの責任

 「若者」に限らず、選挙への関心が低いのはマスコミの責任でもあるという意見。僕へのリプライにも、その他の場所でもかなり目にしました。開票速報ばかり踏み込んだ放送をしているのに、肝心な情報を投票の前には報道しない、結果的に無関心層を増やすような、政権に有利な報道をしている…などといった具合。
 僕としても、開票速報の熱心さ、おもしろさを、なんとか投票の前にも出してくれないかと思う。公平性を追求するあまり、過剰に神経質になり、面白くなくなっていると思う。誰かが言っていたけど、各党の党首を集めた討論番組なども、公平公正でとても無難で堅苦しい作り。
 候補者の趣味とか食べ物とかこぼれ話とか、陣営の様子とか、いろいろなテーマに関する各党や候補者の考え方を比べたりとか、そういうのは公平公正を期しながらでもできると思う。それを、例えば各テレビ局が1週間前の夜8時から一斉に3時間ぐらい放送すれば、それなりにみんな見るんじゃないかな。
 テレビは普段のニュース番組で、各候補の様子などを小出しにしているけど、朝や夜のニュース番組を毎日決まった時間に見れる人ばかりじゃない訳で、そういう人に届ける努力をしていないと思う。
 新聞も同じ。紙の新聞を購読したり、電子版を課金して見ている人ばかりではない。というか、購読していても普段忙しくてなかなか目を通せない人もいる。残念ながら。
 価値ある情報はタダではないとはいえ、選挙の時ぐらいは有料の固定客以外にも開放して、圧倒的な取材力と編集力で、充実のコンテンツでしのぎを削ってみてはくれないものか。
 もっとも、現状でも新聞社には、ボートマッチのサービスや、各候補者のアンケート回答をインタラクティブに見れるサービスをウェブに展開していたりして、若い人にも使いやすいサービスがあると思う。こういうのを、もう少し見た目をポップにして、圧倒的な広告を投下してネットで宣伝しまくれば、少しは新聞に関心を持ってくれる若い人も増えるんじゃないかな。

7. 政治家の反応

 本物の政治家と思しきアカウントからも反応があった。
全部をチェックはしていないのだが、僕が気づいたのは2つ。とても対照的な2つだった。

一人目は、この人。

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 アカウントIDがとてもユニークで面白いんですが、ブーメランぶっ刺さってますね。

もう一人は、こちら。

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 肝に銘じていただけるとのこと。是非ともお願いします。

 あまりにサンプル数が少ないので、これをもって与野党の違いを論じるのは控える。
 ただ、前者のような、有権者にレッテル張りして逆ギレする政治家に未来を託したくないとは僕は思う。

8. 投票に関する制度の問題

 若者にとって投票しにくいという問題。家でネットで電子投票できればいいのに、という意見も散見された。秘密選挙と不正防止を保障する仕組みが、ネット投票ではかなり難しいし、すべきでないと僕は思うけど、もう少し投票しやすい仕組みを作ってほしいとは思う。
 特に、19歳の投票率が低いことと関係があると思うけど、一人暮らしで住民票の住所地以外に住んでいると投票は非常に困難になる。
 大学生だと、親元に住民票を残したまま一人暮らしや寮生活をする人が多い。それは頻繁に転居するとか、入試の日程がギリギリだと引越し手続きの時間がないとか、成人式の案内を受け取るためとか、いろいろな理由があるのだけど、成人式の案内を住民票縛りでなく柔軟にするとか、転居の手続きをもっと簡単にするとか、やりようがあると思う。
 そして、本人確認を電子化したり、本人確認の方法を合理化して、期日前投票や当日の投票をもっといろいろな場所でできるようにしたり、遠隔地での不在者投票を簡単にしたりもしてほしい。ネット投票は無理でもこれくらいはできるはず、すべきだと思う。

9. 投票に行きたくなる仕掛け

 「タピオカドリンクを投票所の前で売ればいい」というおもしろい意見があった。
 海外では似たようなことをしているらしい。オーストラリアでは投票所でソーセージを焼いているのだとか。その名も「民主ソーセージ」。

 日本や他の民主主義国の選挙を見ていると、割とお祭り騒ぎしてません?
 なら、投票所だってソーセージやタピオカを売るぐらい賑やかな方が絶対楽しい。ぜひやりたい。

僕の反省

 盛り上がりに欠けるとか、「若者」向けの政策がないとか、色々言われて、僕も賛同して騒いでみたらバズったのですが、そういうお前は今まで何をしてきたんだ?と言われると苦しいものがあります。
 SNSで多少の投票呼びかけっぽいことはしたこともあるけど、今回はそれもあんまりしなかったし。
 変な大学院を卒業したおかげでガチ政治家が比較的身近にいるのに、要求をガンガンぶつけるようなことをしていたわけでもないし、
 そうして、選挙権を得てから10年が経った今、上の世代のせい、大人のせい、(と言わないわけじゃないけど)とばかりも言っていられない。
 だから、もっとすべきこと、できたことがあるのでないかと反省している。

 そして、工夫と偶然が重なれば何百万人もの人に言葉を届けられる、面白くて恐ろしいSNS時代。良き主権者でありたいと思う。

僕の妄想

1. タピオカ屋

 投票所でタピオカドリンクを売る。キッチンカー、民間業者、慈善団体、大学生など担い手は色々いて良いと思う。自治体と選管が場所を提供し、収益は出店者が好きにして良い。タピオカ以外にも、ソーセージ、アイスクリーム、たこ焼き、冬ならおしるこや甘酒なども良いね。

2. 「投票箱」への投票を呼びかけるだけの街宣車

 「投票箱!投票箱!投票箱!投票箱へあなたの清き一票をお願いします!」とひたすら連呼する宣伝カーが住宅地や市街地を走り回る。
 都心の公園や繁華街では、投票箱の被り物をしてスーツを着用しタスキを纏った映画泥棒みたいな人物が、投票箱への投票を熱心に訴える。
 宣伝カーは、前日までの選挙運動を終えて余剰になった車両を貸してもらい、看板を張り替える。なんなら陣営スタッフや候補者本人も有志で参加し、公職選挙法違反にならないようひたすら「投票箱」への投票呼びかけに徹する
 これくらい刺激的なPR活動をすれば、SNS映えして関心を集めることもできると思う。せっかく前日まで各陣営みんなで盛り上げたのに、肝心の投票日に沈黙しているのはあまりにもったいない。今までの、清く正しく美しい選挙PRの限界を打ち破るのだ。


3. 開票所祭り

 皆さんは、開票所へ行ったことがあるだろうか。僕は開票作業のバイトで、その後は参観人として時々見に行っている。大抵は自治体の体育館などが会場になるけど、あの作業を2階席から高みの見物をするのはとても気分が良い。圧巻である。これぞ民主主義のスペクタクル

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マスコミ各社のスタッフが双眼鏡で必死に票読みをするのも大変面白い。

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 ここで、タピオカやソーセージ、たこ焼き、ビールなどを売れば、結構楽しい場所にできる。実際、僕は缶ビールを持ち込んで観覧しながら飲んだこともある。美味い。

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 これを楽しめるのは自分で投票してこそ。この場所をコンテンツ化すれば、投票へ行こうという気持ちになる人も増えると思う。

4. 開票速報パブリックビューイング、または開票バー

 開票所と同様、開票特番をパブリックビューイングで見ながらワイワイやるのも楽しいと思うけど、どうでしょう
 テーマが政治ナノデ、党派性の違う人が集まることに遠慮があったり、揉め事になったりする懸念がないわけじゃないけど、本来政治はタブーにせず、言いたい放題言い合える方が健全。
 プロ野球の試合を大勢で観覧しても暴動にはならないのだから、開票速報もみんなで観れると思う。

以上、いろいろな人に向けていろいろ思うことを書きました。
せっかく手にした民主主義、盛り上げていきましょう。

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