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てんぐのD&D日記:荒ぶるダイスの神とパラディン娘は大魔術師も固定値信仰も吹き飛ばす

 先月からスタートしたドラゴン金貨キャンペーンEXシナリオ第三段が昨夜終了いたしまして、今日はそのプレイレポを書こうと思っております。

リャン・カイシン8LV仕様

 今回のPCは、リャン・カイシンを8LVにアップさせて投入です。
 ついでにPCイラストの方も、ピクルーの戦う青年メーカーで一新してみました。

 前回のアズールくんも使い勝手は良かったんですが、今回は我が最推しNPCが登場するということもありまして、こりゃリャンの出番だろうと即決しました。
 まあ実際には、そんな下心に従ってる余裕なんかないくらいスリリングな展開だったわけですが。何のせいかって、そりゃ荒ぶるダイスの神様ってことになるのかな。

 そんな8LV仕様のリャンでしたが、ターシャ本で追加されたモンクのクラス特徴もDMの許可を得た上で運用してみました。

 攻撃ロールがわずかに足らない時に気を支払って<一撃必中>で達成値を上げてから、または<高速治癒>でHPを回復させてから<“気”追撃>を使用するというコンボは、従来の<追加攻撃>と合わせてモンク武器の使用回数を増やせる点で有効でした。
 でも、それに気を取られて、従来の剣聖門のクラス特徴<我は剣なり剣は我なり>の効果のひとつ<練達の技>を失念して、倒しきれたはずの敵を倒しきれず仲間に無駄なダメージを負わせてしまったのは不覚でした。
 これはD&Dに限った話じゃないですが、レベルが上がり追加データが増えると確かにPCは強くなります。でも、その分だけ「自分にできること」の把握漏れというリスクが生じます。まして<練達の技>は、特別な効果より着実にダメージを刻んでいく主義のてんぐ好みだったはずなのになあ。
 この見落としには恥ずかしくて仕方なかったです。
 また、レベルが上がって気の容量も増えましたが、強くなった分だけ消費量も激しくなりました。<高速治癒>は2点消費ですしね。今回のシナリオでは完全に気の残量が0になっちゃいました。多分これ、初めての経験じゃないかな。

 あと、リャンの場合は気を使って<一撃必中>より、オプションルールの代償あり命中で伏せ状態になってから移動力半分消費で起き上がるという滑り込み剣法の方がアイツらしい気がするんだよね。実際仲間からも「いつもの」扱いされてましたし。

 新しい能力は使ってみたいものですが、従来の能力や本来のスタイルのことも忘れちゃいけません。
 こういった経験は、今度は9LVになったリャンを使う時に絶対に活かします。

 あと、一番「これ取っておいて正解だったな」と思ったのは、特技の<追加HP>でした。これなかったら、今回のシナリオで多分死んでました
 皆さん、HPは高くできるだけしておいた方が良いですよー。

仁義なき戦い in ウォーターディープ

 さて、今回のシナリオのお題は、ドラゴン金貨争奪戦にも影響を与えていたウォーターディープ暗黒街の一大勢力黒蛇会ゼンタリムの内部抗争、その最終局面でした。
 ゼンタリムというのは、他のファンタジー世界なら「盗賊ギルド」みたいなものと思ってもらって良いです。
 そのゼンタリム・ウォーターディープ支部での内部抗争を説明するなら、仁義なき戦いの中盤戦、急成長後に坂井派と新開派で割れた山守組に例えるのが一番手っ取り早いかな。

 まあ要するに、

穏健派「ポンはやめえ言うたのが聞けんのか!」「おどれらのせいでワシらまで警備隊のガサ食らうじゃないか!」
過激派「それじゃワシら何で食うていけば良いんかの?」「おどれら人の茶碗取るない!」

 というわけです。
 ちなみに、仁義なき戦いシリーズを見ると、色々なネタや話題に応用できますので、未見の方は一度字幕付けた上でご覧ください。

 で、この穏健派(我が推しヤグロー姐さんもこっち側)を率いるのが、リッチの“墓所ドゥーム”を襲って略奪して築いた財産で縄張りを作っちゃったという凄腕冒険者集団ドゥーム・レイダーズ、まあ便宜上“穏健派”って書いてますし、実際に組の合法化は目指してるようですが、その中身はまあ諸々お察しです。
 そして、こんな連中目線でなお「アイツら抗争しか頭にないんか!?」と言われかねないくらいの過激派を率いるのが、左手が鉤爪の義手をつけた怪人マンシューン。ドラゴン金貨本編では正体不明だったこの御仁が、今回のシナリオのラスボスです。

D&Dはクローンウォーズだ!(違うような合ってるような)

 マンシューンという御仁は伝説の大魔術師ウィザードでもありますが、それ以外にもややっこしい背景を持っています。
 この御仁が得意としてる術というのが、<シミュレイクラム>という呪文による自分の複製体、つまり魔法のクローン体製造なんですね。何しろ、ラストバトルでも護衛も兼ねて複製体を2体も配備してましたし。
 さらにこのマンシューン自身も、太古の大魔術師が作り、その死後に互いに殺し合ったクローン100体のうちの生き残りのひとりなのだとか何とか。
 ある組織のボスがクローンを作ったり自分もクローンだったって話になると、どうしたって頭に浮かぶのがスターウォーズのこのEP9で口を開けた死者ですな。

 あと、マンダロリアンS3終盤戦で、モフ・ギデオンも自分のクローンを作ってたことが判明しましたね。
 このギデオンも実はクローン体のひとりだったりしないかな。“本物”は従来言われていたように新共和国で戦犯として処刑されていた(または書類上はそう処理されてただけで、実際には現場の人間が私刑として殺害していた)りしそう。

 D&DってSF的な世界観との親和性が高いのがわかりますし、マジで「フォーゴトン・レルムに銀河帝国軍が襲来!」なんてシナリオを遊んでみたくなります。
 流石に脅威度は低く見積もってもデスナイト相当なダースベイダーと対決はマズすぎるとしても、魔法剣士としての尋問官が率いるストームトルーパー部隊と戦ったり、ドラゴンなどの大型飛行クリーチャーがTieファイター部隊を引き付けている間に、町の上空に浮かぶスターデストロイヤーへ潜入して破壊を目論むダンジョンアタック展開とか、アイデアは色々と浮かんできます。
 誰か形にしてくれないかなー。(毎度おなじみ他力本願)

ダイスの神、荒ぶる!

 TRPGをやってるとダイスロールには振り回されるものですし、そのために能力値やクラス特徴などで得られる修正値などの固定値を信仰する人も多いです。かくいうてんぐもそのひとりです。固定値はPLを裏切りません。ダイスロールは嘘つきですが固定値は誠実です。(真顔)
 しかし、そんな固定値信仰を嘲笑うくらい、今回のシナリオのダイスの神様の荒ぶり方は凄まじかったです
 何しろ、今回のシナリオのオープニングマッチ、マンシューン複製体との戦闘では4回連続してダメージロールが1でしたからね。1d8の出目が4回連続で1って確率、1/4096ですよ? こんなことってあります? あの時は本気でオンセツールのバグとかエラーを疑いましたよ。
 そうかと思えば、大見栄切った後の攻撃ロールがファンブルして、あまりに恥ずかしいからインスピレーションを使用して振りなおして、その次の追加攻撃の命中ロールがクリティカルだったりしました。極端から極端に振れすぎなんだって。

 でも一番すごいダイスの出目は、ラストバトルでした。

 まず、リャンが最後の気を使った<朦朧撃>をラスボスのマンシューンに使用しました。
 マンシューンはHPが下がると<テレポート>で逃走するタイプのラスボスです。
 なので、「こいつはここで仕留めないと後顧の憂いとなる!」「だからこのラウンドで絶対に仕留める!」とは決めていました。
 しかし、リャンのダメージロールはイマイチ冴えないですし、どう計算しても仕留めきることはできない。となると、博打を打つしかない。
 そこで、最後の気の使いどころとして<朦朧撃>を選択しました。
 <朦朧撃>は使用者の次ターンまで対象を朦朧状態にするんですが、そうなるかどうかは対象の耐久セーヴ次第です。
 リャンの<朦朧撃>のセーヴ難易度で耐久セーヴに成功するか失敗するかの確率はちょうど50%。
 その判定に、マンシューンは見事に失敗、朦朧状態になりました

 剣撃から掌法で内力を注ぐって連携技は武侠の花形ムーブではありますし、やりたいとも思ってましたが、この大一番で実際に決まるとは思いませんでしたねえ

 そして、マンシューンが朦朧状態になるという千載一遇の機会に行動を起こすのが我がパーティ自慢のパラディン娘、映画の終盤で目覚めたネヴァレンバー卿の隠し子でもあるジェシカ嬢でした。
 この段階で、パーティには「ジェシカ嬢なら確実に仕留めるだろう」という信頼はありました。そして、実際に命中もさせました。
 しかし、まさか、マンシューンの残りHPときっかり同じ値のダメージを出すとは思いませんでした。
 今回のダイスの神様、実に荒ぶっておりましたなあ。

パラディン娘、荒ぶる!

 ドラゴン金貨本編からコネ作りや人材スカウトも行い、何やら独自の勢力を築きつつある今回の主役ジェシカ嬢、今回もその野心家ぶりに磨きが掛かってました。
 その反映か、ゼンタリム過激派アジトへ悪事の依頼を装って入り込むための悪党を装うムーブは強烈でしたねえ。
 普段はエレガントな令嬢(ただしアイアンマン並みの装甲度を持ちストームブレイカーなみの戦斧を振るうんですが)なのに、この時に限って突然「アタイがネヴァレンバーの一人娘、ジェシカさまだよ。中に通しておくれ。」とか言い出したときは、リアルで茶を噴きかけました
 で、こういうことをやられると、便乗したくなるのがTRPGユーザーの常でして。
 気が付いたら残りのメンバーも悪党ムーブに合わせるようになり、戦闘開始となったときは「おまえたち、やっちまいな!」「かしこまり!」「あいあいさー!」とか言い出してました。我々はドロンジョ一味か何かか。

 とまあ、こういうコントばかりでもなく、こちらの腹を探ってくるゼンタリム過激派の渉外担当者を煙に巻き、マンシューン討伐後はその幹部たちの取り込み工作を始めたり、そういう姿を見せてくれるのは素敵でした。
 イニシアティブが振るわないのも「まあ大人物ってのは最後に動くもんだからなあ」と納得させるだけの貫禄もありました。そして、その行動順のおかげでマンシューンを確実に仕留められたわけです。
 こうなると天運なんだろうなあ。

 そんなわけで。
 目指せ、ウォーターディープ公開領主。

次はドラゴンへの道!

 次はいよいよリャン、そして我がパーティの魔法使いリョウ・ブランダスがメインとなる予定の「竜への道」です。
 このタイトルを聞くと、やはりこの映画を連想します。

 スケジュールの関係で始まるのは来年くらいになりそうですが、TRPGカンフーを磨きつつ楽しみに待っております。

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