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連作短歌「窓ガラス」

内外の寒暖の差が広いほどガラスが曇る冬の朝方

やり切った感じのときに現れる「何してんだ」の念とつきあう

対面の座席に影が立っている なんだお前は俺の一部か

道すがら4時を迎えて朝食に化けてしまったかつての夜食

なんらかの無形のものを壊したく比喩や隠喩を禁止している

捻挫したみたいな頭痛 逆向きに心を曲げたとこからきてる

何事も初心者なりにやっているうちが一番楽しいものだ

堰き止めるでもなく揺蕩うでもなく言葉に呑まれているがよいか

あなたよりわたしのほうが分があると思う時ほど負けてるからね

大きくもない出来事がでかでかと取り沙汰される心の田舎

窓ガラス2枚割ってもいいですか? 夜の9時には帰りますので

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