「仕事」として選んだのは大好きなことじゃなかった
10年以上、ずっと大好きで続けてきた仕事がある。
その仕事で成功したくて、どれだけ踏みにじられても歯を食いしばって頑張ってきた。でも、私の作品は市場では喜ばれないもので、ここ数年はあまりお金にならない状態が続いていた。だから扱いも酷く、作品を出すたびに自己価値を下げることの繰り返しだった。
逆に並行して行っていた別のお仕事では、評価を下されなくてもそれは生活のためなのだと割り切ることができた。
そういう経緯があって、10年以上続けてきたオリジナルで作品を出す仕事を、お金が儲かるかどうかという価値とは別の世界で作り出すことにした。
不思議だ。
本当はオリジナルを作る方を一生の仕事にしようと思っていたのに、お金を稼ぐ手段として残したのはそうではない仕事の方だった。
どうしてかと考える。
「売れないから」という理由でひどい扱いを受けることに疲れてしまったのもあるし、「売れない自分をいじめる」のにも疲れてしまったのもある。
大好きなことは大好きなまま、続けたい。
以前ならこういう発想を「負けの言い訳」として、さらに自分を追い込む思考にはまっていたのだけど、流石に何年も考えてきて理解した。 どんな道を選ぶのも私の自由で、他の仕事でお金を得られるならその道でしっかり稼いでいけばいい。
私が心を込めて生み出した作品には、商業的なジャッジはもう必要ない。
これからは、もっと地味なところで私の世界観を楽しんでくれる少数の人たちとひっそり共有していきたいなと思っている。
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