なぜラジオでは「メールアドレスはすべて小文字で」と言うのだろう?
メールアドレスは大文字小文字を区別する?区別しない?
ラジオ番組を聴いていると、「あなたからのメールをお待ちしています! メールアドレスはすべて小文字で……」と呼び込んでいることがとても多い。
番組のウェブサイトは、トップドメイン以下のディレクトリを含んだ URL はアルファベットの大文字小文字を区別する。だから、サイトの URL を番組内で告知するときは「すべて小文字で……」というのはいいのだけれど、メールアドレスの場合はアルファベットの大文字小文字は “事実上” 区別していないと言っていい。
なぜ “事実上” なんて言葉を用いるのかというと、昔は区別していたサーバーがいくつか存在していたから。なので、Twitter で「メールは小文字で、なんて言わなくていいのに」とつぶやくと、必ず「いや、大文字小文字を区別するサーバーもあるんですよ」ってわざわざ忠告してくる人もいるけど、今、日本のラジオ局でそんな運用をしているところはない。
技術的な話はこちらの Blog がわかりやすい。
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そんなわけで、少なくとも僕の記憶では、ラジオ番組でリスナーからメールを募集し始めた時代から、そのメールアドレスは大文字小文字を区別されていない。かなり初期の段階から、自分が担当していた番組のメールアドレスで確認したから間違いないと思う。(いや、もしかしたら、90年代のインターネット黎明期はそういうサーバーがどこかのラジオ局にはあったのかもしれないが、それから20年以上経った今、そんな古い仕様で運用しているラジオ局があったら、それこそ教えてほしいものだ)
それでも「小文字で」と言い続ける理由は?
それなのに、いまだに多くのラジオ番組で「メールアドレスはすべて小文字で……」と言われ続けているのは何故なのだろう?
推測されるのは以下のようなパターンだ。
① インターネット黎明期に「小文字に統一しよう」と決めた名残
② Web サイトの URL も「すべて小文字で」と言っているので、よく知らずに統一
③ 前に担当した番組にも、そう書いてあったからそういうものだと思って
これ以外の理由は、たぶん、ない。つまり「すべて小文字で」と、わざわざ言う理由なんてないのだ。
じゃあ、これからはどうするべき?
説明するまでもなく、台本を書いているのも、喋っているのも、聴いているのも人間なのだから、アップデートすればいい。メールアドレスにおける「すべて小文字で」を、すべてのラジオ局で一斉に廃止してしまえばいいのだ。
ただでさえ、番組サイトの URL や Twitter アカウント、ハッシュタグ、番組によっては電話番号や FAX 番号、住所など、とにかく【宛先】の情報が多い中、わざわざリスナーに “無駄な情報” をさらに追加して、混乱させる必要がどこにあるのだろう? 同じ局でも、番組によって「すべて小文字で」と言ったり言わなかったり……というのは無駄な混乱を招くだけだし、そもそも必要のない説明を入れて冗長になることも、まったくリスナーの立場を考えていない。(Twitter の「ハッシュタグ」を「ハッシュマーク」と言っている番組もあるけど、あれもどうして統一されないのだろう?)
● 情報は無駄を削ったほうが確実に伝わる。
● 事実、「全部小文字で」と言っていない番組に何ひとつ支障は出ていない
各局でも民放連でも放送法でも何でもいいから、こういうことは、ちゃんと業界で統一したほうがいい。ラジオを “フレンドリーな存在” にしたいのなら、そういう努力も必要なんじゃないかと、割と本気で思っている。
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