ひとりの無党派層の備忘録 自民党総裁戦2021
2021年の自民党総裁選。個人的に非常に関心が高い。なぜならば候補者のそれぞれ"キャラ立ち"しているためだ。長期的に見て、誰が首相になるのかに応じて日本の政治が向かう「方向性」が決まっていくと感じている。自身としても今までの総裁選で一番注目している。いま感じていることを備忘的に書き残して、いつか自身の考え方とその後の結果との照らし合わせを行えれば良いと感じて備忘の筆をとった。
私はいわゆる無党派層と言っても差し支えないと思う。今までの選挙でも投票先は与党であったり野党であったり、政策が指示できる(と思える)政党へ投票してきた。また国家観としてもフラットであることを心掛けており、伝統と革新のどちらも切磋琢磨してせめぎ合い、高め合う(哲学用語で"アウフヘーベン"というものがある)ことを是としていることを始めに断っておきたい。
さて今回の総裁選であるが、公示日の直前に立候補した野田氏をひとまず除いて、主にとり沙汰されている3候補者については、あえて率直に整理して言えば以下のキーワードでまとめられると感じている
・河野氏:革新(前例に囚われない斬新な視点と前に進む力)
・岸田氏:調和(関係性を経験値に変換して調整する力)
・高市氏:保守(伝統の本質を見極めて守り伸ばす力)
それぞれの候補について、もちろん総裁選に勝つという観点で、自身の主張をある程度マイルドに抑えたり、他者や社会全体の要請視点を取り込んでいることはもちろん承知している。ただ、候補者演説や討論会はもとより、過去の言動において上記の傾向がみられることは衆目の一致するところだろう。
細かい政治の論点は、私自身が勉強不足でもあるため触れることはできないものの、現在の日本が抱える「アジェンダ」は多岐に亘っていることは事実だ。内政の観点では、少子化や福祉などの社会構造的な問題や、富の配分や産業統治などの経済面、皇族の継承などの伝統的な観点について道筋を示す必要がある。一方で外交の観点では、諸外国との貿易収支等の経済面はもちろん、近隣諸国との国防面や国際調和への貢献といった体外関係性にも目を配る必要性は高まっている。
これら諸問題に対して、どのようなリーダーシップが適切なのであろうか。私は前述の整理(革新・調和・保守)に加えて、童話から引用したもう一つの観点を挙げたい。
河野氏:北風型アプローチ
岸田氏:太陽型アプローチ
高市氏:両要素を持ったバランス型
上記のいずれについて優劣を感じているわけではない。ただ各人の気質としてアプローチのタイプは分かれると思う。
以上を踏まえつつ、私は率直にまず、誰が首相の座を得たとしても、主要閣僚や重役ポストなどに登用し合い、お互いの意見を提示し合うことが日本にとって良いと考えている。それは、伝統と革新や、変化と維持といった相対する概念が互いに影響し合いながら良い到達地点を模索するという、前述の"アウフヘーベン"が是であると信じているからだ。
また、そう思うのは「革新・調和・保守」、「北風型・太陽型」といった多様な候補者が出揃ったためだ。
逆に言えば、私は新首相が他の候補者を排斥した場合は、内政面・外交面の両方において悲観的な展望を感じざるを得ない。
最後に、インターネットでは印象論的に特定の候補者のみを断定的に支援する表現や、逆に一側面のみの理由で否定する意見が散見される。印象で盛り上がり、実態で期待が外れて盛り下がる展開は日本の歴史で多く繰り返されてきたはずだ。広く公平な視点を私たち国民も持たなければならないと思う。この点は慎重な姿勢で捉えたい。
日本の将来の舵取りが、どのようなリーダーシップとアプローチによって成されるか。個人として大きく考える機会になった今回の総裁選を記憶に留めて、また一日一日を生きていこう。
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