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ハイレベル理系数学~2~

 このシリーズは、河合塾の「ハイレベル理系数学」の解答/解説に注釈をつけて、解りやすくしたものです。元の「ハイレベル理系数学(三訂版)」を見ながらでないと、このnoteだけでは何のことを書いてるか解らないです。


例題5

  • 線対称→対称軸をx=0にもってくると偶関数→偶関数を平行移動した関数は線対称。

  • 点対称→対称点を原点にもってくると奇関数→奇関数を平行移動した関数は点対称。

  • 偶関数:$${f(-x)=f(x)}$$、奇関数:$${f(-x)=-f(x)}$$。

例題6

【解答2】(2)

  • $${g(x)=f(x+m+1)}$$の$${x}$$に$${-1}$$を代入すると$${g(-1)=f(-1+m+1)}$$。

例題7

(2)

  • $${x_1+…+x_n=0}$$だから、正の数と負の数があるので、$${x_1}$$は正、$${x_n}$$は負。

  • $${x_l>0≧x_{l+1}}$$とおくとき、$${S_l}$$は正の数の合計だから正。

  • $${S_k}$$において、$${k=1}$$から$${k=l}$$までは、$${x_k}$$が正だから$${k}$$が増えると$${S_k}$$も増加していくが、$${k=l+1}$$以降は、$${x_{l+1}}$$は負だから$${S_l≧S_{l+1}}$$となり、$${S_k}$$が減っていって$${S_n}$$は$${x_1+…+x_n}$$だから$${0}$$。

(3)

  • $${x_1-m,x_2-m,…}$$を(2)における$${x_1,x_2,…}$$とみる。

問16

(1)_1

  • $${f(t)}$$のうち$${\sqrt{t}}$$と$${\displaystyle\frac{1}{\sqrt{t}}}$$ で相加相乗平均の定理を適用すると、$${\displaystyle\frac{\left(\sqrt{t}+\frac{1}{\sqrt{t}}\right)}{2}≧\sqrt{\sqrt{t}・\frac{1}{\sqrt{t}}} \Leftrightarrow \sqrt{t}+\frac{1}{\sqrt{t}}≧2\sqrt{\sqrt{t}・\frac{1}{\sqrt{t}}} }$$。

  • $${\displaystyle\sqrt{\left(t+\frac{1}{t}+1\right)}}$$のうち、$${t}$$と$${\displaystyle\frac{1}{t}}$$で相加相乗平均の定理を適用すると、$${\displaystyle\frac{{t+\frac{1}{t}}}{2} ≧ \sqrt{t・\frac{1}{t}}  \Leftrightarrow  t+\frac{1}{t}≧ 2 \sqrt{t・\frac{1}{t}} }$$となるから、$${\displaystyle\sqrt{\left(t+\frac{1}{t}+1\right)} ≧ \sqrt{ 2 \sqrt{t・\frac{1}{t}}+1}    }$$。

  • $${f(x)・g(x)=1}$$だから$${\displaystyle g(x)=\frac{1}{f(x)}}$$なので、$${f(x)}$$が最大の時$${g(x)}$$が最小。

(2)_2

  • $${\displaystyle g(x)=\frac{x-\sqrt{x^2-1}}{1}}$$ とみて分母分子に$${\displaystyle x+\sqrt{x^2-1}}$$をかけると、$${\displaystyle g(x)=\frac{ \left( x-\sqrt{x^2-1} \right) \left( x+\sqrt{x^2-1} \right) }{ x+\sqrt{x^2-1}}= \frac{x^2-(x^2-1)}{ x+\sqrt{x^2-1}}=\frac{1}{ x+\sqrt{x^2-1}}}$$。

(2)

  • $${\displaystyle x+y=\sqrt{(x+y)^2}=\sqrt{x^2+2xy+y^2}}$$だから、$${x+y}$$は$${\displaystyle \sqrt{x^2+xy+y^2}}$$より大きい。

  • $${\displaystyle \frac{y}{x} }$$を$${t}$$とおくと、$${y=xt}$$となるので、$${\displaystyle xy=x^2t  \Leftrightarrow \sqrt{xy}=x\sqrt{t}   }$$だから、これで割ると、$${\displaystyle \frac{x}{\sqrt{xy}} = \frac{x}{x\sqrt{t}} = \frac{1}{\sqrt{t}}   ,  \frac{y}{\sqrt{xy}} = \frac{y}{x\sqrt{t}} = \frac{t}{\sqrt{t}}=\sqrt{t}   ,  \frac{\sqrt{x^2+xy+y^2}}{\sqrt{xy}}=\sqrt{\frac{x^2}{xy}+\frac{xy}{xy}+\frac{y^2}{xy}} = \sqrt{ \frac{1}{t}+1+\frac{t^2}{t} } }$$。

問17

【解答1】

  • $${\displaystyle (x-y)^2}$$は、$${x=y}$$のとき$${0}$$だがそれ以外は正の数。

  • $${x^2+y^2-2xy≧0 ⇔ x^2+y^2≧2xy}$$で、両辺を $${x^2+y^2}$$で割ると $${\displaystyle 1≧\frac{2xy}{x^2+y^2}}$$。

  • $${x}$$も$${y}$$も$${0}$$ではないから、$${\displaystyle 0<\frac{2xy}{x^2+y^2}}$$。

  • $${\displaystyle 0<\frac{2xy}{x^2+y^2}≦1}$$ の全部に$${+1}$$すると、$${\displaystyle 1<1+\frac{2xy}{x^2+y^2}≦2}$$。

  • $${\displaystyle 1+\frac{2xy}{x^2+y^2}= \frac{x^2+y^2+2xy}{x^2+y^2} = \frac{(x+y)^2}{x^2+y^2}  }$$だから、$${\displaystyle 1<1+\frac{2xy}{x^2+y^2}≦2}$$の全部の平方根をとると、$${\displaystyle 1<1+\frac{x+y}{\sqrt{x^2+y^2}}≦\sqrt{2}}$$。

  • 逆数にすると大小関係がひっくり返る。

【解答3】

  • $${\displaystyle \vec{a}}$$と$${\vec{x}}$$の内積は$${|\vec{a}||\vec{x}|\cosθ}$$。

  • $${\displaystyle \frac{ |\vec{x}|}{(\vec{a}・\vec{x})}= \frac{|x|}{|\vec{a}||\vec{x}|\cosθ}=\frac{1}{|\vec{a}|cosθ}}$$。

  • $${\vec{x}}$$は、$${x,y}$$が正の数なので、第一象限に限られるから、$${a(1,1)}$$からの$${θ}$$は最大で$${\displaystyle \frac{π}{4}}$$。

【解答4】

  • $${x^2+y^2=r^2}$$の円周上の点$${(x,y)}$$は、$${x+y}$$は直線$${x+y=r}$$の外側にあり、円の接線$${\displaystyle x+y=\sqrt{2}r}$$の内側にある。

【解答5】

  • 分母と分子の合成関数とみて合成関数の微分をする。

  • $${\displaystyle \lim_{t\to +0}  \frac{\sqrt{1+\frac{1}{t^2}}}{1+\frac{1}{t}}}$$では、分母分子の1を無視できる。

問18

【解答1】(1)_1(ⅱ)

  • $${\displaystyle 2\log_2(x)-\log_2(x-1)=m ⇔ \log_2(x^2)=m+\log_2(x-1) ⇔ \log_2(x^2)=\log_2(2^m)+\log_2(x-1) ⇔ \log_2(x^2)=\log_2\{2^m(x-1)\} }$$

  • $${\displaystyle \log_2(x^2)=\log_2\{2^m(x-1)\} }$$は $${\log}$$を取り去っても成立するので$${x^2=2^m(x-1) }$$。

【解答1】(1)_2(ⅰ)

  • 2次関数について$${f(a)}$$と$${f(b)}$$で符号が異なれば、$${y=f(x)}$$のグラフは$${y=0}$$をまたぐので必ず実数解が2つ以上存在する。

【解答1】(1)_2(ⅱ)

  • $${2^m=a}$$とおいているから、(1)_1(ⅱ)と同様にして$${x^2=2^m(x-1)}$$だから$${x^2=a(x-1)}$$。

  • $${g(x)}$$について$${x}$$の総当たりで、(1)_2(ⅰ)と同様にして、$${g(x)}$$に$${x=1,x=2}$$を代入して、$${g(x)}$$の符号を確かめる。

【解答1】(2)

  • 微分して頂点の$${x}$$座標を得ると軸の位置がわかる。

  • 解1(1)より、頂点のy座標はマイナスとわかる。

  • 連立方程式の解から交点が$${(2,4-a)}$$と解り、$${a>4}$$だから交点のy座標が負とわかる。

  • $${g(x)}$$の軸は$${\displaystyle x=\frac{a}{2} }$$であるから、$${\displaystyle \frac{a}{2}-γ=δ-\frac{a}{2}⇔ a=δ+γ }$$ であるから$${ a>δ }$$。

【解答3】

  • $${g(x)=f(x)-a(2-x)}$$で、$${g(x)=0}$$のときの$${x}$$が解$${γ}$$と$${δ}$$なので、同値である$${f(x)-a(2-x)=0}$$の解を求めることを考える。

  • $${f(x)-a(2-x)=0 ⇔ f(x)=a(2-x)}$$ だから、$${f(x)}$$と$${a(2-x)}$$の交点の$${x}$$座標が$${γ}$$と$${δ}$$。

  • $${f(1)>l(1)}$$だから、交点の$${x}$$座標の一つは$${1>γ}$$

  • $${f(2)<l(2)=0}$$だから、$${α<2}$$であり、交点の$${x}$$座標が$${γ}$$なのだから、$${γ<α}$$。

  • $${f(a)=-a^2+3a,l(a)=-a^2+2a}$$ だから$${f(a)<l(a)}$$なので、交点は$${a}$$より左だから$${δ<a}$$。

問19

【解答1】(1)

  • 実数解をもつときは、判別式が$${0}$$以上になる。

【解答1】(2)

  • $${f(-1)=a-2b+c,g(-1)=b-2c+a,h(-1)=c-2a+b}$$だから、$${f(-1)+g(-1)+h(-1)=0}$$。

【解答2】(1)

  • $${\displaystyle \frac{a}{b}=\frac{c}{a}=\frac{b}{c} }$$の全部に$${abc}$$を掛けると$${ a^2c=c^2b=ab^2、a^2c=c^2b}$$より$${a^2=cb}$$、これに$${c^2b=ab^2}$$より、$${\displaystyle c=\frac{b^2}{a}}$$を代入すると、$${\displaystyle a^2=\left(\frac{b^2}{a}\right)b}$$だから、$${a^3=b^3}$$。$${a}$$も$${b}$$も正の数だから複素数は含まないので$${a=b}$$がいえる。

【解答1】(2)

  • $${x=0}$$ではどの式も正の値になり、$${x=-1}$$のときにどれか一つは負の値になるから、$${x}$$が$${-1}$$から$${0}$$の間でどれか1つは必ず$${y=0}$$をまたぐ。

問20

【解答2】

  • $${F(x)=0}$$が重解$${γ}$$をもつときは、$${F(γ)=0}$$とともに、$${γ}$$での接線の傾きも$${0}$$だから、$${F'(γ)=0}$$。

  • $${\displaystyle 2\{f'(γ)+1\}f'(γ)=0}$$であるから、$${f(γ)+1=0}$$または$${f'(γ)=0}$$。

【解答3】

  • $${f(x)=0}$$の解を$${α}$$と$${β}$$とおくと、$${f(x)=(x-α)(x-β)}$$に因数分解できるから$${f\left(f(x)\right)}$$は$${f(x)}$$の$${x}$$に$${f(x)}$$を代入して$${\displaystyle \{f(x)-α\}\{f(x)-β\} }$$と因数分解できる。

  • 重解だから、$${f(x)-α=0}$$または$${f(x)-β=0}$$の解は$${f(x)}$$の頂点の$${x}$$座標。頂点の$${y}$$座標が$${α}$$または$${β}$$。

問21

(1)_1

  • $${f(x)}$$の1階微分(導関数)は、$${f(x)}$$の$${x}$$における増加量を示す。

  • 導関数が正になる範囲でのみ$${f(x)}$$は増加。

  • $${\displaystyle \left|\frac{-a±\sqrt{a^2-3b}}{3}\right| }$$の$${a}$$と$${b}$$をそれらの最大の$${m}$$に置き換えたものは、置き換える前より必ず大きい。

  • $${m^2+3m < m^2+4m+4}$$。

  • $${|β| < m+1 ⇔ -(m+1) < β < m+1 x }$$だから、$${x}$$が$${-(m+1)}$$から$${m+1}$$の範囲外では、$${f(x)}$$は単調増加。

(1)_2

  • $${m≦|x|-1}$$ を $${2m|x|+m}$$に代入すると、$${2(|x|-1)|x|+|x|-1=2|x||x|-|x|-1}$$だから、これは$${3x^2}$$より小さい。

  • $${|2ax+b|<3x^2}$$が示せたから、この絶対値を外すと、$${-3x^2<2ax+b<3x^2}$$。この全てに$${3x^2}$$を足すと$${0<3x^2+2ax+b<6x^2、3x^2+2ax+b}$$は$${f'(x)}$$だから、$${f'(x)}$$は常に正で$${f(x)}$$が単調増加。

(2)_1

  • $${f(x)}$$が単調増加する範囲が解っているので、$${f(x)}$$が単調増加でない$${x}$$の範囲内に$${f(x)=0}$$のところがあるから、単調増加するとわかっている$${x=m+1}$$と$${`x=-(m+1)}$$の符号を調べる。

(2)_2

  • $${ |α|^3-1 < m(|α|^2+|α|+1) ⇔  |α|^3-1-m(|α|^2+|α|+1) < 0 ⇔ |α|^3+|α|^2+|α|-|α|^2-|α|-1-m(|α|^2+|α|+1) < 0 ⇔ (|α|-1-m)(|α|^2+|α|+1) < 0 }$$

  • $${ (|α|-1-m)(|α|^2+|α|+1)<0}$$において$${(|α|^2+|α|+1)>0 }$$だから、$${ (|α|-1-m)<0}$$

問22

(1)_2

  • $${f(m) }$$は$${(n-m)}$$でも割り切れるから、$${f(0)}$$は$${(n-0)=n}$$で割り切れる。従って解$${n}$$は$${f(0)}$$の約数である。同様に$${f(1)}$$は$${n-1}$$で割り切れるから$${f(1)}$$の約数から$${n-1}$$が推定できる。

(2)

  • $${n}$$の候補を総当たり(とは言っても、$${m=0,1,-1}$$)で$${f(m)}$$の約数から推定し、$${f(n)=0 }$$になるかを調べる。

問23

【解答1】

  • $${\displaystyle F(x,y)=9\left(y-\frac{x-1}{3}\right)^2+(x-2)^2+2 }$$なので、$${\displaystyle \left|y-\frac{x-1}{3}\right| }$$が$${ 3≦x≦5,0≦y≦1 }$$の範囲で最大のとき、$${ F(x,y) }$$が最大になるから、これらは$${y=0}$$で最大になり、$${y}$$が$${1}$$のときに最小になり”うる”。

  • $${\displaystyle 9\left(y-\frac{x-1}{3}\right)^2+(x-2)^2 }$$を$${0}$$にすると$${F(x,y)}$$が最小となるが、$${y}$$は$${1}$$より大きくならないので、このときは$${y=1}$$を代入して、これが$${0}$$になるときは$${\displaystyle 1-\frac{x-1}{3}=0 }$$で $${x=4}$$。

  • $${y}$$は$${1}$$を超えないから、$${x}$$が$${4}$$以上であれば、$${y=1}$$で$${F(x,y)}$$は最小となる。

  • $${x}$$が$${4}$$以下のときは、$${\displaystyle y-\frac{x-1}{3} }$$を$${0}$$にする$${y}$$は$${\displaystyle \frac{x-1}{3} }$$。

問24

(1)

  • グラフより$${|x|>2}$$のとき$${ f_1(x) }$$は単調増加

  • $${f(x)=a}$$の実数解は、$${y=f(x)}$$と$${y=a}$$の交点

(2)

  • $${f_1(x)=t }$$とおくと、$${ t-u}$$平面で$${u=f_1(t)}$$と$${u=a}$$の交点は、$${|a|<2}$$で3つだから、この3つの$${t}$$に対応する$${x}$$は、$${t=f_1{x}}$$のグラフから、それぞれ3つずつあるので、全部で9個。

(3)

  • $${a=2}$$のとき、$${f_n(x)=2}$$とおくと$${f_{n+1}(x)=f_1(f_n(x))=f_1(2)=2^3-3・2=2}$$。一方、$${f_1(-1)=2}$$であるから、$${f_n(x)=-1}$$とも言える。したがって$${f_n(x)=-1}$$と$${f_n(x)=2}$$の両方である。

  • $${f_{n+1}(x)}$$の実数解の個数は、$${f_n(x)=2}$$の実数解の個数と$${f_n(x)=-1}$$の実数解の個数の和である。$${f_n(x)=-1}$$の実数解の個数は$${|a|<2}$$だから$${3^n}$$個。

  • $${x_1}$$は$${f_1(x)=2}$$のときの実数解の個数だから、(1)から$${x_1=2}$$。

  • $${x_{n+1}=3^n+x_n}$$ よって、$${x_n=3^n+x_{n-1}}$$。また、$${x_{n-1}=3^{n-1}+x_{n-2}}$$なので、$${\displaystyle x_n= 3^{n-1}+ 3^{n-2}+…+3+2=\sum_{k=1}^{n-1}3^k+2}$$。


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